ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2018年11月30日(金) 母が遠ざかっていく

冷え込みの厳しい朝。きりりっとそれが心地よい。

夜明け前の満天の星空に誰を想えば良いのだろうか。



孫たちを保育園に送り届けて山里の職場に向かう。

昨日ほぼ済ませてあったのでずいぶんと楽な月末だった。

明日からはもう師走。今度は年末に向けて走り抜けなければいけない。

なんとかなると思ったり。なるようになると思ったり。



午後、少し早めに終わらせてもらって母を訪ねた。

ちょうど買い物から帰ったところでたくさんの食料品。

その荷物をアパートに運び入れて目を疑った。

なんとテーブルの上にもたくさんの食料品の山なのだ。

生物もそのままにしてあったので冷蔵庫を開けるとまたびっくり。

もう入りきらない程の食料品がぎっしりと詰め込んである。


怒ってはいけないと思いつつ声を荒げてしまった。

「こんなにたくさんどうするのだ」と。

案の定、母の怒鳴り声が返ってくる。やはり怒ってはいけないのだ。


おそらく毎日食料を買わないと不安なのだろう。

食べたいと思った物を片っ端から買い込んでいるのだと思う。


もう何も言うまい。好きなようにさせてあげようと逃げるように帰った。


帰りながら涙がこぼれる。それは無力感か、得体のしれない哀しみか。

老いて壊れていく母をどうすることもできない。




娘が帰宅が遅くなると言うので、保育園のお迎えにぎりぎり間に合う。

「おかあさんは?」と孫たち。でもおばあちゃんでも笑顔が嬉しい。

それは宝物みたいにとびっきりの笑顔だった。



母が遠ざかっていく。どんどん遠く離れていく夕暮れ時のこと。




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