「笑」 - 2006年05月09日(火) いのちの重み。そんなん考えることなんて普段の生活じゃ全くない。でも。 「今日俺んとこの子ども手術やねん。」 バイト先の人が言ってた。その子はすごく未熟児で。産まれてすぐ保育器で。常に命の危機にされされてるんだって。でね、今日はその子の先を決める大事な日。つまり、成功したら生きるし、失敗したら死んじゃう。…どちらかってゆーと死んじゃう確率のが高いんだって。 それでも、その人は笑ってた。やってみなきゃわかんないから生命力を信じるだけだって、笑ってた。 本当は、すごくすごく辛いはずなのに。泣きたいはずなのに。 かっこいいって思った。すごいって本気で思った。あたしも、そんな強さが欲しいと思った。 家に帰ってからりなちゃんにその話をした。 「お前、よっぽどそいつのこと好きなんやなぁ…」 呆れ気味でりなちゃんは言った。あたしは普段からその人の人柄に惹かれててすごく憧れてたから毎日のようにその人の話をしてたんだよね。 「だって、むっちゃ偉いやん。お金だってかかるし…もちろんそれだけじゃなくて精神的に辛いやろにいっつも笑って頑張ってるし。すっごい好きやけどLOVEな気持ちじゃないもん。」 はいはい、そう軽くあしらわれてあたしは顔をしかめた。 「はぁ…でもさぁ、なんでいい人にはなんか不幸が訪れるんかなぁ?悪い人こそ不幸になればいいのにさ。」 「それはあれやわ。いい人はちゃんと正面から不幸と向きあうねん、ちゃんと受け止めるから不幸に見えるんやん。悪い人はそーゆーのからただ逃げてるだけ。」 うわぁ。何こいつ(笑)なんかめっちゃすごいことさらって言うんやね。あたし、感動しちゃったよ。そっか、そうなんだよね。不幸も幸せも、皆にあるんだよね。 あたしはいつもりなちゃんに驚かされて。軽くあしらってるようでもぽんっと真剣な答えを返してくる。 あたしも、たくさんの問題正面から受け止めるよ。 あなたの隣を歩めるように。いつも笑って、でも真剣に。 ちゃんと向き合って、解決して。そして不幸を幸せに変えるんだ。逃げた人にはなれない、本当の幸せを掴むんだ。 「りなちゃんってすごいやねぇ…」「はぁ?お前今更気付いたん。」 あぁ。あの優しいあの人や。 子どもさんが幸せになれますように。 あたしなんかが人の幸せを願えるなんて思わないけど、願わずにはいられない。どうか、どうか。 いのちが、助かりますように。笑顔が、続きますように。 -
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