Jacarandaの日記
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2024年06月07日(金) 臨床の仕事

私の職業は
獣医師 ということである。

ただ、「獣医師」
という肩書であって、実際は研究職をやっていた時もあるし、
小動物臨床の研修医をやっていたときもありで、
色々様々な分野に従事してきた。

今現在は、政府機関で日本の医療行政の方針を決める
司令塔に所属している。

同じ「臨床」ということでも
「動物の臨床」と
「ヒトの臨床」と対象にしているものは違うが
「命」に向き合うということでは
同じだ。

動物と言っても、経済動物つまり最後は人間の食料になる動物と
ペットという小動物と大きく二つに分かれているので
その対象動物に対する「臨床」というのは
少々、違っている。

ただし、競走馬は違う。
ヒトに対する臨床の概念と同じ「命」に向き合っている。

こう書くと少し誤解を生じるかもしれないけれど
私が大学時代に目指していたのは、当初 「乳牛の臨床医」だった。
それも、北海道で。

むろん、乳牛も経済動物(家畜)の一つであり、妊娠出産に伴って
供給される牛乳生産のための家畜である。
しかし、その牛乳の生産能力が低下していくと
その「命」の行く末は、「淘汰」そして食料として姿を変える。

そんな経済動物であっても、
私には「命」の大切さ、尊さを常に考えてきた。

むろん、我が家にいる愛猫たちもそうだし、
好きな競走馬たちも、その「命」に向かう「臨床」という
世界に携わる尊さと使命感を感じる。

それが、この年齢になってもやはり心の底に熱く流れていることを
再認識する日々だ。

たとえ、臨床の現場から離れていても、その精神はずっと死ぬまで
消えることはないだろうことを確信している。







2006年 ケンタッキーダービー馬 Barbaro

次のプリークネスSで、右後肢複雑骨折の重傷を負う。
すぐさま、ペンシルベニア大学ニューボルトンセンターで緊急手術を受けた。

写真は手術後、彼の覚醒を見守るディーン・リチャードソン博士。


Barbaro について:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%AD



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