どしゃ降りの雨と強い風。まるで嵐のような朝だった。
とことん降ればいいのだと思いつつ激しい雨音をきく。 そんな雨に打たれたい衝動にかられるには少し老いすぎ。 むかしむかしずぶ濡れになった少女の頃をふと思い出す。
そんな雨もとうとう力尽いたかのようにぴたりとやみ。 午後には薄く陽が射し始めた。それは優しい春の太陽。 雨上がりのなんともいえない水のにおいがただよって。 そこには光の精が手をつなぎあって踊り歌っているようだ。
わたしも踊れるかもしれない。歌だってうたえるかもしれない。
とても清々しいきもちになって散歩に出掛けた。 ご近所の庭先の紫陽花。もう花芽が見えている。 そうしてそのかたわらにはなんとコスモスの花が。 先日からの寒の戻りを秋だと感じたのかもしれない。 とても不思議な光景ではあったがその花のかわいさ。
お大師堂には昨日のお遍路さんがとどまっていた。 今日の旅をあんじていただけにとてもほっとする。 よい休息日になりましたとにこやかに微笑んでくれた。
しばし語らっているとミニバイクに乗ったお遍路さんが。 なんと長崎からバイクに乗って旅を続けているそうだ。
ひとりよりふたりがいい。今夜のお大師堂はにぎやかになりそうだ。
今日の雨がなければ出会えなかっただろうふたり。
これもささやかな縁なのだと思うとわたしも嬉しかった。
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