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天竜



 オリジナル「隔世の証」二十三話目アップ

さて、残り三話と言っていたのですが、区切るところがなかったので今回と、残り一話でラストまでアップすることにしました。連載終了を待って一気にお読みくださるご予定の方、明日にでも最終話をアップしますので、もうちょっとだけお待ちくださいませね〜。

2004年05月01日(土)



 オリジナル「隔世の証」二十二話目アップ

隔世アップしました。
残り三話ほどで完結しますので、もうしばらくお付き合いくださいませね〜。

2004年04月29日(木)



 アラレゴ5話目アップ

今回はスラッシュのページにそのままアップしました。アラレゴと言いながら、今回はアラゴルンどころかレゴラスすら出てきません。いつものことだと鼻で笑ってください。

実はわたくし、昨日ようやくヒダルゴ観て来ました!(ナイトメァさん、後ほどメールいたしますズェ!)
またあらためてゆっくりと感想を書こうと思っているのですが、想像以上にいい映画でした。もちろん、ヴィゴが出ているという贔屓目もありますが、もし私がヴィゴを知らなくても胸打たれる作品だったと思います。そして爽快でもありますしね。テーマ自体は決して明るいものではないのだけれど、ヴィゴ演じるフランク・ホプキンスの人柄がとにかく良いんですよ。柔らかい。おまけにキュート。こんな中年男軽く犯罪やんて言いたくなるくらいかわいい。
この作品がヴィゴの初主演作になって良かったな〜と心底思いますね。
つうか、本当に良かったんですけどこの映画!(しつこい)ちょっと意外なくらいでした。(失礼)

DVD出たら買います。あの包含掴む丸っこい器具が個人的にツボでした。

2004年04月27日(火)



 オリジナル「隔世の証」二十一話目アップ

ヒッキーの新曲の歌詞「みんなに必要とされる君を癒せるたった一人の存在になりたくて少し我慢し過ぎたな」がアラレゴに聞こえて仕方ない天竜さんですこんばんは。

さ〜て〜、隔世もそろそろ佳境です。このシーンは思っていたより長くなってしまって苦労しました。どうぞ読んでやってくださいませね。

それからひとつご報告。スラッシュのページにも書いたのですが、ちょっといろいろありまして、このスラッシュページにだけ解析をつけさせて頂きました。ごめんなさいね。ご来訪者にとってあまり気分のいいものじゃないですものね。すいません、少し様子を見させてください。

2004年04月25日(日)



 オリジナル「隔世の証」二十話目アップ

隔世二十話目アップです。堤の子分垣田の性格が変わってしまったので、慌てて過去の登場場面をちょこちょこ訂正しました。お恥ずかしい限りです。
で、ようやく今日ラストまで書きあがったので、これからはもう少しテンポアップしてさくさく更新して行きますので、どうぞチェックしてやってくださいませね〜。

2004年04月23日(金)



 オリジナル「隔世の証」十九話目アップ

隔世、十九話目をアップしました。どうぞ読んでやってくださいませ。
今ですね、ラストシーンを書いているところです。自分の文才の無さに涙がチョチョ切れそうです。
上手くなりたい。そのためには書かねばならぬ。くぅ〜。

そうそう、日記で書いていたアラレゴの方も、今までの分をまとめてスラッシュにアップし直しました。ほとんどコピー貼りなので、新鮮味も何もあったもんじゃありませんが、良かったら覗いてやってください。
「永遠と刹那」の背景、いやらしいアラゴルンとレゴラスの手はDVDからキャプしてみましたエヘ。

2004年04月21日(水)



 ケーキ食ったサ〜

今日はあまりに仕事でむかつき放題だったので、帰りにケーキをたらふく買ってお持ち帰りしましたズェ。糖分とってストレス解消。つっても、甘いものそんなに得意ではないので家族への御奉仕となりましたけどネ!

