ゆらゆら日記
風に吹かれてゆらゆらと気の向くままに生きていきたいもんです。

2006年10月12日(木) おかげさま

小紫の実の粒々の枝垂れ咲くのを。せつない色だと思い。愛おしくもあり。
峠道行けば。つわぶきの花が。陽の当たらぬ岩清水のそばでひっそりと咲く。

長い髪のおんな遍路さんが。なんだか苦しそうに立ち止まり。梢を見上げていた。
むしょうに声をかけたくてたまらないのに。はっとしながら追い越していくのが。

こころに痛く。行き過ぎればつかのまのこと。杉木立のうえは真っ青な空だった。


山里はまぶしいくらいの朝の光に満ちて。真正面からその光が降ってくるのを。
ひとつ残らず受止めたい気持ちでありながら。つつと零れ落ちていくのだった。
儚いとは決していうまい。我が身のほどはいかばかりか。もうじゅうぶんな光。


おかげさま。私は忘れてはいない。何度だってそう言い聞かせてあげたい。


もうじゅうぶん。たりないものなど。なにひとつ思い浮かばないでいる。


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