駆け出しネット古書店日記

また古本ものを読んでしまった。「駆け出しネット古書店日記」は,ライターだった筆者がインターネット上に古本を扱うショップを開店する話。DreamWeaverとかcgiで四苦八苦する場面が何度もでてきて,「オレにやらせろ」とか思いました。古本商売を始めると決めてから車の免許を取りにいっているのに感心したり。古本屋ってなんか楽しそうなんだよね。この中にも「新刊書店よりも古本屋の方が自由でいい」と書いてあって,なるほどと思った。
2004年03月07日(日)

山本弘のトワイライトTV

「山本弘の」の部分はタイトルの一部だろうか?
私の愛する「映画秘宝」に連載されていたので,全て読んでいると思うのだけど,加筆されているというのと,内容をまるっきり忘れているのでまた買ってみた。過去に放映されていたたTVシリーズの思い入れ/ウンチク/思い出話です。セレクションが山本弘らしく,基本的にはSF的設定でなおかつ忘れられているマイナーなものが中心。山本弘の書いたものはいつもそうだけど,対象に愛があるよね。NHKの「少年ドラマシリーズ」に対しては「SFマインドが無い」ということで冷やか。なるほど。
2004年03月04日(木)

ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝

長い題名。「ルージュ・ノワール 赤・黒 池袋ウエストゲートパーク外伝」は,ご存知IWGPの外伝である。外伝なので,マコっちゃんは出ていないが,その代わりにヤクザのサル君がでずっぱり。本家IWGPが青春モノと言えるノリだけど,こっちはノワールかな。でもこの作者は基本的に登場人物にやさしいので,ドロドロの話にはならないのであった。

冴えない二流の映像作家がアンダーグラウンドのカジノにはまり→借金まみれになり→犯罪の片棒をかつがされ→その計画が破綻して→ヤクザに追われることになる。と書くと馳星周みたいだけど,そこからがIWGPって感じですね。ヤクザの若造がマックを使ってピンクちらしを作っているシーンには笑った。
2004年02月24日(火)

苦い祝祭

チャイナタウンの女性探偵リディア・チンのシリーズ。もう何冊目だろう。一冊ごとに相棒のアイルランド人探偵ビル・スミスと主人公が入れ代わるという趣向なんだけど,今回はリディア・チン(萌え〜)の番です。どっちも面白いのだけど,リディアがメインの花時期ほうが馴染みやすいのは,やはり中国文化の方が身近に感じられるからかな。中国の母親全開(って知らないけど)リディアのおかあさんがいい味を出しています。

今回は飲茶レストランを舞台に,組合運動にかかわった中国人4人が姿を消す。組合員の相談を受けていた弁護士の頼みでリディアは捜査に乗り出すんだけど,中国人労働者→不法入国者という現実問題がうまく溶け込んでいますなあ。ちょっと薄いのが難点。
2004年02月20日(金)

仕事の作り方

「仕事の作り方」をテーマにしたインタビュー集。テーマが独創的なので,もうそれだけで面白いのであるのである。筆者がデザイン関連の仕事をしているため,インタビューの相手はデザイナーが多いが,中には水口哲也(セガのゲームデザイナー)なんてのも出てくる。ちょっと文章が読みにくい気がするけれど,自分の仕事は自分で作るという視点は興味深いですね。
2004年02月15日(日)

新刊!古本文庫

古本を集める趣味は無いのだけど,なんとなく古書関連の本は買ってしまうんだよなあ。これは日本の文庫にしぼって,珍しい本,変わった本を紹介しています。しかし,つい最近みたような文庫まで絶版になっいてる。うーむ。
2004年01月28日(水)

あなたの人生の物語

テッド・チャンの短編集。テッド・チャンというのはアメリカのSF作家だけど,この一冊に収められているのが,これまで発表した全作品らしい。表題作は,かなり話題になった一作らしいのだけど,最初読んだときはまったく意味が分からず。ボケたか?>オレ 2つの話が並行して進み,1つはエイリアンと初遭遇した言語学者が,まったく異質な知性を持つ彼らの言葉を学んでいくプロセスを描き,もう1つの話はこの言語学者のプライベートな話が進んでいく。この2つのリンクがぜんぜん理解できなかったんだよなあ。あとで読み直してようやく理解しました。

短編の水準はかなり高いです。グレッグ・イーガンと比較されることが多いようだけど,確かに似ているかも。
2004年01月18日(日)

運命の息子 上・下

ジェフリー・アーチャー久々の新作。いやもうアーチャー節爆発ですなー。読み始めたら,もう止まらない。通勤中に読んでいたのが我慢できなくなって土曜の夜にはベッドに持ち込み上巻読破。それでも止まらずに朝までかかって下巻も読んでしまった。冷静に考えると「アーチャーのいつものパターン」なんだけど,とにかくこの面白さはなんでしょう。

開始早々の十数ページで十数年経ってしまう話の早さもアーチャー風だよなあ。ある日生まれた平凡な双子の男の子が主人公です。同じ晩大金持ちの子供が生まれ,その子が死んでしまったことから話はもう急展開。ものすごーくイヤなやつがライバルで出てくるしなあ。しばらく刑務所にブチこまれていたアーチャーですが(そっちの話も「獄中記」という本になってます。商売人),腕は衰えてませんなー。
2003年12月14日(日)

ボストン、沈黙の街

んーと,真っ向勝負の海外ミステリですなあ。リディア・チンのシリーズとかフロスト警部の作品なんかをちょっと思い出すが,解決にいたるプロットが一番ミステリーっぽいっていうか,ちゃんとサプライズエンディングになってます。

主人公はメイン州の田舎の若き警察署長。湖のロッジでボストンの検事の死体を発見するところから話ははじまります。都会のボストンにでかけていって馬鹿にされながら捜査するわけなんだけど,登場するキャラがいやってほど人物描写されるのが海外ミステリ風だよねとか思う。
2003年12月10日(水)

泣き虫

サッカージャーナリスト金子達仁(我が家ではポルシェおじさんと呼ばれている)による,格闘家高田延彦の格闘人生を描いたノンフィクション。野球少年だった高田延彦が,新日本プロレス→UWF→新生UWF→Uインター→PRIDEとプロレス/格闘技団体を移ってきた過程がリアルに描かれている。特に前田日明や引退試合の相手となった田村潔司との因縁浅からぬ関係についても明確に高田本人の口から語られている。

そして,この本には今までのどんな格闘本,プロレス本にも書かれてなかった衝撃の事実が高田の口から語られている。それは「リアルファイトのプロレス」として格闘技マニアから熱狂的な支持を受けていたU系の団体でも,試合は"全てプロレスだった"(つまり勝敗は決まっていた)ということである。これはU神話,高田神話,ひいては「レスラー最強神話」の崩壊にもつながる爆弾発言である。高田はなぜ今このことを公にすることを選んだのか。いやーオレまじ呆然としたよ。
2003年11月26日(水)

ま2の本日記 / ま2