心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年07月22日(水) 登山に必要なもの

53.4Kg, 8.4%

トウムラシ山で遭難死した8人は全員が凍死でした。皆が防寒具を持っていたものの、ガイドを除く7人は夏物だったそうです。頭からかぶるフードが不完全で首筋から雨が染みこんで、中に着込んだフリースを濡らしたことも体温を下げる結果につながりました。
凍死といっても、当時の気温は10℃前後とされていますから、凍り死んだわけではありません。人間は体深部の温度が34℃を切ると生命の危険があり、気温28℃で凍死したという話もあります。冬用のヤッケを持って行った人たちは今回助かっています。

悪天候であれば、無理に下山せず山小屋にとどまる選択肢もあったはずです。しかし、今回は旅行会社の企画したツアー登山で、帰りの飛行機の予約が変更できなかったり、予備日が設定してなかったりという事情が判断ミスを呼んだようです。にしても、命の代償はあまりに高い。

さて、遭難すると捜索隊が出されヘリコプターが飛んだりします。この費用は誰が負担するのでしょうか?

基本的に、警察や消防(もしくは自衛隊)でまかなえる範囲は、税金で負担してくれるので無料です。(長野県では前知事の田中君が有料化しようと言い出してましたが)。

でも、普通は行政だけでは人手が足りないので、地元の山岳会の熟練に依頼して民間の捜索隊を出します。二次遭難もあり得る危険な作業なので、日当が支払われます。これが一日一人あたり数万円。プラス、彼らの移動、食料、装備、保険などの諸費用。県警や消防のヘリで足りなければ民間のヘリがチャーターされます。

むろん、費用がかかる捜索を始める前には、残された家族にどうするか確認を取りますが、そのときに「うちはお金がないので捜索しなくていいです」と言える家族は、ある意味立派かもしれません。そんなわけで数百万円はかかると言われています。

幸い?死体で見つかれば、死亡証明書もすぐに発行されますから、生命保険の死亡保険金でまかなえます。しかし、死体が出てこない場合には、7年経過して裁判所が失踪死亡宣告をするまで毎月の掛け金を支払っていかないと、保険金を手にすることすらできません。捜索費用は早めに払わないといけないのに。
おまけに登山は危険行為ですから、あまりに無謀な計画、チャチな装備で遭難すると保険会社が払い渋ることもあるかも。特に病気を抱えた登山で遭難は支払いが厳しいみたい。

助かってしまった場合には生命保険は役に立ちません。なので、登山専用に登山保険とか山岳保険というのがありますから、それに加入しておくのが無難です。

まとめると、

・ともかく登山保険にはいる。年間一万円ぐらい。
・夏山でも冬物の防寒具を持参。
・予備日をもうけておく。

ですよ、二郎さん。


2009年07月21日(火) Yahoo!解約

53.4Kg, 8.2%

Yahoo!JAPANの有料会員を解約することにしました。以前は294円/月だったのが、昨年末に346円に値上げされ、「はたしてそれだけ払う価値があるか」思案してきたのですが、「その価値はない」という判断になりました。

もともとネットオークションに参加するために取得したIDですが、最近はオークションで金を使うこともなくなりました。解約してもIDはなくならず、五千円未満であれば入札はできるようです(じゃ、なおさら解約可だね)。そのうち出品して小金を稼ごうと捨てないでおいたガラクタがいくつかあるのですが、これも処分しなくちゃ。

月月割が改悪されるようなので、今後はソフトバンクの携帯も契約しないだろうし、子供の携帯もいずれMNPでよそへ移すでしょう。自分にとってソフトバンクは「プロ野球団を所有している会社」というだけの意味しかなくなってしまいそうです。

最近どうも体の芯が抜けたように気合いが入らない日々が続いています。季節の変わり目に当たっているせいなのかもしれません。

AAのミーティング会場を移転することになって、あちこちFAXを送ったのですが、セントラルオフィスの出している月報(かわらばん)には載りませんでした。専用の書式で提出しなかったのがいけなかったのかな。まあいいや、来月でも。こっちじゃ「かわらばん」を見ている人が少ないからね。
(載せていただいたようです。ご配慮ありがとうございました)。

自分用メモ:長いので目を通していないけど、IT技術者はマイタケを食べると良いとか?
http://ameblo.jp/kyupin/entry-10264063346.html (リンクするエントリを間違えていたので修正しました)


2009年07月20日(月) ステージに立たない

53.4Kg/8.0%

しばらく前のことですが、AAの病院メッセージに行くのに、別のグループのメンバーの車に行きも帰りも乗せてもらいました。ガソリンも使ったでしょうし、途中高速道路も使いましたから、降りる寸前に暗算して「これはちょっと少ないですけど」と千円札を差し出しました。

