心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2008年09月21日(日) スピーカー

AAのセミナーなどで、聴衆に向かって話をさせていただいた経験はあまりありません。地区のセミナーで一回、他地区で一回。他のグループに頼まれて一回。ビッグブックの関係で5分か10分の短いのが何回かあったかな。そんなものです。
話すのは得意ではありません。頻繁にスピーチを頼まれて上手な話をする人をうらやましいとは思いますが、それは僕の役割ではないだろうと思っています。
でも、頼まれて断るのも変なので、今回はスピーカーを引き受けました。

左手に原稿を持って、というスタイルは相変わらずです。
どんな話をすればいいのか分からなかったので、ステップの話を7つぐらい持っていきました。現場でステップ10〜12と言われたのですが、もったいないので結局7つ全部話してしまいました。

それぞれのステップの話をしながら伝えたかったことは「そのままの自分でいいんじゃないの?」ということです。性格的欠点を取り除くうんぬん言ったところで、人間そうは簡単に変わりはしません。そうである以上、欠点丸出し、問題いろいろ抱えたままで生きていくしかありません。「そんな自分で仕方ないよね」としか言いようがありません。周りにとって見れば、はた迷惑でうんざりな人なのかも知れませんけど、申し訳なさそうに小さくなっていたところで何にもなりません。
ともかく自分はそういう肯定感がもらえたので、ステップにはそういう効果があるんだよという話と、その上で、やっぱりそのままでは生きづらいから、ちょっとずつ直して行くのじゃないかな、と言いたかったのですが、ま、そんな良いスピーチができる人じゃありません。

ところどころ笑いも起きていたし、皆がわらわらと席を立ってタバコを吸いに行くこともなかったようなので、悪くなかったという自己評価にしておきましょう。人の評価ばかり気にしていると賞賛乞食になっちゃいますから。

休憩時間、廊下で。
ひ「いやあ、緊張して手に汗握っちゃいましたよ」
某「そうは見えませんでしたよ。たった50人相手に俺に話をさせんのかよ、と思ってませんでした?」
ひ「そんなまさか。にしても、前のほうに女の人が多くてうれしかったですよ」
某「ひいらぎさん、ほんと女の人好きですよね」
あまり舞台裏を見せるものではありませんね。

僕の後のスピーカーの話が印象的でした。忘れないうちにメモ代わりに書いておきましょう。
ステップ10は、問題を自分の手の中に持っている状態。
ステップ11は、問題を神の手に預ける状態。「どうかこの問題を持っていてください」と神さまにお願いする。
さすが、ステップ10〜12と言われて、ちゃんとそのステップの話ができる人は違いますね。

一泊二日、疲れましたが、いろいろ良い経験をさせていただきました。


2008年09月19日(金) 読み方

雑記は「正しい道を指し示す」という意図で書いてはいません。
ただ、たまには誰かが雑記にに触発されて、なにか考えたり、行動してみたりするきっかけになればいいかな、という思いはあります。
触媒は化学反応では主役ではないですね。でも触媒のあるなしで違いがある。雑記も、そんな違いを作り出していけたらいいな、と目指しているのですが、理想は理想、現実は現実であります。

雑記をネタにして、掲示板で意見交換?があると、掲示板のスレッドが雑記のネタになったりします。なので、雑記と掲示板は有機的に結合しているとも言えます。だったら、ブログとコメント欄でもいいのかもしれませんが、ブログが流行る前からの仕組みが残ってしまっているだけです。

「家路」の読み方を強制することはできませんが、雑記と掲示板の両方に目を通していただけると、話題の流れが追いやすい(こともある)かもしれません。雑記から掲示板に、掲示板から雑記に、それぞれアンカーが張れるようにすれば便利かも知れません。いつか実現したいものです。

