ぴちゃん・・ひたひたひた・・ぴちゃちゃ・・ひたひたひた・・ これが今夜の水の音。川が流れているというより水が寝息をたてているような音だ。 水辺に誰かが居た。誰だろう?もう夜も更けてきたのに何をしているんだろう? 近づいて声をかけても返事がなかったら・・ど、どうしよう・・なんて思いながら逃げ帰って来た。
すぐさま夫に報告している私は、それが不可解なことであるのを期待している。 でも期待に反して「誰かがエビを捕っているんだろう!」と返事が返って来た。 なんだ・・そうか。つまんないなあ・・身の毛がよだつようなひと夏の経験とか・・したかったなあ。 臆病なくせにそういうのにとても興味がある。お盆にはきっと!なんて思っていたりするから可笑しい。
今日もうだるような暑さだった。夜風にあたっていると身体が生き返ったようにしゃんとする。 洗った髪を風で乾かし乙女のように夜空を見上げる。そんなつかの間の時間に酔いしれていたりする。 夏だからこそ好きになりたいそんな自分に、今夜もご褒美をあげたい気分だ。(笑)
話は変るけれど、昼間・・ちょっとした感動もあった。 自動車部品を配達してくれるお兄さんが、今日も暑さでダルダルでおまけに昼食も食べていないと言う。 食べる暇もなくあちこち走りまわっていたようで、空腹で吐き気がしてきたと嘆いていた。 そしたら思いがけないことに、あの鬼のような専務オババが「ちょっと待っていなさい!」と言い出した。 笑顔で戻ってきたオババは“おにぎり”を差し出し、食べて行きなさい休んで行きなさいと勧めるのだ。 お兄さんは目をウルウルさせて美味しそうにそれを頬張り、何度も頭を下げて帰って行った。
私もほのぼのと嬉しくなった。オババもいいとこあるなあ・・って感動した。 月末で苛立っていた職場にもこうして訪れる優しい時間がある。 暑くてもしんどくても・・今日はとてもいい日だったなと思っている。
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