| 2009年04月05日(日) |
耳を澄まして頷くばかり |
昨日の雨の匂いが漂ったままの曇り日だったけれど。 しきりに鶯の歌声が聴こえ。この春に心をなごます。
寒さもやっと峠を越えたようだ。陽射しを待ちつつ。 四日ぶりの散歩に出掛ける。土手はもう緑にあふれ。 あちらこちらに野あざみが咲き。その棘ある花さえ。 そっとふれてみたくなる。なんとも鮮やかな可愛さ。
お大師堂のすぐそばにワゴン車が停まっていて人が。 たくさんいるのに少し気後れしつつ、そっと近づく。 お遍路さんではなさそうだ。8人くらいの若者達が。 土手に寝そべって。どうやらお昼寝をしているふう。 鼾をかいているひともいて。起こしてはいけないと。 忍び足で通り過ぎようとした。「こんにちわぁ」と。 ひとりの青年が挨拶をしてくれたので皆が起き出す。
なんと照れくさいことだろう。でも微笑ましい光景。 挨拶をしただけで何も訊けずに。お大師堂に向かう。 帰りにもういちど話しかけてみようと思っていたら。 すぐさま帰り支度を始めたようで。そのままになる。
そのかわりその場所にぽつんと小さなテントが残る。 ワゴン車の人達とは違うようだ。お遍路さんの杖が。 テントに立て掛けてあった。今日はここまでと決め。 もう野宿の準備が完了したのだろう。中に人の気配。 お大師堂に泊まれる事を知らないのかもしれないと。 声をかけてみようと思うが。それも出来ず立ち去る。
帰宅して彼にその話をすると。ひとそれぞれなんだ。 テントで寝るのが好きなのかもしれないじゃないか。 そっとしておいてやるのが良い時もあるんだよと言う。
私は時々どうしようもなくお節介なひとになるから。 良かれと思ってしたことや言った事がいけなくって。 ひとに迷惑をかけたり。不愉快な思いをさせてしまう。
うん・・きっとそうだね。ぐっすりと眠れるといいな。 ああこの川辺好きだなって。また来てくれたらいいな。
帰り道に高台の桜を確かめに行った。花びらの絨毯と。 わずかに残ってくれている桜を。この目で見届けると。 なんともいえないせつなさと。清々しい気持ちになる。
潔いことが好きだ。散る時を知り。なんの未練もなく。
かなしまないでおくれ。せいいっぱいの時が終わったよ。
そんな声がきこえてくるようで。耳を澄まして頷くばかり。
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