埼玉の嵐山に行ってきます。
帰りは日曜の夕方になります。


2008年09月18日(木) ろくなな

アクセス数が減って落ち着いてきたところで、真面目な話でもしましょうか(多いときにするとロクなことがない)。

昨日のステップミーティングがステップ6で、今日誘われて行ったミーティングがステップ7でした。

僕はAAに来て最初の6年間ぐらい、性格上の欠点は自分で直すものだと思っていました。「欠点ぐらい自分で直せる」という思い上がりもありました。でもやはりそれは<思い上がり>でした。

酒が止まらないとき、僕は酒は自分で止められると思っていました。でも、そう思っている間は酒が止まらず、AAに来て以降「自分以外の何かの力」によって飲酒へのとらわれ(obsession)から解放されました。

ステップ6では、飲酒からの解放と同じように、性格上の欠点からも解放されると期待しても良いとあります。欠点を取り除いてくれるのは神さまであって、自分ではありません。でも意固地な僕は、自分以外の存在が自分の長所短所を勝手にいじるのを良いと思いませんでした。何でも自分でコントロールしたがっていたのです。

もちろん、努力せずに、自動的に短所が取り除かれるとは思っていません。酒をやめられたのはハイヤー・パワーによるものだったとしても、自分だってそれなりの努力をしたはずです。ミーティングに通ったりとか。短所についても同じで、自分の努力も必要でしょう。

けれど、僕はもう「頑張っているのに、ちっとも欠点が減りません」などと嘆くことはしません。自分では取り除くべき欠点だと思っているものが、実は(神さまの目から見たら)生きていくのに必要な長所かもしれません。また、本当に欠点だとしても神さまが「取り除くのはまだ早い」と判断しているのかも知れません。

その人のハイヤーパワーが、その人に必要なときに、欠点を取り除くのでしょう。だから僕は誰かの欠点を憎んでみても仕方ありません。自分についても同じです。

大切なことは「欠点を抱えながら生きていく」ということに尽きると思います。欠点がなくなった自分が本当の自分だと幻想を抱いても仕方ない。いまは(たまたま)堕落しているだけだと言い訳してもしかたない。欠点の多い自分も、神さまの御意志によって今存在しているということで。


2008年09月16日(火) 内田春菊

時間があったのでB○○K ○FFに立ち寄りました。
県内のB○○K ○FFは県内資本がやっているのじゃなかったかな。

ここで10年以上前の本を見つけるのは、意外と難しい。お目当ての本が見つからなかったので、内田春菊の本を手に取りました。絵柄は好きなのですが、まとめて読んだことは一度もありません。たまたま見つかったのが『こんな女じゃ勃たねえよ』。これをピカレスクロマンと呼ぶのは格好良すぎで、主人公がひたすらいろんな女を食い物にしていくだけのストーリィです。一冊105円だったら買ったのに、と思って棚に戻しました。

内田春菊は性的な描写もあけすけですし、「男なんてそんないいもんじゃねーよ」というメッセージも直裁です。『ファザーファッカー』が自伝的マンガだと知ったのは、ずいぶん後になってからです。

はてさて、いま勤めている小さな事務所を束ねている部長が、来月末で辞めると伝えてきました。末端の社員にまで伝えるってことは、もうやめるのは確定しているのでしょう。
この会社からは人材の流出が続いています。ここ2年ほどの間に、研究開発部門のトップ、その懐刀、メイン部門の本部長、営業本部長と、重要人物といわれる人が次々に辞めていきました。皆さん言われる言葉は同じで「ここではやりたいことができない」。この傾向が続いて、いずれ社長と、イエスマンと、あとは下っ端だけになったら、会社はどうなるんでしょう。
部長が辞めることで、この小さな事務所も閉じられてしまう可能性が高まってきました。その場合、辞めたくなければ本社勤務ってことになるかも。毎日厚木の飛行場の音を聞いて過ごすのか・・・。
まあ、まだ未来のことは分かりません。確実に分かっていることは、僕は来月からフルタイム勤務を始めるってことです。


