心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2007年04月21日(土) トレージャー+er

この春から、AAグループの会計係をやっています。
ミーティングが終わったら、献金箱の中身を封筒に入れて持ち帰ります。
時々千円札が混じっていることがありますが、たいていは全部小銭です。出納帳はつけなければならないので、小銭を数えねばならないのですが、この作業はたいそう面倒です。なので、機械に数えてもらうことにしています。
最近は小さい郵便局のATMでも、小銭を扱えるようになっています。以前は、銀行も郵便局も、ATMやCDは札しか扱えなくて、金のないときなんかは「口座に800円残ってんのに下ろせないなんて〜」と恨みがましく思ったこともありました。だからって、通帳とはんこで800円下ろしにいく勇気はなかったんですけど。

話を元に戻します。小銭がじゃらじゃら言っている封筒をいくつか持って行って、ATMに自分の通帳をつっこんで「預け入れ」のボタンを押します。あとは硬貨投入口におぜぜを全部放り込んで、機械が数えてくれるのを待ちます。口座に入ったら、さらに振り込み用紙を使って、オフィスに送金します。
残額は下ろして帰ってもいいし、月末にまとめて現金化することもあります。
あとは、通帳を見ながら出納帳に転記して、おしまいです。

グループの出費は、会場費が毎月3千円。JSOとセントラルオフィスと地区に千円ずつ献金しますから、ぜんぶ合わせて6千円がグループの固定出費です。これの3ヶ月分18,000円が「慎重に設定された予備費」ってことになっていたような気がしますが、たいていどんな決めごとも、やがては忘れ去られて、新しく決め直すことが繰り返されているので、自信がありません。

グループの金を預かって、その金で酒を飲んじゃう人もたまにいます。でも、その金は返さなくてもいいと思います。だって、金がないからその金を使ったんだし、その人に任せたグループの責任だってあるんですから。だいたい律儀に返してくる人に限って、AAには戻ってこないですね(今のところ)。ステップ9の時に返せばいいでしょ。
会計係は英語で treasurer 宝物を示すトレージャーに er をつけます。

春のラウンドアップには行きません。2週間後に同じ場所へ。


2007年04月20日(金) パソコン変更

パソコンの中身を、この前買った部品に入れ替えました。
そうした作業をするときには、掃除機を用意して、筐体の中にたまった綿ぼこりを掃除することにしています。ファンで空気を循環させて冷やしているので、どうしても誇りを吸い込んで中にためてしまいます。
今回もずいぶん長いことほったらかしだったので、さぞかしほこりが大量にたまっているだろうと予想したのですが、結構きれいでした。前回からCPU周りを水冷に切り替えたので、ほかの空冷の部分が空気(とほこり)を吸い込まなくても、十分冷やせていたんじゃないかと想像します。
ソフトの入れ直しなどをしていたら、明け方になってしまいました。

さて、
「アル中の自己憐憫にはつきあいきれない」
という言葉を初めて聞いたときには、僕もちょっと腹を立ててしまいましたね。好きで嘆いているわけでもないのに、なんと無理解なことかと思ったものです。

でも今は、自己憐憫というのは、自分で選んでそうしていると分かってしまいました。だから、
「こんなはずじゃなかったのに、自分は哀れな運命の犠牲者だ」
という趣旨の話を聞いていると、好きなだけ自己憐憫に浸ればいいじゃないかと、突き放した気持ちになってしまったりもします。
だいたいそうした自己憐憫は、思わず口から出てしまった愚痴とは違って、聞いていても同情を誘う部分は少ないものだと思います。

「ひいらぎは最近辛いっていう話をしなくなったね」と言われました。ミーティングでそういう話をするのを意識的に避けていた訳じゃありませんが、言われてみればそうかも知れません。


2007年04月18日(水) 養命酒その他

養命酒ですか?
もちろん、飲んだことありますよ。
子供の頃は、ばあちゃんのミニカップに分けてもらって飲みました。
酒が切れたアル中をやっていた頃は、ボトルからコップに注いで飲んでました。実家にお歳暮お中元でもらったのが何本かあったものですから。甘ったるくて、たくさん
飲むと気持ち悪くて吐きそうになりますが、結構なアルコール濃度ですからね。

ホワイトリカーを飲むのは普通でしょう?
最近は、2.7リッターの焼酎を安く売っていたりするんで、あえてホワイトリカーを選ぶ理由はないのかもしれません。梅酒とかの果実酒を作るベースになる酒です。梅酒は焼酎で造っても良いんでしょうが、実家ではホワイトリカーでした。
そのまま飲むことは考えてないのでしょう、味のしない、アルコールの刺激臭がぷ〜んとくる液体ですよ。それを、コップに注いで、水かお湯で割って飲みました。

酢を飲んだこともありました。あまり酔いませんでした。
みりんを飲んだこともありました。こちらはそこそこのアルコール分が含まれてますから、酔えます。さすがに気持ち悪くなって毎回吐いていまうんですけど。

僕はやったことがないのですが、ヘヤトニック飲んだ人もいます。これなら病棟の仲間で持ち込んでもばれないし(本当か?)。柳屋 がうまいそうです。今のは昔と違うのですかねぇ。

