無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年07月06日(金) ニュースな一日/DVD『遊撃戦』第一話ほか

 福岡はまたまた大雨。
 大雨洪水警報が福岡全域に出されて、大牟田あたりでは床上浸水も出たそうだ。ここまで梅雨らしい梅雨も珍しいな。これで今年の夏、「水不足」なんてことがあったら、行政の不手際もここに極まれりと言ったところか。

 しばらくニュースをじっくりテレビで見る余裕もなかった。
 おかげで福岡のタクシー強盗がとっつかまった事も知らないでいたのである。
 タクシーの運ちゃんから初めてその話を聞いたが、聞かなきゃ聞かないままで、事件の続報など気にも留めてなかっただろう。
 世間の動きに対する私の関心自体がその程度なのである。

 おかげで小泉首相が今どんなことをしているのか、具体的なことはよく知らない。もしかして国民全員そうなのかもしれないが。
 京都議定書がどうたらとテレビが流してたのを小耳に挟みはしたが、駄々っ子が寄せ集まったような国相手にオトナな態度で接したって、あまり効果はないんじゃないかと思うんだが。
 もっともこれまでの政治家だったら、アメリカ相手にものを言うことすらしなかったわけで(してたのかもしれないが、そのことすらニュースとしては聞いたことがなかった)、長期的に見れば「アメリカが言うことを聞かない→日本だけでやるしかない」という独立の流れを作ることになるのかもしれないが。

 沖縄でのレイプ事件で地域協定が改正されるかも、という見方が結構現実的になってきたようである。
 犯人はどうせ「俺たちアメリカ人が日本人を守ってやってんだ。だから一発やらせろ」的感覚の持ち主だったんじゃないかと思うんだが、じゃあ、ほかのアメリカ人がマトモかと言うと、犯人引渡しの決定に猛反発してる米人も多いというから、アテにはならないのである。
 佐川一政がアメリカ女殺して食ったとき、日本人は「日本人に裁かせろ」と文句を言ったか?
 アメリカに限らないが、「自分の国だけ治外法権」的な感覚の国は多いと思うんである。で、日本に文句つけてくる国って、たいてい軍隊持って核装備してる国なんだよね。そんな「軍事国家」からいろいろ文句つけられて黙って従ってやる義理はない、と考えてる日本人だって多いんじゃないか。
 結局、あいつらは自分とこの「陣営」に日本を組み入れたいだけってことは明白。アチラの国もコチラの国も、別に日本が「平和」で「戦争放棄」しててほしいと思ってるわけじゃないのだ。その辺の観測なしに民間レベルで安保がど〜の謝罪がど〜のと言ったって説得力ないと思うんだが。

 実際、やたらと日本国内の反感あおってばかりだけど、どうするんだろうね。そんなに日本に戦争をさせたいのか。


 例の乱入殺傷事件の池田小学校、あれからずっとフリースクール形式を取っていたそうである。
 要するに「自由参加」の学校ってことだけど、それはまあ、心に傷を負った子供たちのケアとしては悪い方法ではないと思う。
 でも気になるのは、それ、法的に許可されてない方法じゃなかったのかってことだ。
 私は教育界のことについては全くウトイのでよく知らないのだが、以前にニュースで、全国各地のフリースクールが学校として認められていないと問題視する報道があったように記憶している。
 となると、池田小学校の場合は「特例」ってことなのかね。
 でも、特例であろうがなかろうが、それが子供の教育方法として「適切」という判断を、教育委員会も文科省も認めたってことには違いあるまい。
 だとしたら全国のフリースクールを学校としてなぜ認可しないか。
 つまりは「学校」という「制度」を温存したいだけじゃないのか。
 よく「自由参加形式のフリースクールは社会的集団活動の意義を学ぶ『学校』の範疇には含まれない」と主張するヤカラがいるが、「集団行動」って、そんなに学ばなきゃならんような重要なことなのか。
 関東大震災のときに朝鮮人を虐殺して回ったのも「集団行動」だぞ。あの事件は単にマス・ヒステリーのなせるワザ、と即断するわけにはいかない背景事情がある。
 つまり、「自分たちが朝鮮人を迫害してきた」という事実があり、「だからこの地震にまぎれて朝鮮人が復讐しはじめるだろう」という「論理」に基づいて行動したのだ。被害妄想ではあるが、そういう妄想に陥りやすい状況を日本人自らが作っていたことは紛れもない事実なのだ。
 「学校」なんて制度は妄想を育てるためにあると言ったって構わないところがある。「学校で学ぶ知識は高級で、それ以外は不必要」なんて妄想は明確に差別を生んでいる。
 フリースクールが増えていくとその差別が温存されてることが国民にバレちゃうから認可できないんだよね。
 制度そのものが差別性を持っているのにどうしてそれが許容されねばならんのか。
 いい加減国民も、学校に子供を預けて自分が楽しようと考えるんじゃなくて、社会そのものが子供を引き受けていかなきゃならないんだってことに気づけよ。進学なんて下らんことさせずに働かせろよ。学校が子供に果たせる役割なんて、「人生のほとんどは無駄」ってことを教えてくれる以外にないんだってこと、自分たちだって経験してきたくせにねえ。