2008年09月15日(月) ネタがない

雑記も書くネタがないので、トラックバック がわりで。

佐藤春夫の『秋刀魚の歌』の口語訳ってのは、僕も読んだことがありません。この詩を解釈するには、まず「細君譲渡事件」について知らなければ。

谷崎潤一郎は、乳母日傘で育ったお坊ちゃんでしたが、父親の事業の失敗で貧乏になるものの、天が与えた才能で作家になり、耽美的というか破滅的な小説を書くようになります。その生活は彼の書く小説同様に派手なもので、金遣いが荒く常に借金にまみれていたといいます。
谷崎は自己主張の激しい派手な女が好みだったようで、ある芸者が好きになるのですが、彼女にはすでにパトロンがあったために、代わりにその妹(千代)を紹介され結婚します。ところが千代は姉と正反対のおとなしく貞淑な女性でした。全然タイプじゃない女と結婚してしまったことに気づいた谷崎は、千代を徹底的に邪険にします。借金取りの相手を千代にさせて、自らは放蕩な生活。せっかく娘鮎子が生まれたものの、夫婦仲は冷え込むばかりでした(でもやることはやってたのね)。

そんな頃、谷崎に師事したのが佐藤春夫でした。佐藤はすでに女優と一緒になっていたものの、著作のために東京の片田舎に引っ越し不便暮らしをしたりしたために、女優と破局。谷崎の家に出入りするうちに、不遇な千代と知り合うことになります。
その後、谷崎は千代のロリな妹が好きになり、千代が邪魔になります。ますます千代が邪険にされるようになると、佐藤の千代への同情は愛情へと変わりました。

そこで、佐藤春夫は谷崎潤一郎に対し「妻を譲れ」と迫りました。いったんはオーケーを出した谷崎でしたが、後に気が変わって返事を翻してしまいます。(人のものになると思えば悔しい気持ちはよくわかる)。

断られちゃった佐藤は、失意のあまり故郷の和歌山に帰ってしまいます。そこで発表したのが『秋刀魚の歌』です。

一人淋しくサンマを焼き、和歌山の特産品ミカンの絞り汁をかけて食べているのは佐藤春夫。東京での「いけない団らん」を思い出しているのです。

「人に捨てられんとする人妻」は谷崎に捨てられそうな妻千代。「妻にそむかれたる男」は女優に逃げられた佐藤。「愛うすき父を持ちし女の児」は谷崎夫妻の子の鮎子。それが小さい箸を使って、父でない佐藤に「サンマの腸は苦くていらないから食べてね」とあげているのです。

「世のつねならぬかの団欒」のメンバーは佐藤・千代・鮎子の3人。男の好みに合わせて千代はわざわざミカンを手に入れたりと「らぶらぶ」なわけですが、世の中からは指弾を受ける団らんには違いありません。

「あの団らんは夢じゃなかったんだよねー」と、徴兵試験に不合格だった貧弱君で陰々滅々な性格の佐藤君は、えつえつとサンマの上に涙を流すのでした。ミカンと涙のダブルソースで、サンマがしょっぱいやら酸っぱいやら。ああ、秋風よ、まだ愛していると伝えてくれよ。サンマに涙をかけて食うなんて風習はどこにもねーよ。

という詩を、わざわざ文壇に発表するのは、佐藤が谷崎に圧力をかけているわけですが、その甲斐あって、最後には谷崎も承諾せざるを得なくなります。恋の駆け引きって素敵ですね。

「このたび3人で相談した結果、千代は潤一郎と離婚して春夫と結婚することになりました。娘鮎子は母についていきます。みなさん、潤一郎・千代・春男とは、これまでどおりのおつきあいをお願いします」

と発表し「細君譲渡事件」としてスキャンダルになります。まだ姦通罪があった時代ですからね。

谷崎の『蓼喰ふ蟲』は千代と春男の密通を描いたものだと思われていましたが、実は千代の「前の男」大坪砂男との関係を書いたものでした。千代もそれほど貞淑ではなかったようです。

