曇り時々雨。さあっと走り抜けるように雨が降る。 かくれんぼしているおひさまに呼びかけるように風が吹く。
夕方、土手を散歩していてはっとしたのは夏草の鮮やかな緑。 除草作業があったのはついこの前だったのにもう生い茂っている。 ちろちろと夏草たちが踊っているような歌っているような風景だった。
そうして歩きながら見つけたのは一輪の野あざみ。 白つめ草の花も咲いていた。ぽつんとひとりぼっち。
あたりいちめんを刈られてしまった時に季節が後戻りしたのかもしれない。 夏の盛りに咲く春の野花はなんだか奇蹟のように尊く思えてならなかった。
仲間はみんなどうしてしまったのだろう。ちょっぴり心細くて淋しい。 そんなふうにつぶやいている声が聞こえてきそうだった。
だいじょうぶよ。夏草たちがよりそって抱きしめているように見えた。
つよくつよく生きること。あたえられた命を守りぬくこと。
ありのままの自然は命の大切さをそっとおしえてくれている。
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