 仕事が溜まってるのかもしれないが、何となく後回しにして早めに帰宅。
 劇団のシナリオを書こうとするがフォーマットが変えられていて、どうすればいいのか判らない。
 うーむ、シメキリは明日だと言うのに。
 しげはぐわらぐわらと寝ていて教わるわけにもいかない。
 仕方なく本を読んだり映画を見たり。


 明日が七夕ということで、今日の『クレヨンしんちゃん』は幼稚園のみんなが七夕飾りを作る話。カザマくんが、「ボクだけだぞ、ひまわり組の中で折り鶴を折れるのは」と自信満々に大きな紙で特大の折り鶴を作ろうとするのだが、出来あがったのは、なぜか謎の宇宙人。
 こういう感性がオタク心を揺さぶってくれるのである。
 それはそれとして、今日も明日も雨のようだが、織姫と彦星には気の毒なことである。だいたい初秋の行事である七夕をムリヤリ今の暦に当てはめてしまうから無理が生じるのだ。正月も含めて五節句は旧暦に合わせないと意味がないと思うんだがなあ。


 マンガ、尾田栄一郎『ONE PIECE』19巻。
 今巻はサンジ大活躍の巻だが、もしかしたらこれが最後の見せ場かも(^^)。
 でもこのところどんどんルフィの影が薄くなっていくなあ。いいのか? それで。
 私はもうレギュラーキャラクターには全く魅力を感じず、ひたすら敵キャラのおかしさぶりだけで読み続けているのだが、ボスのクロコダイルが急にキャラクターが卑小化というか小者化していってるのが残念でならない。「ああ、つまり更に上の敵がいるわけね」と、またまた連載引き延ばし工作を始めてるのがミエミエなのである。
 だからいい加減赤毛のシャンクス出せってば。


 マンガ、牛次郎・ビッグ錠『釘師サブやん・伝説の金札勝負!!』
 金札勝負に集まってきた全国のパチプロが、みんなただのヤクザなのが笑える。ま、確かに昔のパチンコ屋にゃ着流しのおっちゃんとか見かけてたような気もするけど。でも坊主がパチプロやってちゃいかんな。「穴破経」って、どんな経だい。
 ビッグ錠はモブシーンを描くのが好きな作家だが、いかにも手塚系という感じで必ずそこにギャグを入れるのである。つまりなんの関係もないセリフ喋ってるやつがいるんだね。「うふんムチでしごいてえん」とか(^_^;)。ベタだけど、そういう細かいところも好きだったのである。