その後、春男と千代は夫婦仲も良く、幸せに暮らしたそうです。苦労して手に入れたものほど価値が高く感じるのが人の心か。ブログに口語訳を載せれば、ヒット数が稼げるかもね。


2008年09月14日(日) 発見

長らく探していたセパレートドレッシングは、実は「ヴィネグレット」というらしいことがわかりました。ワインビネガーとオリーブオイルを適当な割合で混ぜ、塩コショウで味付けするだけのものです。放っておくと(水と油なので)上下に分離します。なので、使う前にビンを良く振ってコロイド状にして使う次第。
そんなシンプルなものなら「自分で作れば?」と言われそうですが、単純なだけに難しいのです。ところが、近所の薬局で売っているのを発見しました。なぜ薬局でドレッシングを売っているのか、謎は深いのですが、ともかく入手。

さて、とりあえずAAミーティングに通っていれば「回復」は成し遂げられるのか?
たぶん、それだけじゃ無理だろうと思います。AAプログラムのかなりの部分は自分一人で取り組むしかありません。まさか、埋め合わせをするのにAAスポンサーについてきてもらうわけにもいきませんしね。
「一人で何かする」のは意外と難しいものです。それができる人は、夏休みの宿題を最終日に泣きながらやった経験はないでしょう。「回復」には〆切日がないので、どこまでも宿題を先延ばしにしがちです。寿命が終わるところまで、飲まずに宿題を先延ばしできれば、それも「勝ち」なのかも知れません。
話がそれました。
宿題をいつまでも先延ばしにはできない、それを確認するところがミーティングで、宿題のやり方を一対一で伝えてくれるのがスポンサーシップ、という表現はどうでしょう。

AAの一つの車輪がミーティングだとすれば、もう一つの車輪がスポンサーシップで、この二つの車輪が調和して回ると前へ進みます。一輪車に乗って移動することは難しいのですが、自転車に乗り慣れれば前へ進むのは早い。なんでみんな、わざわざ難しいほうを選ぶのか(僕もか)。

今日は地区のオープンスピーカーズでした。「疲れた」とだけ言っておきます。


2008年09月12日(金) 比較文化論?

いつまでも魚肉ソーセージの雑記を掲げておくわけにもいかない。なにか書かないといけません。というわけで苦し紛れの雑記です。

フランスの女性閣僚が妊娠しました。
が、フランスでは女性閣僚が出産することは、それほどの珍事でもなくすでに3人。ただ、この人は独身だというところに話題性があります。父親の名前は明らかにされておらず、ご本人は「私の私生活は複雑だから」の一言ですませてしまっています。出産は来年の1月の予定で、閣僚としてギリギリまで執務を続たいという本人の希望に対して、表だった反対意見は出ていない・・というニュース記事でした。

アメリカでアダルト・チルドレンの大統領が、女性研修生と何かしたとかしなかったとか騒がれている頃、フランスの大統領は婚外子の存在を認め、「で、それが?」の一言で記者をあしらってしまったとか。まあ、国ごとの文化の違いなんでしょうけど。

日本の首相にも、愛人がいることがばれて辞めた人がいました。いや、あれは愛人がいることが問題視されたのではなく「三本指」がいけなかったのかな。一国の宰相が職業愛人を囲うのに、お手当てが月に30万ではあまりに情けないという話だったかも。そこらへん、ひいらぎ少年はまだ子供だったので、大人の事情は詳しくわかりませんが。

すんません、ウソをつきました。

ポルノグラフィティの「アポロ」をカラオケで歌うとき、

僕らの生まれてくるずっとずっと前にはもう、アポロ11号は月に行ったっていうのに〜♪

と歌いながら、心の中で(す、すいません。もうとっくに生まれてました)と、誰にともなく謝ってしまうのです。テレビで生中継見てしまいましたからね。それに比べるとハネウマライダーやアゲハ蝶は難しいのです。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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