ナースステーションとかには、傷口や注射あとを消毒する脱脂綿がアルコールに漬けてあるでしょう。あれを飲んでみたという人の話も聞きました。吐いたそうです。


2007年04月17日(火) 麻薬や覚せい剤(その2)

<覚醒剤部門>

覚醒剤
向精神薬の一種。脳の機能を積極的に亢進させ、眠気をなくし、疲労感を軽減するほか、気分を爽快にして思考能力を促進させるなどの効果があるが、常用すれば習慣性となり、精神的依存から覚醒剤中毒に陥る。第二次世界大戦後「ヒロポン」が乱用されて社会問題となり、覚せい剤取締法によって禁止された。アンフェタミン、メタンフェタミン、およびその原料となるエフェドリンが規制されている。

アンフェタミン(amphetamine)
覚醒剤として指定されている。通称スピード。常用すると依存が形成されやすい。注意欠陥・多動性障害(ADHD)の治療薬。

メタンフェタミン(methamphetamine)
戦後の一時期にヒロポン(商標)として一般に販売されたが、その後覚醒剤に指定された。ナルコプレシーの治療薬。

エフェドリン(ephedrine)
塩酸エフェドリンは、交感神経興奮剤で気管支拡張剤の効果がある。1885年長井長義によってマオウ(麻黄)から分離された。気管支炎、風邪などに使われる普通薬。覚醒剤の原料になるために規制されている。過去ダイエット薬に含まれていたことがある。

<幻覚剤部門>

LSD
もっとも強力な幻覚剤(精神異常発現物質)。1938年にスイス人化学者アルバート・ホフマンによって最初に合成された。リセルグ酸ジエチルアミド。透明な結晶あるいは液体。内服により知覚異常や幻覚、抑うつ、統合失調症に類似の症状を呈する。アメリカでは医療用に販売された時期もあった。麻薬に指定。

メスカリン
幻覚剤。アメリカ原住民がサボテンから抽出し儀式に用いていたもの。化学合成も可能。視覚的幻覚を起こす。現在は麻薬に指定。

マジックマッシュルーム(magic mushroom)
幻覚性があるキノコ。視覚的幻覚を起こす。日本にも自生するが、栽培することは禁じられいる。ワライタケなど。

MDMA
合成麻薬。幻覚剤。海外では心的外傷後ストレス障害(PTSD)の治療に用いられる。麻薬に指定。依存性の検証は十分なされていないが、エクスタシーやバツの名前で密売される錠剤は、意図的に他の薬物(麻薬など)が混ぜられているものがほとんどであり、治療薬と同列に論じることはできない。

<その他>

酩酊や鎮静効果のある薬を俗にダウナー(downer)と呼び、アルコールもこの範疇に入る。逆に覚醒作用のある薬をアッパー(upper)と呼び、カフェインを含む。
鎮痛剤、催眠剤、抗不安剤、鎮静剤などの処方薬でも乱用・依存は起きており、ネットの普及を背景に違法な流通も増えている。処方薬乱用の多くはダウナー系薬物だが、メチルフェニデート(商品名リタリン)などはアッパー系である。


2007年04月16日(月) 麻薬や覚せい剤(その1)

<麻薬部門>

麻薬
麻薬取締法で指定された薬物および植物。麻薬は従来 narcotic drug とよばれ、単に narcotic といえば麻酔薬のことであったが、現在では国際的に麻薬をさすようになっている。アヘンアルカロイド(アヘン・モルヒネ・コデインなど)と、コカアルカロイド(コカインなど)、合成麻薬(MDMAなど)がある。

アヘン(阿片・opium)
モルヒネなどを含む代表的な麻薬の一種。ケシ科のケシの果実の液から作る。乾燥粉末にし精製したものを吸煙する。習慣性がありやがて量を用いなければ効かなくなる。医療用にも用いるが、あへん法によって一般への売買、使用が禁止されている。

モルヒネ(morphine)
アヘンアルカロイド。1805年ドイツの薬剤師ゼルチュルナーによってアヘンから単離された。白色の結晶または粉末。鎮痛薬として医薬用に使われる。麻薬に指定。繰り返して用いることにより耐性を生ずるとともに、身体性依存および禁断現象が現れる。負傷兵の治療にも用いられ、南北戦争での使用がその後のアメリカに多くのモルヒネ中毒者を生み出し、規制政策の基礎となった。癌性疼痛の鎮痛に用いる際には、依存は形成されないとされる。

コデイン(codeine)
アヘンアルカロイド。1832年フランスの薬剤師ロビケによってアヘンから分離された。通常リン酸コデインとして医薬品に用いられる。麻薬性鎮咳剤の代表的薬物。鎮痛効果はモルヒネより弱いが鎮咳作用は強い。家庭用にも用いる。

ヘロイン(heroin)
ジアセチルモルヒネの通称。麻薬。塩酸塩は白色粉末。体内で分解されてモルヒネになる。作用はモルヒネの2〜5倍強く、持続時間は半分。国際的に製造、販売、所持、使用が厳禁され、医療用に使用することも禁止されている。

