緑道,檸檬屋大掃除

 西澤緑をめぐる高橋玄監督からのメールに衝撃。

> 芸術とは原則的に「掛け捨て」のもので、「売れたい」という発言自体が矛盾だ。
> まあ、現代国語的な表現としてはアリだけど、彼女の場合、そうではないでしょ?経
> 済的負担を自分で負わずに創作したいわけだよね。それは確かに芸術だ。だから、ス
> ポンサーがいない芸術家は、すべて趣味だとしか言われない。
>
> でも、人にカネを出させたいのなら、自分が裸にならなきゃ無理さ。
> 俺なんか「脱がないでくれ」と懇願する相手に「逃げられると思うか!これが俺様の
> キンタマだー!」と脱いで回っているようなもんだもん。
>
> だから僕は、彼女本人のキャラクターで押し出さなければ出て行けないだろうと言っ
> たんだよね。

> 芸術家ゴッコに思える。
> 無いものねだりに思える。

私も22日の激論の後、ずっと考えていた。「芸術家ごっこだったのか?」と。
緑さんに対してそう問えるのか?
私自身が「芸術家ごっこに付き合うよ」と言えるのか?

その話をする前にどうしても直ぐに聞きたいことがある。緑さんに電話。
「緑さん、私のこと好き?」
「YESかNOかと言ったら、まあ好き」
「まあ好きってどういうことよ!」
「とにかく会って話をしようよ」
で終わり。がっくり。

 檸檬屋谷中から新宿へ荷物を運ぶ、と聞いていたが谷中の大掃除&模様替え。
あまりの汚さに仰天。ソファの後ろも棚の後ろも大量のねずみの糞。
掃除機の紙パックが直ぐにいっぱいになる。
まるごと腐敗したキャベツ2個が棚の奥から出て来て異臭を放つ。
茶色いおが屑のような得体の知れないかたまりに群がって死んでるの黒い虫は何?
一緒にお手伝いしているささきもと子さんが「これ(茶色いおが屑状の塊)は…魚?」
蝿が何匹も飛び交い、吐きそうになる。

 お昼ご飯を食べながら、ささきもと子さんと「芸術家と作品とお金」について話す。
ささきもと子さんは恵比寿でコラージュの個展をやっている作家だが
ギャラリーで販売の経験もあるので、売る立場もわかる人。
「自らの売り込みが上手い作家もいるけれど、
お金のためにやってるんじゃないという人を売るのは難しいよね」。

 振込みのため日暮里駅近くのみずほ銀行を探す。
タクシー運転手に聞くと「右へ行って5分ぐらい」。
「歩きで」とちゃんと確認したのに行けども行けども無い。ついに鶯谷駅まで歩いてしまう。
交番で聞くと、更に500m先にあるとのこと。疲れた。
手数料節約のためみずほ銀行を探したのに、電車で日暮里駅まで戻る。

 掃除の続き。まだしっちゃかめっちゃかだが谷中店は今日も営業。
谷中店の店長聖子ちゃんが来たので、私たちは新宿へ。
伊勢丹で買出しをして、オープン前夜の宴。素敵な店になりそう。住枝さんも嬉しそう。
2002年04月24日(水)

緑道,BASEBALL CAFE,檸檬屋

 昨日の激論は時間切れになってしまったので、
「アマチュアだ」と言う緑さんに対して、
プロの芸術家を応援していたつもりの私はどうするのかをメール。

「緑さん、大好きだからね」と電話。「わかりました」と言われる。
「私も真理ちゃん好き」でもなく「ありがとう」でも「嬉しい」でもない。落ち込む。
別れた男に対して抱いたがっかり感と似ている。

高橋玄監督に送った報告メールへの返信。

> アマチュアだと言い切る人は、俺とはべつに関係ない世界の人。
> 俺は、金銭のことだけでなく「プロ」意識で生きている人間だけに興味があるんだね。

> 俺は相当がっかりしたね。

かなり強烈だが緑さんが望むとおり転送。

私からは
「緑さんは『アーティストヴィザ』を取ってるわけだし、
美術を人に指導して報酬を得ているのだから、その意味ではやっぱりプロだよ。
サーチ&サーチもアマチュアに発表の場を与えているわけではないと思う。