 DVD『遊撃戦』第一話、見る。
 岡本喜八脚本監修のテレビシリーズ、初のDVD化。
 テレビ?
 冗談じゃない! 内容的には立派な喜八「映画」、しかもこれは『独立愚連隊』シリーズを全13話、計11時間に「長編化」したものであって、グレードアップ・バージョンといったほうが相応しい。
 しかもそのストーリーは、昭和19年の日支戦線、瀕死の密偵の伝えた「桂林の油」という謎の言葉の意味を探索するため、中国人に扮して部隊を脱走した七人のサム……あ、いやいや、七人の兵士の冒険行ってんだからこりゃもうエンタテインメントのエッセンスを凝縮したようなもの。
 七人の案内役は大陸浪人のような謎の男、黒鬼子(ヘイクイズ)、演ずるは喜八映画のヒーローと言えばこの人、佐藤允!
 「貴様は何者だ! 脱走兵か!」の詰問にも「大陸を二年もさまよってりゃ、ものも覚えられなくなるんでさあ」とふてぶてしく笑う。けれど、「密偵に名前など要らぬ」のセリフに「そんな美味しい言葉で死んでいったヤツらが浮かばれますかね」と一発かます潔さ。
 いやあ、カッコイイ。『殺人狂時代』の仲代達矢、『肉弾』の寺田農、『江分利満氏の優雅な生活』の小林桂樹、どれもみな岡本監督の分身なのだが、カッコよさという点でいうならなんといっても佐藤允が最高だろう。
 残る6人も曲者揃い。
 爆弾処理の、と言うよりバクダン作りのオタク兵士に堺左千夫。
 死んだ密偵の親友で、ホントは戦う予定ではなかった学者さんに小坂一也。
 九州出身の気のいい巨漢にトランプ殺し屋マブチ、じゃなくて小川安三。
 厳格な鬼軍曹だけれど実はもともと女学校の先生に大木正司。
 一本気な十八歳の若造に今や『無責任艦長タイラー』のミフネ中将、麦人。
 そして沈着冷静に見えて実は大胆過激な「遊撃隊」の隊長に三橋達也。
 え? 名前を知らない人もいるって? 確かに主役を張ったりすることは少ない、バイプレイヤーの方々ばかりだけれど、ただの脇役なんかじゃない、なんと言っても喜八映画を支えてきたヒト癖もフタ癖もある方々ばかりなのですよ。一度見たらもう忘れられませんよ、絶対。
 『七人の侍』『ルパン三世』、そしてもちろん『独立愚連隊』シリーズのカッコよさに痺れたヒトなら必見の作品である。
 ……で、早速CSチャンネルNECOで放送開始だと? ……CS、絶対DVDを放送ソースにしてるよな。


2001年07月05日(木) 疲れてるとかえって饒舌/DVD『アリオン』ほか

 朝方、まだ頭がふらついていたが、がんばって仕事に行く。
 でも自転車に乗る元気がない。
 昼から雨とも聞いていたので、タクシーに乗る。
 案の定、仕事は溜まりに溜まっていたので、やや朦朧とした意識の中、片っ端から片付けて行く。
 でも、夕方になると眼が霞んで、頭の中はユメウツツ。
 で、こういうときに限って会議があったりするのよ。
 会議に出るときゃ私はできるだけ目立たないように自分の意見を手控えるのだが、今日は抑制が利かない。
 と言うより喋ってないと脳が眠るのだ。
 気がついたら一人で30分喋っていた。
 しかも超早口。
 古館伊知郎の喋りを延々30分聞かされてると考えてください。
 会議に出ていたほかの同僚もあきれてたみたいだが、誰も口を挟めない。
 最後に私がヒトコト。
 「……何かご質問は?」
 みんな無言であった。さもありなん。
 でも、これって下らん質問させない一つの手かもな。


 帰宅は8時。
 しげは仕事にもう出かけたらしくすれ違い。
 連日の真夏日で全身にべとべとと汗がまとわりついているので、ともかく風呂に入る。
 ……入ったはいいんだけどね。
 湯船の底に、一つ、二つ、謎の黄色いツブが。
 実は謎でもなんでもない。ヘタに変なものを想像しないように。
 正体はコーンの粒である。
 しげが風呂の中で食ったトウモロコシの粒が、湯船の底にたまっているのだ。
 しかも何日も前に食ったやつが。
 ……一応言ったのよ、食べ物を粗末にするなとも、お湯を入れ替えとけとも。
 でもしげの返事はこう。
 「だって足の裏でコロコロしたら気持ちいいんだもん」
 世界には飢えて苦しんでる人だって何万人もいるというのに。これじゃ、しげが死んで地獄に落ちたとしても誰も助けてやろうとは思わんだろう。蜘蛛の糸一本だって降りちゃこないぞ。
 しげ、いい加減自分が人間としてとてもダメだということに気づいてくれよう(T_T)。


