嵐が去ったあとはいつもそう。本当は凄く悲惨なこともあったというのに。 空は微笑む。何事もなかったようにいつも空は。まるでそれが使命のようにして。
そうして難を逃れた者は。この私だって・・またいつもの日常を流れていく。 濁流を泳ぐわけでもなく。ゆるやかさに身を任すようにして今日を。明日を。
今朝も。避けたほうが無難かもと思いながら、いつもの山道を通る。 「今日はやめておけよ」と言われて。「うん・・そうやね」と言ったのに。
出勤前のひと時。ネットである方の日記を偶然見つけた。 題名に『雲』という字があって。なんとなくだけどクリックしてみて。 すごく落ち着いた文面。静かな空気が漂っていて。この日記好きだなと思った。
そういう時の私は。必ずその作者さんのHPにおじゃまするのが慣わし。 だって。好きだなって思ったら。もっと知りたいなって思うし。 そうして嫌になることなんて決してないくらい。文章がその方を語っている。
びっくりした。と、言うよりもすごく嬉しかった。 その方は『四国巡礼』をなさっていて。私の住んでいる町も歩かれていたから。 その記録や写真を見せて頂き。胸が熱くなるほどだった。
出勤時間も忘れそうになりながら、次は・・次はとその記録を辿る。 そしたらやはり思った通り、私が毎朝通る山越えの道もあった。
「おっし!行こう!」すっかり冷めてしまったコーヒーをぐいっと飲み干し、 いつもよりもっと清々しい気分で。こんな朝は贈り物みたいに嬉しい。
一人出会う。台風で足止めになっていたのか、颯爽と歩を進めるお遍路さん。 また一人出会う。若いお遍路さん。水たまりを撥ねないようにゆっくりと追い越す。 そしてまた一人出会う。きっとまだ暗いうちから歩き始めたのに違いない。
谷間から溢れ出す水のすぐそばに。つわ蕗の花が咲いていた。 その愛らしい黄色にほっとする。どんなにか雨風に打たれたことだろう。
お遍路さん達も見つけてくれたらいいな。 そしてそこでひと休み。ほっとして空を仰いでくれますように。
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