心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年08月29日(土) 自助グループ

アルコール依存症の本を読むと、自助グループの項目に「断酒会」が載っています。最近の本だとAAも載っています。

断酒会はアメリカのAAを参考にして作られたと書いてあります。AAは、株のブローカーと外科医の二人のアル中が出会ったのが始まりとあります。これだけ読んで、まるでAAが世界で初めての自助グループであるかのように誤解している人も多そうな気がします。実際僕もそうでした。

いま、こちらの本を読んでいます。
http://www.yo.rim.or.jp/~kyo-darc/book/book_007.html

AA以前にもたくさんのグループがあったことがわかります。現在アメリカ国内のAAメンバー数は100万人あまりですが、19世紀に存在したグループの中には、その何倍ものメンバーを集めたものもありました。しかし、それがことごとく弱体化し、ほとんどが消えてしまったのです。

理由はいろいろあったようです。
典型的なのが政治活動に巻き込まれ、グループの中が論争ばかりになって脱会者が相次ぐ。個人的なスターによって広まったものが、その人の再飲酒ですっかり信用を落とす。金銭的、あるいは主導権争いでの崩壊。骨となる治療プログラムがないために長続きしない。面倒な入会者を拒んだために、徐々に衰退。そして目立つのが、優秀な指導者によって拡大したものが、その人の引退や死によって霧散してしまうもの。

こう考えると、AAの12の伝統というものは、過去に消え去った団体の経験を集めたものと言えそうです。伝統を書いたビルは、過去の団体のことを相当研究していたのでしょう。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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