 東京のこうたろうくんからお中元が届く。
 ああ、こんなに毎年、気を使ってくれなくてもいいのに。
 何を贈ってもらったのか、この日記の性格から言えばバラさなきゃならんところだろうが、こうたろう君、恥ずかしがるだろうしなあ。困ったなあ。
 いや、とてもいいものなのですよ。しかも大量(^_^;)。
 劇団のみんなに、ということだろうから、ウチに遊びに来てくれた劇団のみなさまにはお裾分けいたします。つ〜か、今度の練習になんぼか持ってけよ、しげ。
 ああ、それにしても最近疲れ気味でメールも満足にお送りしてないのに申し訳ない。こうたろうくん、日記の上でってのは反則だけど、この場を借りてお礼申し上げます。
 リレー小説も面白かったよ。オチをつけるよしひと嬢がのた打ち回る姿が眼に見えるようだ(^o^)。


 ニュースでも見ようかとつけたテレビでつい『週刊ストーリーランド』を見てしまう(^_^;)。
 うわ〜、本格ミステリーのシリーズも始まってたのね。でも敏腕警部・神宮寺麗子ってネーミング、なんとかならんか。
 トリックのネタばらしは御法度と言いつつ、大笑いさせてもらったので今回は特別に。
 『スカイダイビング殺人事件』。
 キャベツ畑で栽培中の男を殺すために、犯人はまず、女をスカイダイビングに誘ってセスナの機内で殺害し、死体の服に水を染みこませた上で、その死体を抱きかかえてダイブする。
 マイナス10℃の上空で、死体は凍る。地上30メートルまで近づいたところで、犯人は地上の男に向かって、凍った死体を投げつけて殺す。
 できるか、んなもん。
 第一、殺人の凶器を作るために無意味に殺人を犯すってなんなんだ。
 こういうバカトリックが流行っちゃうってのが新本格以後の弊害の一つなんだよなあ。犯人が「事故で納まるはずだったのに! 完全犯罪になると思ってたのに!」って、そう思える心理が既に異常だよ。
 ふしぎな路上販売のおばあさんのシリーズ、今日は『節約するオニギリ』。このオニギリを食べると、体が小さくなるので、ものがすべて節約できる……って、『1/8計画』かい。
 もちろん、人間を縮小化しちゃったら、細胞そのものが小さくなっちゃうわけだから、通常の食料を摂取分解することは不可能になります。したがって飢え死にしますので、みだりにみなさん、小さくならないように(^^)。
 『ストーリーランド』は、どの話取ってみてもほとんどトンデモ話の連続で、ツッコミどころ満載なのだが、今更取り上げるのもなあ、という思いもあるので、あまり日記じゃ触れないようにしていた。
 もし読者の方の中で奇特な『ストラン』ファンの方がいらっしゃいましたら、アツク語り合いませんか?


 マンガ、鬼頭莫宏『なるたる』7巻。
 カバー裏のイメージボードが可愛いっす♪ って、本筋とは関係ないか。
 主役の少女シイナ、今巻から中学生。せいふくキャラになったことで始末の悪いファンがまた増えたことであろう。それは私だ(^^)。
 一般的に物語の主役ってヤツは、読者に感情移入させるために単純明快な性格であることを求められるが、一見素直なシイナもやっぱり今時の中学生らしく、切れやすいお年頃である。
 でもグーはいかんよグーは。主役にはやらせてはいけないことというものがあるのであるが、結構『なるたる』ではシイナ、その辺を逸脱しがちなのだな。
 病んでいるのである。キャラだけでなく、恐らく作者も。
 音楽や遊びについて、「報酬を期待して作られるものは射幸心を煽るだけの無だな存在です」と中学生に言わせる精神というものは多分に他者に対して攻撃的すぎる。「等しい権利がどんな能力の人間にも与えられるのは平等ではありません」という能力主義の考え方、一般的にも堂々と主張してるヤツ多いけど、これ、単なる「選別」じゃないのかねえ? この考えかたから真っ先に排除されるのは病人・老人・女・子供だ。一応、このセリフ吐いてるの、この物語の中じゃ「敵」ってことになってるけど、作者のホンネ、どっちかっつ〜と敵方のほうにありゃしないか?
 自分の心の中のどす黒い部分を見つめた上で物語を構成できるバランス感覚が作者にあるんだったらいいんだけどね。


