心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」

たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ過去へ未来へ


2007年09月13日(木) try levitation

「人生は近くから見れば悲劇だが、遠くから見れば喜劇である」
Life is a tragedy when seen in close-up, but a comedy in long-shot.

人の不幸は蜜の味、という言葉がありました。
笑いの本質は、偏見と差別である、という言葉もありました。

他人事だから笑っていられるのであって、当事者であれば(あるいは巻き込まれていれば)笑ってなどいられません。

でもそれは言葉を変えれば、自分が悲劇の主人公である間は、笑っている余裕なんか生まれないってことです。自分が苦しいときには、自分しか見えていない、クローズアップで見ていますから。もう少し自分から離れて見てみなさい、ということです。

「神の視点から見る」というのは、なかなか難しいことです。
その代わり、10メートル上から、今の自分を見下ろしてみます(try levitation)。実際それをやるには幽体離脱でもせにゃなりませんが、気持ちの上ならいつでもできます。
そうやって見てみれば、つまらないことにカリカリして、きりきり舞いしている自分が見えてくるでしょう。それが神の視点です。

ロングショットで見れば、自分自身のことだって喜劇です。つまらないプライドさえ捨てれば、昔のことを笑って話せるようになるのと同じで、今の自分のことだって、離れて見ればもっと余裕を持つことができるはずです。眉間にしわを寄せていれば、運だって逃げていきますから、緊張を解いてゆっくり寝ることです。

そんな理由で、僕らはミーティング場で気楽に自分の話ができて、また人がくすくす笑っても気にならないのです。辛いときは、自分のことを笑えるようになるために行くのでしょう。

冒頭の一行は、チャップリンの言葉です。


2007年09月12日(水) テレビとラグビー

ラグビーのワールドカップフランス大会。フィジー戦を見ていましたが、途中で眠くて寝てしまいました。

国別ランキング18位の日本ですが、本大会ではもう十数年も勝ったことがありません。そもそもアジア地域でラグビーは盛んではないので、予選突破はほぼ確実なのですが、強豪国との力の差は明らかです。一つ前のオーストラリア戦は3−91の大敗でした。
起きてニュースを見たら31−35で惜敗。残念です。
NFLも開幕して、深夜の放送から目が離せない日々が始まりました。

話は変わりますが、テレビを買ってしまいました。
これまで使ってきたのは、妻が抽選で当てたものです。10年ほど前、近所に葬祭センターができたときに、見学者全員に粗品プレゼントというキャンペーンをやっていて、その粗品目当ての義父母に連れて行かれました。葬式費用を生前に分割払いしておく制度の宣伝をやっていましたが、当面死ぬ予定のない僕は契約する気などさらさらありませんでした。
が、妻がくじ引き景品一等の21型テレビデオを引き当ててしまいました。
もちろん、生前分割払いの契約もせざるを得なくなりました。もう払い終わりましたけど。
あそこが倒産しない限り、僕の葬式はあそこでやるんだろう、ということは分かります。

そのテレビ、数年前にチューナー部が壊れてビデオ再生専用機になってしまいました。
チューナーを外付けしてテレビを見ていたのですが、だんだんそれも調子が悪くなってきました。で、ジャスコの家電売り場で液晶テレビを見ているうちに、買い換えることになってしまいました。来週末に届く予定です。

さてさて、AAミーティングの参加ってのは、スポーツで言えば基礎トレーニングみたいなものでしょうか。


2007年09月11日(火) 卒塔婆携帯

先日八王子から帰ってくる際に、貨物列車の機関車が故障して立ち往生した影響で、特急電車が遅れました。JRでは二時間以上列車が遅れると、特急料金を返してくれる仕組みになっています。
僕が特急券を買ったのは午後9時過ぎで、列車が八王子駅に到着したのが11時前だったので、2時間は経過していないのですが、もともとその列車は6時半に新宿出発の電車だったことが問題で、いつ切符を買ったかは不問のようでした。
といっても、出札のところで払い戻してくれるわけではなく、切符にはんこをついてくれて、翌日以降にみどりの窓口へ持ってくるように言われました。

で、週末に自宅近くの駅へ行きまして、二千円あまりをウハウハと懐に入れたのですが、ついでに滅多に寄らない駅ビルの中を徘徊してみることにしました。

そして、ソフトバンクモバイル(SBM)の店に入ってしまいました。
SBMについて知っていたことは以下の通り、
「ホワイトプランという料金プランを使えば、月々980円の基本料金のみでSBM携帯どうしは話し放題。ただし、午後9時から1時までと、他社携帯や固定はかえって高額」
 →SBM携帯にだけかける2台目にすれば980円ですむ。
「端末代は高いが、割賦制度を使えば分割で支払えて、(2年間解約できない縛りを受ける代わりに)その代金は割引になる」
 →安い機種を選んで2年使う覚悟をすれば、端末代は不要。

