鼠小僧白吉のうだうだ日記

2006年10月06日(金) 10月の雨

いやな雨が降り続いてる。

10月4日は亡き恩師の2回目の命日。特に何も予定はなかったのだが、夜9時ごろ、飯田橋の事務所で一人作業をしていたら、ふと先生の思い出を語りながら酒が呑みたくなってきた。
そこで、神楽坂に住んでいる大学時代の先輩に、ダメ元で電話。そうしたら運良く、何の予定もなく自室にいるとのことなので、出てきてもらい神楽坂で一杯やった。

あれからもう2年、時間の経過ははやいもんだ。そんなに時間が過ぎ去ったような気はしない。でも確実に時間は経過して、その時間のなかで、おいらのまわりの状況もいろいろ変わってきている部分もある。この2年間、おいらたちにとって一つ嬉しかったことが、先生の書いたもののいくつかが本としてまとめられたことだ。先日も、先生がひそかに書き溜めていた小説が1冊の本となって刊行された。

先生に最後にあった日、おいらは弱気な発言を繰り返す先生に、「そんなこといわないでください」と思わず言ってしまった。それに対して先生は、「悪かった」と言ったうえでこう続けてくれた。
「私が死んでも私が書いたものは残るじゃないか。私と話をしたくなったら、私が残した本を開けばいい。そうすればいつでも私と対話できるじゃないか。そのために私は何冊か本にまとめたんだ」

また新しく、先生と対話ができる本ができたことはそれはそれで嬉しい。ただ、もう本を通してでしか先生と対話できないのかと思うと、寂しさを感じる。

この連休は雨が降り続くそうだ。じっくりと本と向き合うことにしますか。そういえば、あの10月4日も雨だったな。


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