春の嵐なのかと思った昨日と。やっと向こう岸へと踏み出したような今日。 雨で濁った川の上の空には。ぽっかりと白い月が雲と一緒に浮かんでいる。
みあげる。見上げると不思議と。自分の居場所が見えてくる。 ここにいていいのだと思う。迷っても迷ってもここにいたいと思う。
白木蓮がたくさん咲いた。ふっくらとふくらんだ蕾を見つけた日のこと。 たぶんあの日は心細く。どうすればいいのかとすごく不安だった気がする。 ふくらむ。咲くためにふくらむ。雨に打たれても。それは咲くことを選ぶ。
みあげる。どんな空だろうと。なんて清らかな白い花だろう。 明くる日と明くる日をそっと重ね合わせたように。咲く花が愛しい。
ふあんはおそれ。ひていされているようなきょぜつ。 いままでずっとつらぬいてきたことがゆらぐこわさ。
明くる日を知らない。明くる日はまだむこう。なのにどうして。 明くる日のことを思っては。こんなにこだわっているのだろう。
みあげる。今だから見えることがこんなにいっぱいあるのだから。
みあげる。今だから感じることがこんなにあふれているのだから。
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