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たまには少し読本日記らしい感じで
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大体は単なる日常記録しか書いていないので、たまには看板に偽りない内容でも(今日何もなかったなとか言わないでください(笑))。
ということで、面白かった本の紹介です。
最近読んだ本の中で白眉だったのは「夜鳥」でした。
仏蘭西のポオと呼ばれるルヴェルの短編集です。
日常に潜む狂気、善意と背中合わせの悪意、ごく普通の人々がふとしたきっかけで迎える運命の転機、そういった感じのものがお好きな方にはいいのではないかと思います。
刊行が古いために訳が少々古めかしい言葉で為されているのがまた、雰囲気にあっていていいです。
皮肉な話でありながらもどこか嫌味がない感じですので、とことんまで歪んでいてほしい方には少々不向きかもしれません。
個人的な雑感としては、もっと早く読んでいれば良かったというところにつきます。
訳も、とても好きな雰囲気でした。
この時代の訳文は好みのものが多いです。
ただ、ひとつ気になったことといえば、私は創元推理から出ている文庫版で読んだのですが、とにかく解説が多い! とくに、各話についてそれぞれ割合きちんと解説してしまっているので、あとがき・解説部から読むのはあまりお勧めできないです。
しかしながら本当に面白く読めましたので、この作家さんの短編をもっと読みたいと思ったのですが、ほかに現在手に入る本が無さそうです。
そして、訳者の方がもう亡くなっているのも残念なところ。
久しぶりに「こういう雰囲気の話が書けるようになりたい」と思いました。
- 浅草博徒一代 (佐賀 純一 新潮文庫)
- 信長 あるいは戴冠せるアンドロギュヌス
(宇月原 晴明 新潮文庫)
Bookの更新がえらくとまっています。
まあ基本的には自分のための覚書なのでいいかなとも思うのですが、これ以上溜まると面倒なので、できるだけ早く片付けたいです。
2004年08月09日(月)
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