心の家路 たったひとつの冴えないやりかた

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飲まないアルコール中毒者のドライドランクな日常
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2006年05月22日(月) ロングテール

今日の雑記は何を書こうかと考えていると、目の前の本の背に「ロングテール」という単語があるのに気がつきました。これはその本の会社の社長さんが長尾さんであることから来ているのでしょう。石橋さんのブリッジストーンと同じですね。

ロングテールと言えば本のインターネット小売りのアマゾンの話になります。

80:20の法則というのがあります。
会社の売り上げの8割は、2割の顧客から上がっている。残りの8割の顧客で2割の売り上げ。
会社の売り上げの8割は、2割の製品が占めている。
会社の売り上げの8割は、2割の社員が上げている。
などなど。
お得意様・売れ筋商品・トップセールスマンなどなど。
じゃあ残りの2割は不要かというと、そういうわけにはいきません。

本屋の例を取ります。一番売れている本は何でしょう。よくわからないから、ハリー・ポッターということにしましょう。ハリー・ポッターは人気作品なので、仕入れるだけ売れるのであります。一店舗で年間千冊売るかも知れません。これを(なぜか)積み上げるとすごい高さになります。
二番人気は何でしょう。ダ・ヴィンチ・コードにしましょうか。500冊。これも積み上げます。
こうやって売れ行き順に並べて積み上げていきます。
すると、この本屋が千種類の本を扱っていたとすると、200冊いかないうちに、年に一冊売れるか売れないかという高さになってしまいます。
先頭こそ1000冊の高さを持った頭だったものが、すぐに1冊にの高さになってしまい、その低いしっぽが長く長く続くのであります。これが怪物「ロングテール」です。

たまにしか売れない本は、売り上げも上がらないので、置いておくだけ邪魔だとして、代わりに売れる本を置くというのが「選択と集中」であります。が、売れるものばかり扱うわけにいかないのも商売であります。本屋にハリー・ポッターとダ・ヴィンチ・コードしか置いていなかったら、誰が本屋に行くでしょう。
いろいろ扱っているからこそ、わざわざ本屋に出向くわけで、ここに2割の意味があります。

が、従来はこの2割は売り上げに貢献しないと考えられてきました。
ところがアマゾンというのはインターネット書店なので、店頭に本を並べる必要はありません。現実の本屋では千冊しか揃えられなくても、ネット書店なら年に1冊しか売れない本も何十万種類と倉庫に積んでおけます。ひたすら長くしっぽを伸ばして商売することによって、ロングテールからベストセラーに匹敵する売り上げを得ている・・・という話であります。

iTMSには「一回も売れなかった曲はない」と言われています。たとえ1回しか売れなくて、1ドルしか売り上げがなくても、不良在庫にはならないのでしょう。

もちろんネット販売に向くものと向かないものがあるのでしょうけれど。


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by アル中のひいらぎ |MAILHomePage


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