死の蔵書 |
だいぶ前に奥さんが読んでいて「面白かった?」と聞いたら「そうでもない」と言ったので,読まないでいた本。なんか書評を読んだり,評判を聞いたりすると,どうにもこれはオレ向きの本ではないかと思いなおして読んでみた。
いやー面白いではないの。古書業界を舞台にしたミステリで,コアになるミステリ部分にあっと驚くトリックがあるわけではないけれど,伏線の張りかたやミスディレクションがうまいね。最近の海外ミステリに多いタイプだと思う。でもこの小説を面白くしているのはなんといっても古書業界の面白さでしょうね。キングがやたら人気があるのに主人公が不満に思うところとか,安い本の中から「当たり」を探す掘り出し屋のキャラとか,古書店主の面々とか,「場所」と「人」が生き生きとしていますね。だから伏線も効いてくるわけじゃな。
|
2003年03月11日(火)
|
|