心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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たったひとつの冴えないやりかた
飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2009年01月21日(水) あと何回失敗できる?

朝/コーヒー・トースト・ヨーグルト・チーズ・生ハム
昼/豚焼肉弁当・野菜サラダ(コンビニ)
夕/豚トロ角煮丼・みそ汁・サラダ(すき家)
夜/チキンラーメンミニ
53.8Kg, 10.5%

朝/コーヒー・トースト・ヨーグルト・チーズ・生ハム
昼/トマトのスパゲティ・レタスサラダ

アルコール依存症は(他の依存症も)進行性の病気です。依存症の人が5年間酒を飲み続ければ、5年分病気が進行する。これは、とても分かりやすい仕組みです。

では、酒をやめていれば病気の進行は食い止められるのか?

例えばアル中さんが5年間、一滴も酒を飲まなかったとしましょう。そうやって、しらふで5年過ごしたあと、また酒を飲んだとします。

それだけ長い間やめていたのだから、病気になる前の正常な飲酒に戻れる・・・と考える人は、さすがに少なくなった思います。

では、正常な飲酒には戻れなくても、10年前、15年前のようにまだマシだった時代の飲み方に戻れるでしょうか? 再飲酒した人の中には、しばらくコントロールの効いた飲酒が楽しめたと言う人もいますが、それもやがて破綻します。

やはり、5年前の一番酷かった状態に戻ってしまうのでしょうか?

答えは「ノー」です。

どうやら「飲まなくても依存症の進行は続いている」らしいのです。なので、再飲酒すると5年前に戻るのではなく、「まるで5年間飲み続けてきたとしたら、こうなったであろう」という程に進行した状態が現れます。酒をやめることは、依存症の進行を食い止める役には立っていないようです。

この知見は、日本のAAのなかで経験的に古くから知られていました。けれど、これは日本だけのローカルな知見なのかと思っていたら、アメリカのメンバーの書いた本に、まったく同じ事が書かれているのを見つけました。疫学的になにか統計が得られているのかどうか知りません。でも、経験的には確かな事実です。

5年、10年してから再飲酒する人がいます。
そう酷くなるまえに、再度断酒ができれば良いのですが。
自分は前回あれだけ長い間やめられたのだから、今回も・・と思っても、なかなか酒がやめられない人もいます。理由は簡単で、飲んでいなかった期間も依存症は進行を続け、それだけ重症になっているので、前回と同じだけの努力では酒がとまらないのです。

やはり「今回のこのソブラエティを大事にする」ことが、それだけ大切だということでしょう。次回も同じだけの努力で酒がとまるとは限らないし、前回以上の努力ができるとも限りません。

なのですが、自助グループに通っていても、いなくても、この件についてはとっても楽天的な人が多いようで、「もしスリップしても、また酒をやめます」とか真顔で言っていたりします。他のことに関しては細かいことを苦に病む性格なのでしょうが、このことに関してはポジティブ・シンキングが得意なようです。

あと何回空振りしたらアウトになるのか、それは自分ではわからんのですよ。今のソブラエティを大事にしましょう。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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