Leben雑記
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強者を弱者から守らねばならない、だそうだ。
強者っていうのは、言わば一人で生きていける人間のこと。弱者っていうのは、一人では生きていけない人間のこと。 もちろん、社会にコミットしていなければ生きていけないわけで、社会となんらかの関係を持つという点では両者は同じなわけだけれど、そのあり方がだいぶ違う。強者は他者とコミュニケーションはとるけれども、それはあくまで対峙的に対話する。つまり、話せば話すほどお互いが明確化する。弱者のありようは正反対だ。弱者は相手と自分を同一視する。そのとき両者のアイディンティティは崩れ、その境界は曖昧になる。つまり、話せば話すほど彼らは一体化する。 その具体的な形は何か。強者は妬まれる人間である。孤独の不安を何とか楽しみへと変えようと努力をしている。弱者はいつも愚痴を言い、お互いの状況を報告したがる。傷口を舐め合い、彼らは孤独であることの不安を忘れようとする。 このような意味での強者は、弱者の形成したコロニーに迫害される。強者の存在は、弱者が忘れ、行き過ぎようとしている当のものを思い出させるからだ。
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