My life as a cat
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2018年04月14日(土) 芸術に賑わう町、ヴァンス

用事があるという図書館のクリスティーヌに着いてヴァンス(Vence)という町を訪れた。ニースから西に20劼曚匹両貊蠅砲△襪海両さな町には、アンリ・マティスが手掛けたチャペルやマルク・シャガールのモザイク画が置かれるカセドラル、その他なんと26ものアート・ギャラリーがある。旧市街はゆっくり歩いても30分もかからないくらい小さいが、その中にはあらゆる愛らしい小さなお店やギャラリーが詰まっている。たった50m歩く間にも3軒ものショコラティエ、2軒の老舗ブーランジェリー、2軒のフロマージェリー、、、、といった感じで、オリジナリティ―やクオリティーを追究する値の張るお店が並んでいて、優雅な香りがする。第一印象ではお金持ちでなければ住めない町、とも思ったが、旧市街を一歩抜ければ、モノプリ、マルシェUなどのコスパ重視の大型スーパー・マーケットもある。旧市街は観光客をターゲットにしていて、住民は郊外で買い物を済ませるのだろう。旧市街は値ははるものの、センスの良いお店が多いので一軒一軒見て歩くのはとても楽しい。シャガールのモザイク画は小さなカセドラルの隅っこにぽつりと佇んでいた。

"Le Michel Ange"というレストランでランチを摂った。大きなプレートの真ん中にぽつりと料理があって、あとはソースや花でデコレーションされたようなフランス料理にうんざりしているわたしとしては、このレストランはうってつけだった。気取りすぎない料理がさほど隙間なくプレートに乗っかってくる。良い食材が惜しげもなく大胆に使われているのがわかるし、味も好ましい。何より気に入ったのはデザート。これも気取りすぎたパティスリーの味ではなく、ちょっと頑張った家庭料理の味。あっ、これだ!″ちょっと頑張った家庭の味″。わたしがレストランに求めるのはこれなんだ。一皿、一皿ゆっくり味わいながら、自分で自分の欲望を確信した。家庭で5分もあれば作れるような料理は家庭でやる。かといって家庭料理とかけ離れていて凝り過ぎた料理では味の良し悪しが良く判らない、とか結局何を食べているのか判らないという結末になる。週に一度くらいしか外食しないわたしの舌には″ちょっと頑張った家庭の味″がいちばんしっくりくるのだった。

まだまだ見たいものがいっぱいあったが、用事を済ませたクリスティーヌがお迎えにきてしまった。

家の近くまで来て、

「よかったら家でアペロしていかない?」

と誘われた。いつも自慢している庭も見てみたい、と着いていって面食らった。そこはいつも散歩の途中で通りかかる広大な敷地を誇るお屋敷だった。どんな富豪が住んでるんだ?と思っていたらなんと毎日顔を合わせているクリスティーヌの家だったとは。ひな壇のような山の斜面に段々と母親の家、祖父母の家と、3段連なっている。広大な敷地の庭の中にこじんまりとした家があり、クリエイティブな彼女らしく手作りらしい家具や絵画が所せましと詰まっていた。彼女の庭の木のフルーツを漬けたお酒をいただき、この町のオリーブをつまんだ。春風が気持ちの良い夕べだった。

帰宅して、フロマージェリーで購入したチーズを開けた。″フランスで一番臭い″と友人から教わったアルザスのムンスター(Munster)と ″Bienvenue chez les Ch'tis(邦題:ようこそシュティの国へ)″という映画で観たマロワール(Maroilles)。確かにどちらもきついが臭さでいえばムンスターが圧勝。映画の中で北フランスの村人はこのマロワールをコーヒーに浸して食べていた。わたしもリュカもどんなチーズでもかかってこいという感じだが、ひとつだけ無理だと思うのがある。それはコルシカ島で作られるカース・マルツゥというチーズ。ハエに卵を産み付けさせて熟成させるものでナイフを入れると中で幼虫がうじゃうじゃしているというもの。それでも作って食べている人がいるのだから、美味しくて安全なのだろうと思いきや、隣のイタリアでは危険過ぎて販売禁止なんだそうだ。

(ヴァンスでいちばん素敵なものはMichel Angelの苺のケーキに決まり。美味しかったぁ。)








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