「大河」の音楽 - 2004年01月13日(火) いよいよ始まりましたね、『新撰組』。 面白かった〜。 役者も三谷組っていうか、 最近の三谷さんの舞台、映画、ドラマに出演している人が総出演って感じで それも適材適所。 いいですねー。 で、ドラマについてはともかく(色んなところでたくさん話されているでしょうし) 音楽馬鹿としては、「おっ!」と引きつけられたのは 何を隠そう、そのオープニングテーマ。 NHK大河のテーマ音楽というと その時その時の一級の作曲家の方々が腕によりをかけて とっても聴き応えのある曲を書いてくれるのですごく楽しい。 そりゃ1年間、聴かれ続けるワケですからね。 ちなみに私は「NHK大河ドラマ集」というCDを持っているが、 武満徹さんも書いてるし、湯浅譲二さん、間宮芳雄さん、池辺晋一郎さん あの山本直純さんetc錚々足るもの。 去年の『武蔵』はモリコーネの音楽ということで 話題をよんでたけど、どうだったんだろう? そしてその演奏はいつもN響で、 またその時の旬の指揮者が選ばれる。 業界の内輪話で恐縮だが、これに起用されるための争いは激しい。 マネージャーもNHKにすりすり状態。 若い指揮者などはなかなか選ばれない。 一昨年だったか音楽監督のデュトワが指揮した音楽なんかは すごく新鮮だった。 …で『新撰組』。 音楽は三谷さんといえばこの人、 服部隆之さんが書いているのだが まず今までの大河とはちょっと違う透明で歯切れのいいリズム、 軽快な感じがすごく耳を引いた。 これは曲の話でなくて、演奏の話。 大河の音楽というと重々しくずっしりしていることが多かったので (たとえテンポの速い曲でも) かなり興味をひかれ、「誰が指揮しているんだろう?」と思ったら 広上淳一さんだった。 いや〜、「今までにない大河」と銘打った『新撰組』にはふさわしい起用だな、 と思った。 私は広上さんが大好き。 彼は性格上少しキャリアの上では損をしているように思うが、 その才能はずば抜けていて、私に言わせれば日本人では小澤さん以来の大器。 去年のN響定期公演で振ったマーラー「大地の歌」なんか、本当に素晴らしかった。 彼の指揮するN響のこのテーマ曲を聴いただけで 私は「『新撰組』、成功するな。」と確信してしまった次第でありました。 ... 重い現実 - 2004年01月09日(金) 今日は気分が重い。 なぜか?といえば理由ははっきりしている。 昨日の「白い巨塔」のせいだ。 原作も昔から何度も読んでいて、話の展開はよく知ってるし、 前作のドラマも見ているんだけど それでも昨日の話は、もう息が詰まり胸がつまってしまった。 患者が教授の勝手な思い込みで病状が悪化し、 特診患者でなく、さらに教授の海外での特別講演・手術のため 家族の再三の要求にも関わらず直接診てもらえず、 さらに担当医は「これは教授の見解違いなのでは?」という疑念をもちながらも 封建的な空気のために、自分の方針で治療ができず 自分の意見も教授にきいてもらえず それではダメだ、とわかっていながら教授の治療方針に従い、 なすすべもなく患者は死ぬべくして、死ぬ。 これだけでも、何度見てもやりきれないのに 昨日のスペシャルでは原作にない アウシュヴィッツを財前が見学する部分があり、 改めてユダヤ人たちがここでどのように死んでいったか、 そこにはどんなに信じられないような人間の狂気があったか、 テレビとはいえ、直面して震亥させられた。 あまりの重さに私なぞには言葉にする能力も勇気もない。 でも、忘れちゃいけない。 祈らなくては。 ...
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