 マンガ、和月伸宏『GUN BLAZE WEST』1巻。
 なんかね〜、こうもモロにね〜、西部モノの『ONE PIECE』やられるとね〜、ジャンプのお家事情も苦しいんだろな〜って思っちゃうよね〜。
 赤毛のシャンクスにあたるマーカスを「負け犬」にしてるあたりが工夫といえば工夫だろうけど、こいつ、連載が長期化すれば絶対、敵になって再登場してくるよな。逆にこの1巻で潔く死なせとけば、和月さん、ひと皮剥けたってことにもなるんだろうけどね。
 『ワンピース』だって既成作品の換骨奪胎で成り立ってるとこあるから(モロパクリもあるけど)、あまり文句をつけるのも野暮だけど、猪突猛進型の主役にクールなライバル、自信過剰なだけのやられキャラってパターンの繰り返し、描いてる方も飽きが来ないか?
 読んでる方だって、意外性がないと読みつづける気になれんよ。『ワンピース』がまだマシなのは敵キャラがデタラメで予測不可能だからだ。そこまでのキャラ設定、『るろうに』のときもそうだったけど、和月さんにはまだまだ勉強不足で出来ていない。
 1巻手に入れるのに時間がかかっちゃったし、もう2刷になってるから、売れちゃいるんだろうけど、さて、人気が続きますかどうか。


 DVD『アリオン』。
 公開当時は徳間が『風の谷のナウシカ』に続いて贈るファンタジー大作、と言う振れ込みで公開されてたような気がするが、当時も2時間枠に原作マンガ5巻分を全部詰め込むのには無理があるなあ、と感じていたが、改めて見ると、むだなキャラが多過ぎる。
 ギリシャ神話に取材しちゃうとどうしてもキャラが増えすぎちゃうからねえ。あれでも随分刈りこんでるんだろうけど、まず映画にしようと思うなら、ザコキャラはどんどん省いていったほうがよかったよねえ。
 監督の安彦良和が構成を川又千秋に頼んだってのがそもそも失敗だったと思う。まるで整理できてないんだもの。
 ゼウス・ポセイドン・ハデスの確執はもともとのギリシャ神話にあったものだろうけど、三つ巴にするから分りにくくなる。長いテレビシリーズでやるなら帝国に自由同盟に自治領の三国時代でもよかろうが、2時間なら2項対立程度に留めておかなきゃな。ハデスとポセイドンの役は一つにまとめちゃえばいい。
 敵もアポロンとアテナだけで、ゼウスもガイアもいらないよ。要はアテナをずっと前面に立てといて、最後にアポロンが真の敵と解ればいいだけなんだから。 黒の獅子王はもっと早い段階で出しておくべきだし、リュカオーンと役柄が被ってる。これもまとめることは出来るはずだ。
 大胆な刈りこみが出来てないから、一人一人のキャラクター描写が薄っぺらになってて、感情移入を阻害してるんだよね。
 だいたいアリオンがなんのためにオリンポスと戦おうとしているのか、最初から最後まで納得しがたい描写が続出。気がついたらアレースを殺し、ハデスも殺して(なぜ殺す必要がある?)、ポセイドンを殺し(錯乱したせいだが自業自得)って、これじゃただの殺人狂だよ。
 でも、この映画、良くも悪くも安彦良和の情熱が思いっきり注がれてて、「あ、こんなところに安彦さんらしさが」ってところを楽しめる描写もたくさんあるんだよね。初めてアリオンとこそ泥のセネカが出会うシーン、剣を盗んで逃げるセネカと、それを追いかけるアリオン。
 足に自信のあるセネカもアリオンにはかなわず、逃げる先々にヒョイと現われるアリオンのために右往左往。いや、ここでのアニメートはもう見事のヒトコトに尽きますよ。
 このアリオンとセネカの関係、まんま手塚治虫の百鬼丸とどろろなんだよねえ(そういや安彦さんも虫プロ出身だ)。セネカもストーリーの本筋には関係ないキャラなんだけど、下手をしたら神々だけの話に終始しかねない物語を観客の視線にまで引き下げる役割として、セネカは絶対不可欠の存在なのだ。キャラ立ちしきれてない映画版『アリオン』の中で、最も魅力的なのはこのセネカなのである。
 と言うか、わざわざDVD買ったの、セネカが好きだったからなんだよね。レスフィーナにばっかり萌えてないで、みなさん、セネカにも萌えましょう。
 ああもう、このセネカ見るだけでも『アリオン』、損はないです。これホント。