すると車に乗せてくれた人は、「私が自分の責任だと思ってやっていることです。だからそれは不要です」と断って、受け取ってくれませんでした。

僕は浮いた千円で、駅そばを食べ、西友まで遠回りしてバナナとジュースとヨーグルトを二個買って帰ったのでした。・・・なので、これからその人のことを褒めるわけです。

人に褒めて貰うこと、人によく評価されること、人に認めて貰うこと、こういうことばかり求めている人がいます。「私はこんなに頑張っている」というアピールがうるさい人々です。

例えばAAで「遠くのどこそこのAAに参加してきた」とか「AAの用事で時間を使っている」などという話をする人がいます。自慢とはちょっと違って、私はこんなに一生懸命AAをやっているというアピールです。「へぇ、すごいね」と言われることを求めているのでしょう。僕はそんなアピールを聞きたいのではなく、それでその人が何を得て、何を感じたのか知りたいのですが・・・。

子供は褒めて伸ばせとか、部下は褒めて仕事をさせろと言います。なるほど人は褒められる必要があります。でも、褒められることを目標に行動するのはいただけない。そういう人は、人に認めて貰えない努力はしたがらず、目立つことを好み、陰で地道にやることを好まないものです。

自分で自分の努力を褒めてあげるだけで不十分なのは、それだけ自分に対する自信を失っているのでしょう。子供のころに親から「もっと頑張らねばダメだ」と言われ続けたのかも知れません。部下に持つと(使えなくはないが)面倒くさいタイプです。

僕は車に乗せてくれた人と半日行動をともにして、彼がその病院メッセージを自分の責任だと思ってやっていることを感じました。褒められること、認められることを求めているわけではないと。一緒に行く人がいようがいまいが、彼は続けてきたし、おそらく今後も続けるのでしょう。

今度地元でメッセージフォーラムという企画があって、病院メッセージについての経験の分かち合いが行われるのですが、地道にメッセージ活動をやっている実績を評価して彼をスピーカーに推薦しても、おそらく彼自身に断られてしまうような気がします。

AAの中にあってもステージに立つことを求める人をスポンサーに選んではいけない、と思うのですよ。


2009年07月18日(土) アル中的性格

53.0Kg, 9.6%

アル中というのは、皆が同じ性格を持っています。
元の性格は千差万別なのかもしれませんが、そのベースの上に乗っかった「アル中性格」のほうがはるかに目立つので、アル中は皆が同じ性格傾向を持つ、という印象になるわけです。

アル中的性格とはどんな性格か、ということについては、たくさんのことが書かれているので、いまさらここに挙げる必要もないでしょう。

でも、一つぐらい例を挙げておきましょうか。

例えば、「アル中は誰もが似たような性格的欠点を持っている」と言うと、

「そんなことはない、ひとくくりにしないでくれ!」

と反論が返ってきたりします。要するに「自分は例外である」という主張であったり、「アル中的性格」が存在することそのものへの挑戦だったりします。いずれにせよ、ひとくくりにされることを嫌うことが、性格的欠点の露呈であることに気がついていないのです。陰気にムキになってしまうのですな。

マイナスな評価に対して過敏なんだよね。自分に自信がないからですけど。

せめて陽気にムキになるよう努めなくては。


2009年07月15日(水) 車検でちょちょ切れる

54.0Kg, 8.6%

またまた車検がやってきました。ビンボー人には辛い試練であります。
いつもはディーラーにお任せ車検なのですが、前回請求書を見て涙がちょちょ切れました。不景気のあおりをモロに受けている今回は、整備工場に見積もりを頼むことにしました。頼んだのは、怪しい絵とか光速デジタルが描かれたところであります。

見積もりに1時間半ほど待たされました。その間、茶も出されずに待つのであります。宣伝文句は「拘束デジタル」に変えた方が良いような気もします。

見積もり結果は・・・フロントのブレーキパッドがあと2mmしかないので泣く泣く交換。切れたブーツは交換しないと車検を通過しないので、これも交換。あとは油脂類の定期交換、ブレーキオイル、エアクリーナ、ATF、ギアオイル、パワステオイル。それとナンバー灯と右のスモールが切れているので交換。
これだけで整備費用が7万円近く(検査代込み)。

一方、エンジンオイルとエレメントは、あらかじめオートバックスで換えておくことにして、フェルフィルタの交換は次回に、バッテリーも「まだ大丈夫だから」と交換しないことにして、節約節約。

長距離通勤を続けたおかげで、すでに走行14万キロ。エンジン各所からオイルがにじみ、ラジエータからは冷却水が漏れます。ブレーキのディスクは錆び、ドライブシャフトのカバーにはヒビが入っています。でも今回は見なかったことにしてパス。来年お金の余裕が出来たら、ちゃんと整備しようと心に誓うのでした(ついでに板金もやろう)。

