雲ひとつなかった空に。ほわんほわんといつのまにか。 雲が生まれる。それは午後のやわらかな風のなかにいて。
穏やか過ぎることが。ふと怖くなるくらい。 何事もなく。それがあたりまえみたいに時が過ぎて。
夕暮れの川辺の道を行けば。ボートが二隻。 ゆったりと。どこまでやら。理由なんてあるはずもなく。
そんな無題が心地よい。流されているのではなく。 漕いでいるのだ。水を切るのではなく水とともに。
私も。私だって無題かもしれない。 いつまで生きていつ終るのかそんなこと知らない。 その時は「ああ・・今ね」って言ってみせるから。
生まれた雲が重なって。茜の雲の行く末を。
誰も誰も知らない。夜がゆっくり更けていく。
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