さてさて。すいません、ひとつ私用でご連絡〜。
先日、メールをくださったkanaさん。感想ありがとうございます〜!実はお礼のお返事を書かせて頂いたのですがメールが戻ってきてしまいました。
ご推薦頂いた小説、ぜひぜひ読ませて頂こうとウハウフフウフウしております!ビバホモ風味!<ってこんな返事ならいらない
黒猫の続編の方はまだ特に考えていないのですが、また機会があったら書かせて頂きますので、どうぞ気長に待ってやってくださいませね〜。

2004年04月20日(火)



 オリジナル「隔世の証」十八話目アップ

隔世、残りはあと5,6話くらいになる予定です。
この連載が終わったらですね、次は明るいスポコン青春ものでも書いてみようかな〜と思ってます。青春と言ってももちろん年齢は高めですが。そしてもちろんサッカーですが。んでもって舞台はやはりスペインですがオレー。
まだまだ希望的予定ですけどね〜。
とりあえず、今は立花と堤に今しばらくお待ちくださいませ。

2004年04月18日(日)



 オリジナル「隔世の証」十七話目アップ

今日は張り切ってアラレゴ(↓)と隔世〜を両方アップしちゃいましたテヘ!どうぞ読んでやってくださいませね〜。

2004年04月15日(木)



 (開き直って)アラレゴ第四話

◆ 戦友の美しきその涙 ◆

その人は、とても美しかったのです。
ローハンにも美しい人はたくさんいるけれど、その人のようにまるで違う世界から舞い降りたような神秘的な美しさを秘めた人はいませんでした。背中まである金色の髪を靡かせ、長い足でヘルム峡谷の角笛城内を自由気ままに走り回り、そのしなやかな腕で放つ弓矢は外れるということを知りません。
エルフという種族を初めて目にしたローハンの兵士も女性も子供も、きっとぼくと同じように思ったことでしょう。誰もが目を奪われ、憧憬の眼差しで彼の姿を見つめたはずです。それほど、角笛城でのエルフの存在は際立ったものでした。
けれど、どういうわけか母さんだけはその人からいつも目を逸らすようにしていました。
「あの人たちは、私たちの目を見るだけで心の中まで読んでしまうのよ」
そう言って、いつも怯えたような表情をします。なぜなのでしょう。ロスロリアンに住まう魔女の噂を信じているのでしょうか。
母さんはぼくにも、エルフには近付くなと強く言って聞かせました。しかし、ぼくは城内で彼の姿を見つけるとつい目で追ってしまうのです。戦が間近に迫り、皆の顔に不安と恐怖が現れるようになっても、彼はいつも陽気で、まるで森の陽だまりでひと休みしているような穏やかな顔をしていました。そんな不思議な彼の姿に、ぼくは見入らずにはいられないのです。
エルフという種族は不死なのだと聞きました。
だから、彼は平然としていられるのでしょう。
ぼくたちとは、まったく違う種族なのです。うらやましいと、少しだけ思いました。
 
