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2005年09月17日(土) つまるところ

結局、どう転んでも『相性』が悪いんだわ、と彼女は思う。結婚する時は、恋情に溺れていてそんなこと見極められなかった。
彼は7時8時には帰宅して、家族で夕餉の食卓を囲む。宴席に出席して帰りが遅くなることなど、仕事絡みで抜けられない時以外ありえない、故に子どもと顔を合わせないことなど週に1回あるかないか。休日はマメに遊びに出かけるし、海だキャンプだスキーだと、家族旅行も欠かさない。ささやかなれど何かしらのパフォーマンスを用意して、誕生日やクリスマスなど、記念日やイベントも忘れない。喫煙家なのに家の中では吸わないし、これほど世間様にも誇れる『善き父良き夫』がいるだろうか。それなのに。
彼女には、彼は決して良き夫ではないのだ。いや、客観視するならば、と彼女は思う。『家庭』を築くのに、こんなに理想的な男はそうそう見つかるものじゃないのだろう。事実、子どもを通して知り合った母親仲間に言われたこともある。「何だか絵に描いたような家族だよねえ」


josephine |MAIL

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