『アートで食べていない』=『プロとはいえない』
という意味なのかもしれませんが、
玄さんの言っているのは「心意気」、プロ「意識」の問題です。」
という言葉を添える。

 辞めた会社で派遣社員をしていたウェブデザイナーのS君が、カナダ留学のために
会社を去ることになり、会社のHPを一緒に制作していた縁で送別会に呼ばれる。

東京ドームシティの「ベースボール・カフェ」。
ここはメジャーリーグのテーマレストランで、演出もいろいろある。
従業員とお客さんが一斉に踊り出したりする。

11年いた会社で大きな会社でもないのに、初めて一緒に飲む人もいた。

「桜井さん今何してるんですか」と聞かれて「飲み屋のネエチャンになるの」
と言って檸檬屋新宿の宣伝をする。
「どんな店?」と聞かれると困る。「俺様の店」かな?

 終わってから打ち合わせに来い、と言われていた檸檬屋へ。
水道橋から日暮里のはずが気がついたら渋谷。引き返して24:00過ぎに到着。

「明日は10:00に来いや」で打ち合わせは終了。終電が無くなって檸檬屋宿泊。
何をやってんだ。
2002年04月23日(火)

ギャラリー・サーチ&サーチ,小林伸一郎写真展『廃墟漂流』,ふーみん,激論

 静岡の最高に美味しい魚の店「たがた」のご主人である田片さんと西澤緑展。
田片さんは「芸術ってよくわからないなあ」と言いながら、
国や田片さんの人生・家族・ビジネスなどについていろいろな話しをしてくれる。

緑さんと昨年静岡に旅行した時は2晩続けてたがたで飲んだ。
たがたの新橋進出の計画も順調らしく、楽しみ。

緑さんと田片さんと青山ブックセンター本店で開催中の小林伸一郎写真展『廃墟漂流』。
マガジンハウス本社で同展を見たときより点数も多く、
写真だけではなくDVDや、廃墟に転がっていたものも展示されていた。

3人で中華料理のふーみん。あまり美味しくないのは油のせいだろうか?

田片さんを表参道駅に送って、緑さんは帰りたそうだったが原宿駅前で車を停めて話す。

日記について、高橋玄監督のメールについて、
西澤緑はプロの芸術家なのか、アマチュアなのか、
作品を売ること、芸術家としての名声を得ること、チャンスとは、
言い方が大事か言ってる内容か、人間にある「芯」と「殻」についてなどなど。
「いや、ちがう」「待って、聞いて」と車が揺れるほどの大声で2時間ほど激論。

途中少し泣く。「どうして泣くの?情緒不安定なんじゃない?」と緑さんに言われる。
今に始まったことではない。私は緑さんの前でもよく泣く。
緑さんの涙を見たことは、多分無い。

24時過ぎで打ち切り。まだ話しは終わっていないし、これから変わるかもしれないのだが、
とりあえず本人が「アマチュアだ」というので、私も認識を改めることにする。しょんぼり。

しかし、大好きな大切な人で、熱血応援することに変わりはない。
「プロとしていかに成功するか」から「いかに楽しく遊ぶか」に考え方を変えるだけ。
緑さんとは気持ちを切換えて、また話したい。
2002年04月22日(月)

緑道,(た)ちゃんの場合

 西澤緑個展PRについて相談した、大学ゼミの先輩Nさんが紹介してくくれた
「テレビ美術館」を見る。日曜5:30と聞いていたが、夕方ではなく朝だった。
目覚ましをかけて起きる。

