プープーの罠
2014年01月12日(日)

走馬灯

すっかり

 中
  分
   解
したようにぱったりと集わなくなった集まりが
本日また急に集まり、

実に3,4年ぶりの再会。

みなクリエィティブな人々ゆえ、
一企業に安穏と属しサラリーで暮らす
ようになった
私は自然と淘汰され、
私を置いて
私の知らないところで
精鋭達で集まり続けていた

のかと勝手に思っていたのですが、
本当にめいめい散り散りだった模様で

みんな
変わったような変わってないような、
それが良いのか悪いのか
よく分からないまま

昼間から呑み、終電まで呑み。

果たしてその中には彼もおりまして、
八木君。

八木君。

彼と別れてから
10年が経ちました。


終電の時間過ぎに
さらに少数有志で丑三つ時まで呑み、
解散してその後八木君と二人になり、
当たり前のように二人でファミレスに入り

変わったような変わってないような、
それが良いのか悪いのか
よく分からないまま

大好きな人がいて、

そんなことを聞かされる。

不毛だ

そう思いながら
ぼんやりと聞いていた。


好き
という気持ちは
もうとっくに燃えかすの灰になって
どこかへ飛んでいっている。

それはただの
ど う で も い い 話 だ 。
そういう日常は数年ぶりに会う
知人同士でする会話でもない。
細かく説明されても
その彼女に私が会うことはないし
その後を知ることも多分ない。


テーブルに置かれた彼の手、
深爪の指、

カエルの手だね

いつか私がそう呼んだ彼の手。

10年経ったのです。

10年前、私は彼に執着し、依存し、すべてを求めていたのに
未熟過ぎた私は何もしてあげられなかった。
今はせいぜい話を聞くことはできるけど、
(ただ、ただ、不毛だけども!)

本当に何もしてあげられなかった。
本当に何も。

そう思った途端、泣き出しそうで
ずっと言いたかった言葉を飲み込んだ。
5時になってもまだ暗い冬の朝、
眠くなったからとタクシーに飛び乗った。

未練はないけど、
とても悔いの残る恋でした。
やっと、そう答えを出した。

君には幸せになってほしいなと思っています。

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「プープーの罠」 written by 浅田

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