 ニュースを見ながら思う。
 ゴジラを政治に利用するな、公○党。


 体重、81.4キロ、太った体重、なんとかもと近くに戻したかな。


2001年07月04日(水) 喉が異常に乾くよう/DVD『少年ドラマシリーズ ユタとふしぎな仲間たち』ほか

 昨日からの頭痛と熱発で仕事を休みました。
 しげがドリンク類を買ってきてくれたので、飲んで横になります。
 と言うわけで今日は一日中布団の中です。

 寝ながらでも本を読んだりDVDを見たり。

 『コロンボ』を見ました。
 『ホリスター将軍のコレクション』。
 犯人役は『ローマの休日』でグレゴリー・ペックの友人カメラマンを演じたエディ・アルバート。
 もう1972年の時点でおじいちゃんです。
 亡くなって結構年月が経ちました。声をアテていた久松保夫さんも故人です。
 月日は早いなんてものじゃないですね。
 ホリスター将軍はコロンボ史上、最も大胆な犯人でしょう。何しろほとんど自分の犯罪を隠していない。隠していないからかえって犯罪が見えないということにもなっています。
 つまり、有名なあのトリックが使われてるわけですが、未見の人のためにここには書きません。
 と言っても、あまりに有名過ぎて犯人の失敗にすぐ気がついちゃうのが難点ですが。


 『東海道・四谷怪談』。
 実写版ではなく、なつかしの「花王名人劇場」で、一龍斎貞水の講談にアニメを合成した珍品です。
 監督はあの大塚康生さんなんですが、東映動画系のあの柔らかな絵柄じゃどうしたってお岩様の執念は表現しきれません。
 失敗作なんだけれども、大塚さんの監督作はこれと『草原の子テングリ』の二本しかないのです。アニメ職人に徹した大塚さんの技術を見るにはよい一編だと言えましょうか。


 『ユタとふしぎな仲間たち』。
 NHK少年ドラマシリーズ最高傑作です。
 以前、このシリーズについて、「幻になったせいで、傑作扱いされすぎている」と書いたことがありましたが、本作だけは別です。
 掛け値なしの傑作です。
 三浦哲郎の原作も絶版になってなければ新潮文庫から出てます。
 東北の、座敷わらしをモチーフにした物語です。
 東京からの転校生、もやしっ子とバカにされた小学生が、座敷わらしと出会うことで少しずつ成長していく。ただそれだけの話ですが、これは児童文学の伝統的なパターンです。だから後はその「異世界のもの」とどう触れ合えるかということ。
 結論から言えば、『となりのトトロ』よりドラマ的に遥かに濃密で上出来です。未見の方、嘘だと思ったら見て御覧なさい。
 わずか1時間のドラマのために1年間撮影を続けて東北の四季の変化を撮っていきました。主役の子がほんとに成長して行くのですから、これはリアルです。
 少年ドラマシリーズには珍しくフィルム撮影というのも効果満点でした。
 何より座敷わらしたちを演じた佐藤蛾次郎、桂こかん、辻村真人、和久井節緒、坂部文昭の名演。
 みんな、生まれてすぐ間引きされた子供たちです。
 だけど、オトナになりたいから、見てくれだけはオトナです。
 でもやっぱり赤ん坊だから、オシメをしています。
 おかしいけど、悲しいです。
 そして彼らの呪文。
 「ワダ、ワダ、アゲロジャ、ガガイー」
 昭和49年にこのドラマを見て泣いた人。この呪文の意味、覚えてますか?
 殿山泰司のおじいさんが最後に解説してくれました。とても、切ない呪文です。思い出したら、その言葉の意味をもう一度噛み締めてみましょう。
 今の時代のほうがよっぽどその言葉を深く理解していかなければいけないように思います。


 新番組アニメ『スクライド』に『シャーマンキング』。
 かたやチャンピオン、かたやジャンプのアニメ戦略。
 でもいいスタッフを集めてるわりに、どちらもこれと言って引かれる要素がありません。
 セリフがともかく型どおり過ぎます。


 朝はしげの作ってくれたおかゆを食べましたが、味が全くありませんでした。
 塩もしょうゆも混ぜてませんでしたから。
 味が濃いとからだに悪いとしげはいいますが、それは普通の時です。風邪の時は普通栄養を取るものです。そんな常識もしげにはありません。何度言っても忘れて、毎回毎回薄いおかゆを作るのです。でもしげはばかで記憶力がないので、どうしようもないのです。
 で、仕方なく自分で作りなおしました。醤油を混ぜただけでおいしくなりました。 
 夜はタンメンを作って食べました。
 自分で作るご飯の方がずっとおいしいです。
 でも、なんか独身のころと変わりがありません。
 結婚して得したのはしげばかりです。
 なんで私ばかり損してなけりゃならないのでしょうか。
 切なくなって来ました。
 

