心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

ホーム > 日々雑記 「たったひとつの冴えないやりかた」

たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
もくじ過去へ未来へ


2009年06月24日(水) AAの有効性

53.6Kg, 9.7%

雑記のタイトルが短くなる前は「たったひとつの冴えないやりかた〜飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常、あるいは自助グループへの諦念混じりのつぶやき」でありました。

AAに100人のニューカマーが来たとして、そのうち10年20年と酒をやめ続けられる人は、おそらく数人でしょう。一回顔を出しただけの人も母数に入れれば、その比率はもっと下がり一人未満になってしまうかもしれません。
そういう現実からすれば、僕が今の日本のAAに対してシニカルな見方しかできなくなっているとしても、仕方ないではありませんか。

だからといって、僕はAAに対して失望しているわけではありません。信頼を失ったわけでもありません。

それは僕のソブラエティの2年目の夏でした。3年のバースディを済ませた「先ゆく仲間」が再飲酒してしまいました。彼は週に6日ミーティングに通っていました。当時はこちらでは会場がまだ少なく、毎晩出席するのは実に大変なことでした。そして毎週末のように遠方のAAイベントに参加していました。
そんなに熱心にAAをやっていたにもかかわらず、彼は飲んでしまったのです。

ミーティングでよく読まれる第5章に、「私たちと同じことを徹底的にやって、それでも回復できなかった人はほぼ絶無だった」とあります。それは誇大表現ではなかろうか、と思ったわけです。

幸い今では、考え方が違っています。
僕はAAの中で見聞が広いわけではありませんが、少なくとも「あんなに熱心にステップに取り組んだのに、なぜ彼は飲んでしまったのだろう」という例はひとつも見聞きしたことがありません。ステップは(ほぼ)常に有効で、取り組んだ人がほぼすべて回復するというのもウソではありません。

もちろん、ステップをやったのに飲んでしまったと言われたなら、「そりゃやり方が不十分だったのだよ」と言えば済む話ですから。

まあミーティングだけでやめられている人は、それでいいのかもしれません。でも、その一方で、ステップが伝われば助かる人たちに手が届かずに終わっているのが現実です。

ステップセミナーをやろうという話になっても、「ステップの話が出来るメンバーが少ないから無理だよ」という理由でボツになってしまうのです。シニカルにならざるを得ないじゃないですか。


もくじ過去へ未来へ

by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


My追加