ある音楽馬鹿の徒然カキコ♪...みゅう太

 

 

川の流れのように - 2004年07月27日(火)




ある方の日記で
「出会いとタイミング」という
簡潔ながら大変含蓄に富んだ文章を読んだ。
(すみません、リンクを貼るやり方がわからなくて・・・)


本当に「誰と」「何と」出会うかで人生の大半が決まっていくような気がする。


実際私の今までを振り返れば、そうだとしか言いようがない。


では違った「出会い」があれば違った人生になるのか?
よくそんなことを考えたりもした。


そして人生に「たら」「れば」はないのだ、なんて結論めいたものをだしてみたり。

いや本当のとこ、そうだと実感することが多いけどね。



ただ最近思うのは「出会い」って
自分の意思でなくて(そりゃ当たり前だが)
なにか大きな、人間の意識じゃとらえられないくらいの大きな流れ(宇宙的な?)によって出会うべきものは出会ってしまう、ということを思う。


今までホントに出会うべく人、出会うべく音楽や本に出会ってきた。



そうして私もマイハニーと出会ったわけです。



…いやいや、これが言いたいがために書いたわけじゃないですよ(笑)。



でも彼女との出会いもきっかけはネット上という、
自分の「恋愛」の常識から考えたら、全然思いもしないところだった。
…出会い系サイトでは決してないですけど。
お互いの友人、親戚のHP上でした。



それから「タイミング」。


私も他の方のBBSに書いたことがあるが
「すべてに時がある。」ということ。
これは聖書の言葉。



若い人には(自分だって若い頃には)
そんなこと言われたって「なに言ってんだよ〜。人生は自分でしか切り開きようがないんだよ。」と言われるだろう。


でもそれがそうでもない。



「時」は必ず来るのだ。不思議だが。


いささか話が宗教っぽくなってきたが、
でも歳をとればとるほど、それまでがそうであったと思いませんか?
もちろん色々苦労した上でだけど、
いつも収まるところに収まってる。



「人事を尽くし天命を待つ」というか
もちろんすべて努力した上でのことだけど。


その上で自分を自然の流れに委ねる。

自分を自然のままに委ねる、ってのは
考えてみれば究極の決心だ。


そうすればきっと岸に着ける ・・・ と思う。



あーー、とりとめのない文章になってしまった。
グルグルと色んなことを考えてしまいましたが、
皆さんにとってはどうなんでしょうね?








...

またまた素敵な才能が - 2004年07月22日(木)



私は新しい未知の音楽や才能に出会うのが好きだ。


このことは折に触れて書いてきたと思うが
昨日もまた嬉しい、素晴らしい才能を聴けた。


田村響(ひびき)という18歳の男性ピアニスト。

日本もピアノ、ヴァイオリン、チェロでもここ数年
女性からはすごい人がでてくるが
どうも男はダメだなあ…というのがちょっと寂しかったのだが
この田村くん、すごくよい、と言う以上にとてつもない才能の持ち主だ。


外見は市原隼人くんみたいにモサッとしてて
小柄だがなんとなくマッチョな感じ。



お辞儀もなんだかぎこちないし、
座ってからもナカナカ音を出さない。

手を置こうとしてはまた引っ込める。


大丈夫かな?と心配するうちリストの「悲しみ」(3つの演奏会用練習曲から)
を弾き始めた。


もう最初の20秒ほど聴いただけで疑いようのない才能がここにいる、
ということは明らかだった。


ピアノを弾いている、という次元を大きく超えて
はばたくイマジネーション、得も知れぬ音色…

もうここにいる少年がはっきりと“音”ではなくて豊かな“音楽”を見据えて弾いているのは手にとるようにわかる。

ほとんど「詩的」といっていいくらい。
私もその音楽に耳を傾けるうち、どんどん別世界へと気持ちが誘われていった。



この日、最高の出来だったのは後半のリスト「ソナタ・ロ短調」。
彼の能力がガップリ四ツに組める音楽(本当に巨大で特異な音楽だ。この曲は!)
と出会って自由にふるまっていた。


ただ少し気になったのは、前半のリストとプロコフィエフの「戦争ソナタ」で
彼がこの自分のありあまる能力にブレーキをかけたがる、というか
控えめに、抑制をきかせて、という以上にブレーキをかける。

静かな、重く、暗い部分へと傾斜しのめりこむクセがあるのか
音楽全体はとっても安定感があって(なにしろどんな難しいパッセージでもラクラク、という感じだ。)健康的で、10代とは思えないくらいしっかりとした知的な構成感を示してくれるのだけど、
聴き終わったあと、どうも開放感がなく重い感じが残る。

それに彼が結構重めでしっかりとした、
そしてしっとりとしたタッチを基本にもっているので
それがその印象をさらに助長する。



プロコフィエフの「戦争ソナタ」など
去年聴いた、園田高弘先生の爆演!?
75歳の老巨匠が私たちに「この曲はまさしくモダニズムの旗手の音楽だったのだ!」と
思い出させてくれた強烈な演奏に比べると
こんなに穏やかな落ち着いた曲だったか? 
というくらいだった。



でも後半のリストのソナタはそうではなかった。
彼の全能力、思いのたけがすべて、
天使と悪魔、優しさから猛々しい情熱まで忙しく駆け巡るこの超大曲と一緒になって燃焼し尽した、
という手ごたえ。

華々しい技巧と音楽のどっしりとした安定感がしっかりと手を握り合ったリスト。
昔聴いたゲルバーの名演を思い出した。



アンコールのゴドフスキー「こうもり・パラフレーズ」。
この名人芸の披露という他何者でもない曲が
そのふんだんなショー的技巧を超えて素晴らしくあたたかい歌に満ちていたし
お客さんは沸きに沸いていました。



とまあ、職業柄、長所・短所色々必要以上に考え込んでしまうのが
私の悪いクセなのですが
若い時からこんなに才能に恵まれた音楽家(特に男性は)に出会うのは
私には本当に嬉しい出来事なのだ♪








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