ある夜、ぼくは見張り番を任せられました。
十三才になって初めて、剣の使い方を習いました。刃先は欠け、全体が鈍く錆び付いていて、とても頼りなく見えます。果たしてこんな剣でぼくは本当に戦えるのでしょうか。それ以前に、ぼく自身がちゃんと敵に立ち向かうことができるのでしょうか。
きっと、ぼくの顔にも周囲の兵士たちと同じように怯えが滲み出ているに違いありません。夜風が頬をなで上げるたびに、ぼくの背中は冷たく震えました。
母さんは、ぼくを父さんと同じような立派なマークの騎士になることを望んでいます。父さんは、オークと戦って三年前に死にました。名誉ある最期だったと、父さんの友人たちはそう言って称えてくれました。ぼくもそれを誇りに思います。父さんの息子に生まれたことを、とても幸せだと感じていました。
だから、こんなふうに迫り来る戦に怯えてなどいけないのです。
胸を張って、剣を構えなければならないのです。
母さんと二人の妹は、ぼくがこの手で守らなければなりません。例え父さんのように死んでしまったとしても、名誉と誇りはずっとこのローハンの地に残り続けることでしょう。
ぼくはそんなことを考えながら城壁の上を歩きました。
腰に挿した剣が、時間を追うごとに重くなっていくような気がします。
そのとき、前方の壁の上に誰かが座っているのが見えました。金色の髪が風に靡いています。それは、エルフでした。ぼくは思わず足を止め、彼の様子をじっと窺ってしまいます。エルフはまっすぐに前方を見据え、微動だにしません。ぼくの目には暗闇しか映りませんが、彼には何かが見えているようでした。
ぼくがその場から動けずにいると、不意にエルフがこちらを振り向きました。ぼくは驚いてびくりと震えてしまいます。
「少年兵、君の名前は?」
その声はまるで、頭の中に直接囁き掛けられたかのように響きました。ぼくは知らず知らずのうちに、彼の質問に答えていました。
「クロバレスの息子、クーロス」
「そう、クーロス。よろしく、僕はレゴラス」
彼はほっそりとした腕をぼくに向かって差し出しました。ぼくは少し迷ったあと、その手を握り締めました。柔らかく、温かい手のひらでした。それから、レゴラスは自分の隣の凹んだ城壁部分を軽く叩いてみせました。
「ここにお座りよ!」
明るく楽しげな様子で言われ、ぼくは素直に従うことにしました。きっと母さんが見たら、驚いて腰を抜かしてしまうかもしれません。しかし、少し高い位置からぼくを見下ろすレゴラスの目は蒼く透き通っていて、少しも邪気がないように見えました。魔女の噂は、やはり噂に過ぎなかったようです。
「あの……レゴラスさん、あなたにはこの暗闇の向こうが見えるのですか?」
ぼくが尋ねると、レゴラスは「もちろん!」と笑顔を見せます。
「たくさんのオークが見えるよ。みな、鼻息を荒くして、手に持った槍を打ち鳴らしながら、こちらに向かってきている。もう少し明るくなくちゃ弓は当たらないかもしれないけどね」
敵が向かってきている――その深刻さを少しも窺わせない口調で言ったレゴラスは、ぼくの顔を覗き込むと「君は怖いかい?」と尋ねてきました。
「怖くなどありません。ぼくはローハンの兵士ですから」
精一杯の強がりでした。レゴラスは笑顔のまま前方を見つめて言いました。
「クーロス、君はとても強いね」
「あなたは戦うことが怖いのですか?」
少し攻めるような口調になってしまったかもしれません。レゴラスは金髪を夜風になびかせながら、小首を傾げました。
「そうだね。僕はきっと怖いのだと思うよ」
「でも、あなたは死なない。エルフだから」
ぼくの言葉に、レゴラスは困ったような表情をします。
「確かに、ぼくはエルフだから人間のように死んだりはしないよ。だけど怖いというのは、そういう意味じゃない」
ぼくは解からなくなりました。
死を恐れないエルフが、何を恐れるのでしょう。
レゴラスはしばらく細めた目で暗闇を凝視していましたが、やがてぼくの顔を見つめ、穏やかに微笑みました。
「教えてクーロス、君は何のために戦うの?」
「それは国のためです」
「他には?」
「あとは名誉と、誇りと、そして家族のためです」
「家族! 家族がいるんだね!」
「はい。母と妹が二人。父が死んでしまったので、家族を守るのはぼくの役目です」
そう言うと、レゴラスは腕を伸ばし、ぼくの肩を優しく撫でました。
「僕もね、君と同じように守らなくちゃいけない人がいるんだ」
「あなたも家族のためですか?」
レゴラスは「違うよ」と笑って首を振ります。
「僕が守らなくちゃいけない人は、いつか君たち人間の王になる人だよ。とても誇り高くて、賢くて、勇気があって、優しい人なんだ」
まるで歌うように言ったレゴラスは、自分の手をそっと胸に当てました。何かを祈るように伏せられた目がとても美しくて、ぼくは思わず見とれてしまいました。きっとその人はレゴラスにとって掛け替えのない人なのだろうと思います。
「クーロス、僕が恐れるのは戦いによってその人が傷付くことなんだ。だから、彼を傷付けようとするすべての者から彼を守るために、僕は強く有らなくてはいけないんだよ」
ぼくは、自分の心臓がきゅっと締め付けられるのを感じました。強くならなければ――そう話すレゴラスは立派な男の人だけれど、ぼくの目にはとてもはかなげに見えたからです。ぼくは勇気を振り絞って、レゴラスに言いました。
「レゴラス、約束をしましょう。互いに、愛すべき者を守り抜くことを。そのために、強くなることを」
「それは素敵だねクーロス! ぼくは闇の森に誓ってこの戦いを彼とともに生き抜くことを誓うよ」
「ぼくは、家族を守ることを誓います」
ぼくたちは、もう一度固い握手を交わしました。
二人だけの約束です。
ぼくはもう、腰に下げた剣の重さを感じることはなくなっていました。微笑むレゴラスからは、風に乗って深い森の匂いがしました。


