逃避している何かから。なんとなく嫌だなと感じる何か。
まるで夏のあいだのあの灼熱と。逃れきれなかったあの場所と。
その溜息の数だけ一歩また一歩と。どこかへ踏み出しているような。
夜になると。放心する。あてもないけれど迷うことはしないで。
込みあげてくるものもなく。思い詰めることもない。
そうしてふわふわと宙を彷徨っているような時が愛しい。
そのくせ満ちている。すごくいっぱいの何かが溢れそうで。
思わず抱きしめてしまいそうになる。感情の抜け殻なのか。
その脱ぎ捨てられた衣を羽織って。深く眠ってしまいたい。
目覚めれば明日。声にならない声のようにきみを愛したい。
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