冷やかしのつもりだったのに、いつの間にか「端末選択モード」に入っていて、毎月980円ならまあいいか、と契約してしまいました。実際には事務手数料3千円弱が必要だったり、Eメールを使うと+315円だったりして、980円ぽっきりではすみません。
さらに使い勝手をよくしようと、様々オプションサービスを追加していくと、実はずいぶん高額になる・・というYahoo!BBの時に見せた「孫さんマジック」は健在であります。

電話番号は、090-6000-XXXX、メールアドレスは xxxxxxx@softbank.ne.jp です(伏せ字部分は現在のau携帯と同じ)。鞄に入れっぱなしで、ちっとも使っていないのであります。


2007年09月10日(月) 続きものである自分

人間は過去から未来へ向かって生きる連続体ですから、過去を無視して今日を生きるわけにはいきません。

精神病院に入院中のアル中患者さんで、「依存症ということを意識しすぎると、自分は苦しくなってまた飲んでしまう。だから酒のことは忘れて生きてゆきたい」と言う人がいます。

気持ちはよくわかるのですが、人間そう簡単に過去を忘れることはできません。気持ちの上では過去を忘れられても、心の奥深い部分、脳みその特定の部分には、過去がしっかりと刻まれています。

僕は小学校の1年生の時に自転車に乗る練習をしました。毎日練習し、よろけて藪に突っ込んで怪我をしたりしながら、2週間ぐらいで何とか乗りこなせるようになりました。一度乗れるようになってしまえば、最初になんであんなに苦労したのかと思うぐらい、すいすいと乗れるものです。
大人になって、もう何年も自転車に乗っていなくても、体(つまり脳)は自転車の乗り方を忘れません。久しぶりに乗れば、しばらくヨタヨタするかもしれませんが、あっという間に昔のカンを取り戻して、上手に乗れるようになるでしょう。自転車の乗り方を忘れることはできないのです。

お酒も同じことで、たくさん飲めるようになるまでには、多少の苦労もあったことでしょう。でも練習の成果があって、ぐいぐい飲めるようになったわけです。そして断酒を決意しても、酒の飲み方を脳は忘れてくれません。
何ヶ月、何年か酒をやめていて、久しぶりに飲み出せば、なるほど最初は「コントロールされた飲酒」だとか「節制された飲酒」という、へなちょこな飲酒をしているでしょうが、アル中としての本格的な飲み方を取り戻すまで、そう時間はかからないでしょう。

酒の飲み方だけじゃなく、人間関係の反応の仕方とか、感情や考え方の偏りも、子供のころから積み重ねてしまったものを、忘れようとしても簡単には捨てられません。

だからこそ「棚卸し」や内観をして、過去の行動が現在の自分にどう影響を与えているか分析しなくてはいけません。このときに大事なのは、罪の意識や自責を持ち続けないことです。罪の意識を持ち続けることは、それを行った過去の時点での自分を回復させたいという気持ちの現れです。
過去が回復すれば、現在の苦しみも消えてくれるでしょう。でも、過去を変えることができない以上、現在を変えていくしかありません。

(できるはずのない)忘却を望んだりせず、罪の意識で自分を律しようともしない。それが今の自分に責任を持つということでしょう。


2007年09月09日(日) 一人では気づけないかも

AAミーティングにやってきた頃、僕は「酒の飲み方がひどくなったのは、ここ1〜2年のことだ」と言っていました。実際には10年以上アル中ライフを送ってきたのですが、そのころの自覚は「悪くなったのはここ1〜2年」という感じ方でした。

それももっともな話で、それ以前には僕の酒の飲み方を、毎日とがめる人はいなかったのです。いつも体調が最悪で、飲んだ酒ですらゲロゲロ吐いている状態でも、それは単に酒を飲んだ結果だという言い訳が成り立ちました。酒は好きで飲んできたのだし、ひどい生活ではあったけれど、サラ金にも手を出さずに生活費を工面してこれたという自負もありました。

それでも行き詰まって、自殺未遂を機に実家に戻り、精神病院への通院、入院、依存症という診断、と1〜2年でドタバタ進んでいきました。

そうなると、いままで詳しいことを知らずにいた良心も、なんとか僕の酒をコントロールしようと、口やかましくもなりましたし、酒の匂いがしないかチェックしたり、持ち物検査をしたりと、いろいろ小うるさいことを始めました。

飲むのをとがめられるようになって、初めて「飲み方がひどくなった」と認識できたわけで、一人で飲み続けていたら、なかなか気づかなかったでしょう。家族がいても、飲むのをとがめられなかったら、同じように気がつかないと思います。

家族がとやかく言ったから病気が進行したのではなく、ずいぶん前に病気になっていたのに、自覚がなかった(病識がなかった)だけの話です。ずいぶん前からアルコールに対して無力だったのに、認めてこなかっただけの話でもありますね。


2007年09月08日(土) 金曜のこと

伊豆半島に上陸した台風は、本州を北へ抜けていきました。
会社の創立記念日パーティーというのがあり、参加は義務ではないのですが、出なかったら出なかったでいろいろ問題が発生するのが会社勤めというものであります。おまけに、僕がいてもいなくても良いような会議が本社で設定されました。

