朝のいつもと同じ時間に夜が明けなくなって。なんだかまだ眠い。 夜が来るのも急に早くなったようだ。夕陽を見ないまま夜になる。
稲の切り株の匂いを感じながら出勤したのだが。あのなんともいえない。 藁の匂い。焦げ臭いような。それでいて懐かしいような匂いが少し好き。
今日は。サチコの24歳の誕生日だった。 20代の「よんちゃいだよ」って赤ちゃん言葉で甘えて言ったのを。 母は聞き間違えてしまったらしい。ケーキ屋さんに注文する時も。 「よんちゃん」って名前を入れて下さいって頼んでしまったのだ。
でもね。それがけっこううけてしまって。「よんちゃんって誰?」とか。 お馬鹿な母をみんなで笑ってくれて。おかげで楽しい夕食となった。 さんちゃんも。とうとうよんちゃんになったのか。ほんとうに早いものだ。
母にとっては。いつまでも子供。たとえさんじゅうちゃんになっても。 あどけなくてよちよちしていた頃の。抱っこしたぬくもりを忘れられない。
ひとつ。少し淋しいこともあった夜。 小雀のちゅんが。今夜からよその家で飼われることになったこと。 息子君の職場の同僚が。あの日ジャンケンで勝ったはずなのに。 どうしても飼いたいと言い出したのだそうだ。 私は淋しさのあまり。少し文句を言ってしまったのだけど・・ だって。ほんの数日だったけど。情がうつって可愛くてたまらなかったのに。 それをすんなり手渡してしまった息子が。なんだか憎らしくてたまらなかった。
雀ならほら。たくさんいるだろうがって。兄みたいな夫君が言って。 ほらほら。うちの軒下にも巣があるぞ。毎朝にぎやかに鳴いているだろうが。
うん・・そうね。毎朝ちゅんちゅんいっぱいいるよね。 そう思えば。いま泣いた雀も笑うというもの。 なんか私って。やっぱりこだわり過ぎるんだなあって思った。
すずめは雀。ひとは人。わたしは私で。いつも執着し過ぎてしまうのだ。 なんだかぽろりと自分の一部が転げ落ちてしまうのを感じた。
結果は。よき日。
こんなふうに終れる一日は。とてもありがたいなあって思う。
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