約束 - 2004年07月23日(金) ドンちゃんと初めてお酒を飲んだのは、一年前の桜の季節、いやもっと後だったと思う。 その日は二人ともよく飲み、よく話をした。 驚いたのは、ドンちゃんが物事に対して「何がよくて、何がいけないか」を よく理解している人だったことだ。 私はそんな彼を恋愛とは別の部分、つまり人間としてたちまち好きになった。 もちろんその後、ドンちゃんと抱き合ったし、キスもした。 それは男女のちょっとした決まりごとのようなものである。 だが、安易に体の関係を結ぶことはあってはならない。 帰り際ドンちゃんは、ひとつ約束をして欲しい、と言った。 ホテルの部屋の中は薄暗く、空気が荒い粒子のようにざらついていたのを覚えている。 声は暗がりの向こう側から響いた。 「こうして、ずっと男と女として会ってくれないか?」 今でも約束は有効だろうか。 -
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