心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年09月18日(金) 回復の速度

この雑記に生活感がないのは、たぶん生活に変化がないからです。

さて、回復にどれぐらい時間がかかるか、と聞かれるときがあります。
特に根拠はありませんが、男だったら3〜5年、女だったら5〜7年がメドでしょうと答えています。この数字は、僕がAAに来た頃に聞いた数字ですが、今でも事情は変わらないと思います。
AAメンバーだったら、その間ミーティングに通うことを続け、ステップをやっていれば、就労や人間関係の修復が安定するのが上記の3年〜7年ぐらいかな、という感じです。
ステップは8・9まで済ませるのが大事だと思うようになりました。埋め合わせを通過すると、恐れ、卑屈さ、その裏返しである傲慢さが取れてきて、精神状態や人間関係が安定してきます。それは聖人(理想的な人間)になるという意味じゃなくて、もともと持っていたその人らしい人間性が出てくる感じです。その人間性が好ましいかどうかはまた別問題として。
逆に言えば、そこに至るまではまだまだアルコールの影響が抜けず、アル中的性格に支配されている感じで、個性は陰に隠れてしまっています。ACでアル中という場合には、アル中的性格が主で、AC的性格が従(というか陰に隠れる)なのですが、そのことになかなか気づかないものです。

3〜5年かかると言ったら、うちの息子はもう5年AAに通っていますがまだ良くならないと言われたことがあります。5年の間には良くなる努力を続けたこともあったけれど、飲んだくれて努力を帳消しにしていた時期もあったわけで、プラスマイナスゼロか、病気が進行してかえって悪くなってますよ、と言っても納得されませんでした。

早く回復する手段はないか、と聞かれても、回り道は避けられても近道はないと思います。今回復していたかったら、3年前、5年前に始めているしかなかったわけで、今努力を始めなかったら、3年、5年後に今と同じ後悔をすることになります。

ステップは1から12まで順番にやるのか、できるところからやればいいのか? という話もありました。順番にやるように設計されているのですから、順番にやった方が「おいしい」でしょう。
別に順番にこだわらなくてもいいかもしれませんが、それは例えば、カップラーメンを取り出して乾麺をバリバリ食べ、粉末スープを舐めてから、お湯を飲んで3分待ってみました、みたいな感じかな。
それでも空腹は満たされるから良し、というのならそれでいいのかも。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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