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20101025

 イカ娘2話と3話まとめて見た。
 今木さんが「見てられない」って言ってたのは、あれは今木さん流のレトリックかなーと思ってたんだけど、3話まで見たらだいぶ考えが変わった。かなりひどい。もちろん構造上はギャグでしかないんだけど、通常ギャグって、特にチャンピオンのやつは伝統的にそうなんだけど、ギャグの中心である「異人」みたいな存在が、人間としての結構を備えてないことによって回転してるんだよね。イカ娘の場合も、イカちゃんは確かに人間ではないんだけど、それにかわいい外見と「女の子」という属性を与えてしまった時点で異様なことが発生した。つまり「かわいそう」だ。しかもこの構造がかなり露骨。
 侵略者とイカちゃんが名乗っている時点で、それを日常に取り込むためには侵略者としての脅威を無効化するギミックが必要になるわけで、この場合「実際の日常生活においてはイカちゃん無力」ということになる。これケロロもそうだったわけで、それゆえに似たような感じを受けたわけなんだけども、ケロロの場合、侵略者どもは人間じゃなかったし、なによりやつらは集団だった。ところがイカちゃん一人きり。これがひどい。栄子なんかはよく「ああ平気こいつなんてどうせそんなもんだから」っていう扱いをするんだけど、それ自体は栄子の側にとっても、イカちゃんの側にとっても「日常の一コマ」でしかないんだけども、見ているこっちから見ると、はっきりと「イカちゃんがまともに扱ってもらえてない」という構図になる。
 イカちゃんは本気で世界征服をできると信じている一方、周囲はそれをまったく問題にしていない。かといって、イカちゃんの正体について疑念を抱いているかというと、イカちゃん本人の言うことをそのまままともに受け取っている。しかもバイトとしてイカちゃんを使う方便として「ここを拠点に世界征服」っていうのまでついてる。そして事態が深刻になることは、すべてギャグの文法によって流される。
 すでに書いたように「そういうものだ」といって流すには、イカちゃんちょっとかわいすぎるしなんでも真に受けすぎる。

 というように、かなり厄介な構造を持った作品。
 基本的にそういうことはいっさい考えずに作品を見れるほうではあるんだけども、ちょっとこれについて構造が露骨すぎて感じずにはいられない。
 まあそれはそれとしてイカちゃんかわいい。このかわいさはおかしい。かわいそうだからいっそうかわいい。ただ、やっぱりなにぶんにもギャグの主人公なんで、なんかこう、入っていけない感じがある。いろんな点ですごく見ていて不自由な感じのするアニメ。これがギャグの連載として継続してるってのはかなりなもんだなー、と。まあそんなような。
 あと唯の歌声が効きすぎてしにそう。



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