想
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稼いできた。
この夏最後にして最大の稼ぎ。
しかし、この稼ぎで浮かれていてはどうしようもないのであって、
僕が本気で頑張らなければならないのはどうやらここからのようなのである。
困ったなぁ。
困ってばかりいても仕方ないのであって。
・・・困ったなぁ・・・。
| 2003年08月30日(土) |
忙しさの功罪、または‘本当’の使い方 |
目先のことに捕らわれて生活するというのは本当に楽なことで、
忙しくしていれば嫌なことを考えなくて済むというのも、本当のこと。
ただし、
忙しくしていると本当に目先のことしか見えないので、
本当に考えなければならないことを考えられなくなるというのも本当。
ほんと困った。
でも稼いだからいい。
今月は許す(自分を)。
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自分のちょっとした仕草が全部想い出に繋がっているのを感じる時は、
ちょっと切ない。
| 2003年08月29日(金) |
みなさんどうもすみません。 |
そうは問屋が卸しませんでした。
これからどうしよう。
ピッキングの代わりに、
ガスバーナーで鍵を焼き切るという手口が流行っているらしい。
NHKの夜のニュースで、キャスターの男性が言っていた。
「‘焼き破り’という手口が・・・」
僕にはこう聞こえた。
「‘マキャベリ’という手口が・・・」
↓
【マキアヴェリ】
イタリアの政治思想家・歴史家。(略)
政治を倫理や宗教から分離して考察、近代政治学の基礎を築く。
著「君主論」「ローマ史論」「フィレンツェ史」など。
(1469〜1527)
『広辞苑 第五版』より
どんな手口。
ちなみに、マキャベリズム=目的のためなら手段を選ばない、という考え方。
それはそれで、意味的には合致している気もするが。
あと10分で、10時だ。
僕はかなり急いでいた。
この辺りでは、多くのファミレスは10時から深夜料金が加算される。
値段が10%高くなれば、税込み650円のつもりが715円になる。
結構な出費だ。できれば無駄な金は使いたくない。
やっと仕事を終えて帰ってきた僕は、まず重い荷物を部屋に置き、
それと引き換えに読みかけの小説を鞄に突っ込んで、靴を履き直した。
ドアを開け、マンションの廊下に出る。
このマンションは、1つの階に10くらいの部屋があり、
それが1列に並んだ造りになっている。
僕が暮らしているのは1階で、端から3番目の部屋だ。
その、廊下の端の方から僕の部屋の前辺りにかけて、
最近、電気が点かなくなってしまっている。
目の前は駐車場になっているが、
ちょうど廊下の端の部分に階段が作られているため、
廊下自体のライトがなければ、本当に真っ暗になってしまう。
ただ暗いだけなら、どうということはないのかもしれない。
だが、この暗い廊下の突き当りには、隣のアパートのドアが見えるのだ。
真っ暗な闇の中に、白く浮き上がる洋風のデザインのドア。
イメージするより、実際ははるかにそれっぽい雰囲気がある。
最近は怖いので、あまりをそちらを見ないようにしながら生活してきた。
が、今日は、自然とそちらに目が行ってしまった。
人がいたのである。
二十歳前後の女の子で、緩やかなラインの白いワンピースを着ている。
階段の方を向いて歩いているので、顔はわからない。
僕の目は、その女の子の後ろ姿に釘付けになってしまった。
動きが静か過ぎる。
買い物らしいビニール袋を提げているので何か音がするはずだが、
その女の子の周りからは、音という音が除かれている気がした。
やばい、と思った。
もしかしたら、これはやばいかもしれない・・・。
僕が見つめていた数秒の間、彼女は階段に向かって音もなく歩いていたが、
突然、その足を止めた。
僕の心臓は、彼女の動きとは正反対に、バクバクと音高くなっている。
今にも、彼女がくるりとこちらを向くのではないかと思った。
無表情か。あるいは、思い出すのも恐ろしいような形相か・・・。
だが、彼女は振り向かなかった。
ただ立ち止まっただけだった。
すると、階段の陰になっているところから、ひとりの男が出てきた。
大学生風の若い男だ。
どうやら、彼女は、その男を待つために立ち止まったようだった。
何だ。
別にただのカップルじゃん。
そう思って、僕はすぐに目的のファミレスに向かった。
階段を上っていった彼らの姿が、
その後本当に掻き消えなかったのかどうかは、
だから僕にはわからない。