前回は偶然、寝る前に見た。
青山の「岡本太郎記念館」を岡本敏子さんが紹介していて、すごく面白かった。
今回は岡本太郎の後編。
ロンドンにいる緑さんに岡本太郎の本「自分の中に毒を持て」を送ったことを思い出す。
こういう番組で緑さんを紹介してもらえたらいい。

 アーティスト西澤緑をめぐって、高橋玄監督とメール数往復。

> 僕も緑ちゃんは誰の助言も聞かないと思うよ。
>
> それは彼女がアマチュアだから。

なんて書かれても、今度は泣かない。
パーティーでの名刺の渡し方、人の紹介の仕方等にも言及されてて気がつくこといろいろ。

緑さんに電話。「真理ちゃんは他にやるべきことがあるんじゃないの?」と言われる。
「それもやる。やってる。今は緑さんの話をしているんだから話をそらさないで」と言う。

そんなこと言ったら玄さんこそ、何でそこまで言ってくれるんだ?
そこまでしてくれるのを見て
「緑さんのことだから、私は他で忙しいから」なんてあり得ない。

緑さんが希望したので許可を得て玄さんのメールを転送。

 (た)ちゃんの作っている服に興味を持ちそうな人に
(た)ちゃんのHPを紹介していいかと聞いたら「いや」と言われる。

彼女の場合「一般人は相手にしない」
「これまでクタクタになって、これ以上傷つきたくない」
と言って、閉じた世界で物を作り発信している。
でも実は野心旺盛で貪欲、それを隠してはいない。
だから「いや」なら「あっそう」で終わり。

 緑さんの場合は?などと考えてテープ起こし作業は進まず、
これじゃまた緑さんが「真理ちゃん大丈夫?」と心配する。
2002年04月21日(日)

檸檬屋新宿,アカシア,ささきもと子「My A to Z」展,ギャラリー・サーチ&サーチ

 住枝さんと、内装工事中の檸檬屋新宿を見に行く。素敵!
窓枠やカウンターの木の色とスリガラスが可愛い。壁も天井も和紙を使うらしい。
いい店になりそう。
屋上にも行ってみる。ハーブの鉢が2個。これから増やすとのこと。

2Fのトルコ料理「ボスボラスハサン」は何回も行ったことがある。その上の階とは驚き。
檸檬屋谷中本店のビルも地階はトルコ料理屋。またまたベリーダンスと対決か?

近所のリサイクルショップに住枝さんと行く。
お店にどういうものを置くかなど考えるのは楽しい。
「きれいな店にしましょうね」と話す。

 住枝さんが学生時代によく食べたという「アカシア」のロールキャベツをご馳走になる。
私がビールを頼んでも住枝さんは飲む気がしないという。人って変わるのね。

「私のお給料ってどのくらいになるのでしょうか?」と聞くと
「どのくらいがいい?わからんなあ、やってみないと」。やってみましょう。

 檸檬屋のお客さんで、新宿店の看板をデザインしたささきもと子さんが
恵比寿3丁目の「ag cafe」でやっている展示「My A to Z」を見に行く。
女の子らしい可愛いコラージュ作品。カフェの雰囲気にもぴったりだった。

 ささきもと子さんと一緒にギャラリー・サーチ&サーチ。
会期中最後の土曜日ってことで大勢の人が来ている。大学のゼミ仲間須佐美君も来る。

高橋玄監督はたくさんのワインと新宿中村屋のカレーパンを持って来てくれ、
みんなで頂く。
緑さんに渡すチタン包丁を玄さんに見せたら
「チタンだと人を刺して骨に当たっても刃が折れないんでしょう?」。どうなんだろう?