夜空が広がっています。
ぼくの周囲では、剣と剣がぶつかり合う激しい音がしています。時折、耳を塞ぎたくなるような叫び声や、オークたちの悲鳴も響き渡ります。壁に凭れたぼくのすぐ横では、ついさっきまで勇ましく剣を振るっていた兵士がひとり、うつ伏せで倒れています。もう、息はしていません。オークの放った矢が、心臓に突き刺さったのです。
ぼくは動くことができません。
なぜなら、オークの剣がぼくの腹を貫き、背後の壁へと突き刺さっているからです。痛みは、とっくに消え去りました。溢れ出す血の感触も、もう分かりません。息が苦しいのかどうかも、忘れてしまいました。
これが戦いなのです。
父のように、ぼくはもうすぐ死ぬでしょう。
悔しいとは思いませんが、ただ、母さんや妹たちのことが心配でした。ぼくが死んでしまえば、彼女達を守る人がいなくなってしまうからです。
ぼくは震える息を吐き出します。
もう少しだけぼくに力があれば、もう少しだけぼくに勇気があれば、この戦いを生き抜くことができたのかもしれません。自分の無力さに、涙が溢れてきます。目の前が霞み、夜空も見えなくなりました。
「クーロス!」
そのとき、ぼくの名を誰かが呼びました。
ぼくは一生懸命瞬きをして、その声の方角を見つめます。すると、壁の上からひらりと誰かが降りてきました。金色の髪が揺れ、手に持った長い弓が美しい弧を描いています。
「……レゴラス」
ぼくの声は届いたでしょうか。
喉から溢れ出した血が、唇から滴り落ちました。
レゴラスはすぐにぼくの側へ駆け寄ると、涙に濡れたぼくの顔を両手で包み込みました。
「クーロス、クロバレスの息子よ」
ぼくは小さく頷きました。それが、精一杯でした。
「素晴らしき少年兵。共に戦えることを僕は誇りに思う」
その声は、レゴラスの唇からではなく、頭の中に直接響いてきました。ぼくは分からないまま、彼に伝わることを祈って同じように頭の中で喋りました。
「レゴラス、あなたの大切な人は無事ですか?」
「もちろんだとも! 君の家族もきっと無事だ。僕達の勝利は間近に違いない」
「あなたとの約束を守れそうにありません。ぼくは、もうすぐ死ぬのです」
そう言うと、レゴラスはまるで幼い子供のように顔を歪めました。
「僕はもうこれ以上誰かが死んでしまうのは嫌だ。みんな僕を置いて死んでしまう」
夜空を映してもなお蒼く輝く瞳に一筋の涙が流れ落ちるのを、ぼくはひどく切ない気持ちで見つめました。この悲しみに満ちたエルフを、ぼくは大丈夫だと言って抱き締めてあげたくなりました。
でも残念ながら、ぼくの両手はもうぴくりとも動いてくれません。
「それでもあなたは……愛する人のために戦い抜くのでしょう。いつかその思いが報われることを、ぼくは祈ってます」
レゴラスが長い腕を伸ばし、ぼくの躰を強く抱き締めました。鼻先を擽る金色の髪からは、やはり懐かしい新緑の香りがしました。その匂いが、幼い頃父さんと一緒に歩いた森の小道を思い出させてくれました。父さんの大きな暖かい手が、ぼくを待っていてくれるように感じました。
死ぬことは怖くありません。
ただ、大切な人を置いていくことが心残りなのです。
いつかこの美しいエルフをこの世に残し死んでいくその人も、ぼくと同じ気持ちで最期を迎えるのでしょうか。そのとき、レゴラスはまたこうして涙を流すのでしょうか。
ぼくは目を閉じました。
そして祈りました。
このローハンの地に待ち侘びた春が訪れ、家族を暖かく迎え入れてくれることを。そしてレゴラスが、二度と哀しい涙を流さないことを。

「さよなら、僕の戦友よ……」

慈悲深いレゴラスの声が、ぼくを優しく包み込みます。
ぼくの最初で最後の戦いは――こうして終わりを告げました。

2004年04月14日(水)
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