うす曇どこかがそっと秋の色。
先週の日曜日から飼い始めたクラゲが。少し弱る。 海に帰してあげたらと。夫君が言ったのだけど。
ふたりで近くの海に行く。 波打ち際では海水が汲み難いからと言って。 ちいさな港があるところへ連れて行ってもらった。
ペットボトルを提げて港の。船を下ろす坂のところで。 何度がやってみたけれど。うまく海水が汲めなかった。
そしたら。彼がクルマから降りて来て。 どれ、かしてみろって言って。ズボンを捲って海に入る。 ちいさな波が。ぽちゃんぽちゃんと来て濡れながらも。 ほらよって。すごく得意そうな顔をして微笑んでいた。
なんだかとても懐かしい顔。こんな光景は初めてだったけれど。 胸がきゅんとして。すごくすごく嬉しいなあって思った。
新鮮な海水のなか。クラゲはちょっと元気になる。 息してるぞ。息してるぞって。彼はとても喜んでいた。
やわらかな午後。わたしは。
なにひとつ足りないことなどないのだろうと思う。 生かされてみたいのだ。だからずっとここにいたいと。
思った。
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