できれば行きたくない・・と思ったものですから、木曜の晩は中央道も中央線も不通であるので、不通の時間が長引いて「交通機関の都合で本社に到達できない」という結果を、ついつい神様に「ね、お願い」とばかりにお願いしてしまいました。

金曜の朝は、まだ特急と高速道路は不通のままでした。「今日は行けるかどうか分かりません」と電話して、内心うぷぷっと噴きながら、こりゃ遅れた仕事を片づけるのに都合がいいわい、とほくそ笑んでいました。が・・、やがて窓の外には晴天が広がり始め、高速通行止め解除の知らせが来てしまいました。
解除直後の大渋滞を抜けて、神奈川へ。

夕方からのイベントは、パーティーといっても立食パーティーであります。どうして立食パーティーで、あんなにたくさん酔っぱらいが出るのか不思議な光景でした。参加する前には、嫌だな、面倒だなと思っていても、その場に行ってしまえば、知っている人と話をしたりもして、それなりに意味は出てきます。
そう、AAのイベントに行くのと同じで、行ってそこで人と会うと何かが違ってきます。
とわ言うものの、ここは酒の席ですから、極めてつまらない人間的な言葉も飛び出します。しかし、静かに笑ってやり過ごせるのはありがたいことです。こういうときに、自分という人間が変化してきたことに気づかされます。トロ3貫食べたし。

往路が車なら、復路も車だと信じていたのですが、ドライバーはすでに飲んで顔が赤くなっていました。「どうすんだよ」と聞くと、「えー、宿取ってないんですか?」と問い返されました。マジ? 今から宿を取るのは面倒です。上司に相談して最終の「あずさ」で帰ることにしました。
飲み会を途中で抜け出して帰るのは慣れたものです。

町田の駅で、最終あずさの指定席を買おうとしたら、駅員に止められました。「中野の駅でポイント故障、それから機関車が故障して大月方面は不通です」

ああ、神様に「交通機関止めてください」とお願いしたばっかりに、電車が止まってしまいました(希望より12時間遅かったけど)。やはり、自分のためにお願いを祈ってはいけないのでありましょう。とりわけ、わがままなことは。

とりあえずスイカ(カード)で改札を抜けて八王子を目指そうとしたら、自動改札にとおせんぼされました。駅員に5分待たされたあげく、「カードの故障ですね。取り替えは明日にならないとできません」という結果でした。

鉄路が復旧して、豊田に止まっていた特急が八王子駅のホームに入ってきたのが11時近く。会社の近くの駅に着いたのが1時。出払ったタクシーを長々と待ち、会社の駐車場で自分の車に乗り換えて、家に着いたらもう3時近くでした。

おかげで「ビッグブックのスポンサーシップ」の日本語版を最後までゆっくり読めました。体はとても疲れたけれど、ともかく頭には来ずに一日過ごせました。それが何しろ一番ありがたいことでした。自分のために祈ってはいけない、とりわけそれを公言してはますますいけない、という教訓を得て。


2007年09月06日(木) 給油と野球と台風

さて、ハイオクにレギュラーを混ぜる実験を始めたのですが、それ以前に100%ハイオクの時点での燃費を計っておかないといけません。
満タン法で2回給油し、約70Lで約700Kmを走行しました。実燃費10Km/Lですな。
「えー!? そんなに燃費が良いの?」という声が聞こえてきそうですが、走行距離の大部分が(田舎の)高速道路を使った通勤で占められているせいです。最近は少々大人の運転を心がけています。定速走行を続ければ、ストイキ点付近での燃焼が続いて、カタログデータ並みの実燃費が得られることもあります。
(佐久のオープンスピーカー図へ下道で往復した分も入ってます)。
現在ハイオク:レギュラー比が50:50ぐらいですが、体に感じる変化はありません。燃費はどうなるか、次の給油待ちです。

さて、我が愛する楽天イーグルスは、現在パリーグの4位におります。チーム創設以来ずっと最下位だったのに、うるうる涙ものです。その4番バッター、お雇い外国人のフェルナンデス選手が、ホームランを打つたびに発表する談話がちょっと面白いので紹介します(ようするに今日は自分で考えて雑記を書く気合いがないのです)。

「人生には悪いときが必ずある。でも、心を静かに保て。暗い中にも明るい光が見えてくるはずだから」20号ホームラン

「人生とは野球そのもの。とにかく楽しむべきだ。それはなぜか。人生には悪いときが必ず来るけど、それに対してわれわれは何もできないからさ」19号ホームラン

「自分で選んだ道ならば、それを愛さなければならない。人生の80%は仕事。オレは野球が大好きなんだ」18号ホームラン

台風は伊豆半島付近に上陸したようです。明日は神奈川の本社で打ち合わせの予定ですが、果たして中央道は通れるのでしょうか。できれば、夕方の設立記念日パーティーと合わせて休みたいところです。ね、神様お願い(わがまま)。


もくじ過去へ未来へ

by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


My追加