心配していたタイヤの残り溝は十分あったので、タイヤを調達しなくてすんだのは幸いでした。

これにさらに重量税と自賠責と印紙代か。前回より安いのは確かであるが・・。

「あなたが一番影響を受けた本(book)は何ですか?」

という質問に対し、バーナード・ショーはこう答えたそうです。

「銀行の預金通帳だよ」

支払い後の預金残高を見て涙がちょちょ切れそうな悪寒がします。


2009年07月13日(月) 病院メッセージ

53.9Kg, 7.8%

2年ぶりに出身病院へのAAメッセージ活動に行ってきました。
日本のAAで「メッセージ活動」というと、病院などの治療施設を訪問してAAミーティングみたいなことを定期的に開催することを指すようです。

なんで「メッセージ」というのかというと、ステップの12に「このメッセージをアルコホーリクに伝え」carry this message to alcoholics、とあるのが由来です。実際海の向こうでは、メッセージ活動とは呼ばず、12番目のステップ活動と言うそうです。

ただ、日本のAAが病院内でやっているミーティングは「霊的なメッセージを運ぶ作業」とは違っていて、単なる「オープンミーティングの出前」というかAAの広報活動なんだと思います。広報活動も12番目のステップに含まれると言われれば、そうかもしれませんが。

AAが外部との接触を断ったら、秘密結社になってしまいます。病院メッセージは大事なリクルートの場です(でも無理な勧誘は御法度)。私たちは常に「新しい人」が必要なのです。「私たちには私たちを必要としてくれる人が必要」ですからね。

昨年の4月に作った新グループは、ミーティングは何とか続いています。施設から人が来てくれるおかげで、参加人数は常に十人を超えています。でもグループメンバーは創設時の3人のまま(減りもしないけど)増えもしません。そろそろ新しい血を混ぜないと、よどんでしまいますな。

個人的には病院メッセージでステップの話をする奴はお間抜けさんだと思っています。ステップがやりたくてAAに来る人はおらず、たいていはアルコールの問題をなんとかしたくて来るのですから、病院では酒の話をするのが相応でしょう。

一回や二回病院を訪問したぐらいで、いきなりメンバーが増えることもないでしょうから、これから地道に続けるしかありません。


2009年07月12日(日) 子供をAAに?(その3)

54.6Kg, 10.4%

子供をAAの会場に連れて行くのは是か非か? という話を締めておかないといけませんね。

「子供の面倒をみなけりゃいけないのでAAには行けない」というのなら、子連れでAAに行った方がいいのだが、それは次善の策であって、会場で子供の面倒を見ているとどうしても人の話を聞くことはお留守になりがちだ、という経験が、前回までのお話でした。

では、連れて行かれる子供にとってはどうでしょうか。

お父さん、お母さんが家で飲んだくれているよりは、飲まないでいてくれる方が余程マシですから、そのために連れて行かれるのなら仕方ないか、という諦めもあるでしょう。まるで飲酒防止の監視役をやらされている気分かもしれません。

問題なのは、AAの会場にいる大人たち(AAメンバーたち)は、素面になったとはいえ、まだまだバランスを欠いたアル中さんたちである、ということです。バランスを欠いていないAAメンバーはいないし、それはAAメンバーに限らず酒をやめたアル中さんに共通の問題であります。
一般社会の中に素面のアル中さんが少し混じっている、という状態ならまだしも、自助グループというのは問題を抱えた人たちばかり集まっているわけです。当然理想の状態からはかけ離れた場所になります。AAで他の人に対する「配慮」が強調されるのは、皆がそれを欠いているからに他なりません。

小学一年生の男の子にコーヒーを勧めた人がいました。これは笑い話で済みますけど。
子供に聞かせるのはまずい話を平気でしてしまう人もいます。それも自分が飲まないために必死なのかもしれません。自分が子供に会えなくなったので、子連れの人に嫉妬を抱く人もいます。単に酒が切れて間もないので、イライラを自分より弱いものにぶつける人もいます。
ミーティング会場は自分を守れない者にとっては、けっこう厳しい場所なんですよ。

これが大人のアル中本人なら、人間関係のスキルがなくて対人関係で傷ついてばかり、だからAAに行くのが辛いと言われても、そりゃ飲まないためには乗り越えられる壁だよとか言っていられるのですが、相手は子供ですから。

それでも子連れで行くしかない時もあるでしょう。それが現実というものです。理想がすべて実現できないからと悲観する必要もありません。100か0かの白黒決着をつけないと気が済まない硬直した思考ではなく、「しょうがないよね、あはは」と笑ってすませられるグレーゾーン許容も、回復の一つの指標だと思います。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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