玄さんが監督した「突破者太陽傳」にも出ていた女優Sさんが来る。
胸が大きく開いた前身ごろが豹柄で袖と背中がシースルーのトップに、
黒の革パンツでカッコイイ。抜群のプロポーションで胸元に目が釘付けになる。

緑さんが発した「へんなもの」という言葉にSさんがひっかかり、
「『へん』ってどういうことよ」、緑さんがこれこれこうと説明、とか
ちょっとハラハラする場面がいくつかあり、緊張感があって面白かった。

KMさんがカンパリソーダを作ってくれる。

須佐美君に車で送ってもらって帰る。この時期のオープンカーは、気持ちいい。
2002年04月20日(土)

デッキ故障

 CDコンポの位置と操作の関係上、玄関脇の靴箱の上にPCを置いて、
立ってテープ起こしの作業を始める。
暫くすると、88年に買ったケンウッドのカセットデッキが壊れて
テープが回らず、取り出せない状態になった。

最近テープを聞くことはほとんどなかったし、ろくに掃除もしていなかった。
ケンウッドに電話すると修理受付は池袋にあるが、1週間ほどかかるという。
実家のラジカセを借りようかと電話すると「買えば?」と言われる。

幸い同じ内容のテープがもう一本あるので、作業はそちらを使えば良い。
ビックカメラに行ってテープレコーダを買う。奮発して音の良い物を選ぶ。

 というわけで、予期せぬ支出と時間を取られてしまったので
大学時代の同級生I君と参加する予定だった「夜の陶芸教室」を急遽キャンセル。

24時過ぎに「面白かったよ。毎月やってるから来月行こう」とI君から電話。
来月は久し振りに関西突破塾もあるし、お金が入用だ。
2002年04月19日(金)

激論は続く,ばななになる?

 昨日のMのメールに返信。
「緑さんが感じて、考えて、私たちと対話するわけでしょう?
(略)私なりにMなりに感じる部分を話すでしょう。その一環で、最後通告ではないよ。」

「そんなこと(=私がいいと思ったことを緑さんもいいと思うにちがいない=『緑さんは私』)、
思ってないよ!めちゃくちゃ抵抗されるだろうと思ってるよ。」

「私も押し付けはいけないと思う。というかそんなことできないよ。
緑さんだって拒絶するでしょう。
私がしたのは『投げかけ』ですから、受けるも受けないも緑さん次第。
受けようと拒絶しようと私の愛は変わりません。」

「そんな(非常にいやな感じを受ける)言葉の使い方しか出来なくてすみません。
Mの感じたように聞こえてしまう言葉だろうから、
私も言葉にするのに非常に躊躇したし、怖かった。

でもじゃあ、なんて言えばよかったのか?と考えると、
やはり『このままだよ』としか言えない。
先ほど否定したとおり最後通告ではないから、
投げかけとしてはふさわしい言葉だったと思う。
不快な思いをさせてごめんなさい。(って政治家の釈明答弁のようだが)」

「みんなが優しく見守る中、私はぐだぐだ因縁つける不良友人ってことで
緑さんの人生に関わっていきたいです。

緑さんは『わかりました』(『そのとおりにします』ではない)と言っていたし、
そういうことを言われて怒っている?不快?話したくない?と聞いたら
『そんなことないよ、有難いと思うよ』と言っていたので、
私は言って良かったなと思っている次第です。」

 緑さんの個展の売り込みを問い合わせた数社のうち、
大学のゼミの先輩でテレビ局勤務Nさんがとても丁寧なメールをくれた。
やはりテレビ的には本人のキャラクターか作品がプログラムとして成立するか、
「ニュース」的要素が求められるとのこと。
キャラクターも作品も非常に魅力的なんだけど、本人が出たがりではないからなあ。
あくまで作品本位で、となると紹介のチャンスは限られてくる。悩ましい。

例えば、誰か有名人がファンだってことは大きなニュース的要素だ。
吉本ばななと奈良美智とか。緑さんファンの有名人というと…?
じゃあもう、私がなる。ばななになる。

かつて「将来金持ちになって西澤緑美術館を作る」と宣言して、
金は無いけど、WEB上だけど、実現した。
だから、奈良美智のばなな作戦も実現する。緑道は棘の道、頑張るぞ。

 なんてことを朝までやってて、テープ起こしはちっとも進まない。 
2002年04月18日(木)

抱茎亭日乗 / エムサク

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