あのね、
友達と会うために電車に揺られるわけですよ。
むしろ、電車がボクを揺らすわけですよ。

新婚さんのその友人はね、ボクの大学時代からの友達で
非常に仲が良くて、こうなったらなんかお祝いの差し入れを持参するわけですよ。
そしてね、フツーのものではつまらんので
なんかいろいろ探したわけですよ。
会心の差し入れとめぐり合うために。

で、ご購入したのですけどね、
ドリアン。
会心なり。
これでヤツを撃沈してやる。

わざわざドリアン本体にリボンつけて
テープ巻いて、
お洒落な箱に梱包して
もうね、ゴキゲンなのですよ。
ああ、王様、果実の王様ですよ。
王様を運搬するボクは
まさに王様の付き人な訳ですよ。

でね、電車に乗るわけですよ。
電車の床は赤じゅうたんですよ。
うむ、苦しゅうない。

でもね、
なんかね、
くさいの。
この王様。
もう付き人辞めたい。

みんな振り返るのですよ。
ドリアンてホントにくさいのですよ。
非常に高価な果物なんですけどねこの王様は、
大枚はたいて、このくさいニオイを存分に堪能する権利を得たのですよ。
先にボクが撃沈しました。

そんなわけで、本日のトーキョーは、一部異臭騒ぎに見舞われ
僕も被害に会いました。
ああ、自分がやられてしまうことに気付かなかった。