コカイン(ocaine)
南米原産のコカノキの葉に含まれるアルカロイド。塩酸コカインをモルヒネに配合して癌性疼痛の鎮痛に用いる。無色の結晶または白色粉末、無臭。毒性が強く習慣性となりやすいため、麻薬に指定。

大麻(hemp)
アサの別名タイマのこと。中東や北アフリカではハシシュ(hashish)、東南アジアなどではチャラス(charas)・バン(bhang)・ガンジャ(ganja)、アメリカではマリファナ(marijuana)と呼ばれる。作用は服用者によって個人差があるが、陶酔状態になる。アメリカでは、マリファナの喫煙は実質的に解禁状態となっているが、日本では大麻取締法によって禁止されている。

シンナー(thinner)
塗料を薄めるために使われる有機溶剤。トルエンなど。シンナー蒸気を吸引すると酩酊感がある。依存性があり、毒物及び劇物取締法によって規制されているため、蒸気の吸引は違法。通称アンパン。

(明日は後半)


2007年04月14日(土) 立ち話の中身(定年後の発病と断酒)

山梨愛宕山でのAAイベントへ。

ちょっと聞き取りにくい仲間の話を聞きながら、別の耳の悪いメンバーが話してくれた言葉を思い出しました。

「全部を聞き取ろうと思ったり、全部が聞こえて当然だと思うと心がかき乱される。聞こえなくて当然だ。聞こえるところだけ聞こえればいいと思えば楽になる」

大きな部屋の中で、みんなと一緒に座って話を聞いている時間もあるのですが、部屋の外で立ち話ばかりしている時間もあります。どんな話をしているかと言えば、たとえばこんな話です。

仕事を定年退職して、家でごろごろしていたら酒にハマってしまい、しばらくドタバタしたあとで医者にかかって「アルコール依存症です」と診断される人は結構います。病院メッセージなんかで、そうした人の話を伺うと、それまで仕事熱心にやってきたのに、毎日ぶらぶらしていたのがいけなかった、というほぼ共通のシナリオを聞かされます。でも、酒は定年前から飲んでいる人ばかりです。仕事が歯止めになって、依存症の症状が表面化するのを防いできたという感じでしょうか。
それまでの人生は「ちゃんとやってきた」という自負心が強く感じられます。

で、その後ちゃんと酒がやめられたという事例を直接知らないのです。AAにも年寄りは一杯いますが、その多くは酒をやめ続けた結果年寄りになった人です。もちろん、年寄りになってから酒をやめる人もいますが、それは仕事現役時代から酒でトラブル頻発だった人が多いのです。
まあ僕は長野の田舎にいるので、ひょっとすると都会には「定年退職→依存症発病→断酒」という経過を辿った人も多いのかも知れません。断酒会はどうでしょうか。

そういう人の話を聞いてみたいと思い、知り合いのメンバーに「そういう人を知らないか」と尋ねて回っているのですが、いままでは空振りばかりです。

ホームグループのミーティングを経由して帰宅。エクスパックでお目覚めキットが届いていました。感謝。


2007年04月13日(金) 巨人の肩に乗れ

「もし私に他の人々よりも遠くが見えたのだとしたら、それは私が巨人たちの肩に乗っていたからでしょう」

万有引力を発見したアイザック・ニュートンが語ったとされる言葉です。
先人の残した業績があったからこそ、人並み以上のことができたという率直な告白です。

「車輪の再発明」という言葉があります。人類が車輪を発明することで、ものを輸送する労力は大幅に減りました。これが偉大な発明であることは、現在でも自動車、電車、あるいは飛行機の離発着にまで車輪は使われていることからうかがい知れます。私たちは生まれた時から車輪のある社会に暮らしているので、車輪の存在をあたりまえに感じています。

ここにある天才がいたとして、彼がものの輸送を楽にする手段を発明しようと努力したとします。四角い形やら△の形やら、いろいろ試した挙げ句、なるほど円板を円周方向に転がすと摩擦が少なく、衝撃も少なくて具合が良いことを発見し、それを応用した輸送手段を作成して「リヤカー」と名づけたとします。
それは天才らしい偉大な発明家も知れませんが、車輪を再度発明したことを讃える人はいないでしょう。

なんでAAのミーティングで小難しい本を読むのか。それは巨人の肩に乗るため(先人の業績を受け取るため)です。AAの最初の数年間に、わずか100人のメンバーの手によって「スピリチュアルな原理」は完成を見ました。彼らが特別な存在だったのか、真剣さが特別だったのか、奇跡が起きたのか、単なる偶然か、それは分かりません。ともかくそれが本となって残り、また延々と伝えられて今のAAの姿があるわけです。
その原理の根本は、決してAAの専売特許ではなく、普遍のものです。

そして成長するAAグループや、回復途上の個人が、努力を重ねて霊的原理を「再発見」したとしても、それは「車輪の再発明」と同じで、その喜びは自己満足です。
行動として表面に出てくるステップは、100人いれば100通りあるでしょうが、根本の原理はひとつです。自分にあったやり方を発見することが大切で、原理を再発明しようとすれば途中で嫌になるのが普通でしょう。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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