 ……イカン。
 この文体だとマジでどんどん気分が滅入ってくるぞ。
 この辺で普通に戻そう。

 どうやら今日から「北九州博覧祭2001」が始まったらしい。
 私のエキスポ熱は大阪万博で始まり大阪万博で終わっているので、沖縄海洋博にもつくば科学万博にも全く興味がわかなかった。
 地元、百道での「よかとぴあ」にも仕事の関係で一回行ったきりで、自分から行こうって気は全く起こらなかった。
 「人類の進歩と調和」というテーマに子供のころの私たちがどれだけ心揺さぶられたか。そして世界100ヶ国近くから集まった奇抜なパビリオンの数々。
 あれに匹敵できるだけの規模を持った博覧会は未だ開かれてはいない。

 ましてや北九州である。
 たかが北九州である。
 小倉だの八幡だのジリ貧の町がなんとか寄せ集まって、かろうじて「100万都市」にしがみついてる北九州である。
 有名人といえば松本清張と松本零士の「二人マツモト」でもってる町である。
 いったい何が期待できるというのか。

 いや、ちょっとワザとらしく貶しちゃったけどさあ、地元もあまり盛り上がってないみたいなんだよね。博覧会ったって、所詮は企業宣伝のためのイベントだからさ、キレイゴトのテーマ並べられたってしらけるだけなのよ。
 笑えるよ、実際の話。
 メインテーマが「響きあう 人・まち・技術」だとさ。
 マスコットキャラクターが「ヒビッキー」。ヒマワリが蝶ネクタイつけてるようなの。
 なんでやたら「響いて」なきゃならんのかって、他地方の人にはよく分らんだろうけど、北九州の外海が「響灘」っていう名前なのね。
 これ、当然「波の激しい、荒れた海」って意味なんだから、「街作り・もの作り」には似合わない名前だと思うんだけどねえ。

 ともかく「目玉」になるパビリオンがどこなのか分らないってのが致命的なのだ。以下に列挙してみると……。

 ■北九州博覧祭テーマパビリオン
  モノづくりメタルカラー館
  環境ミュージアム ECO-SHIP2∞1
  エコライフモール
  グローバルアジア館
  やすらぎ健康館
  産業観光センター

 ■北九州市出展パビリオン
  北九州交流館
  水のパビリオン
  自然史体験館

 ■官公庁パビリオン
  『ひかるの夏 Energy Silhouette Fantasy(エネルギー シルエット ファンタジー)』 資源エネルギー庁
  「出会いの森」 あなたの町の郵便局(九州郵政局)
   広域交流パビリオン夢CUBE 市民パビリオン実行委員会

 ■市民パビリオン
  市民パビリオン「ムーブ未来館」 市民パビリオン実行委員会

 ■海外出展パビリオン
  モンゴル館 モンゴル政府
  大連館 中国大連市
  仁川館 韓国仁川広域市
  釜山館 韓国釜山広域市

 ■企業パビリオン
  NECフューチャーパビリオン
  NTT Group presents「未来BOX 2010」 NTTグループ
  みらいくんのワンダーハウス電力館 九州電力(株)
  JR九州館「わくわく九州探検トレイン」 九州旅客鉄道(株)
  環境エネルギー館 西部ガス(株)
  新日鉄条鋼パビリオン 新日本製鐵(株)
  新日鉄館 新日本製鐵(株)
  ”21世紀の子供たちに贈る”TAKADA「遊び・創造空間」 (株)高田工業所
  東芝 サザエさん館 (株)東芝
  TOTOミラクルマジック館
  日立グループ館
  モーションマジックシアター (株)日立製作所
  富士通ゆめネットタウン@nifty 富士通(株)
  北陸マルタカ館 (株)北陸マルタカ

 ■準パビリオン
  ひがしだITクラブ ひがしだITクラブ出展実行委員会
  1901メモリアルパビリオン 教育委員会
  資源化センター 山九(株)  
  バードハウス バードハウス実行委員会  

 ■その他(展示コーナー)
  ぼくらの街を空から見よう! 新空港体験館 国土交通省 北九州港湾空港工事事務所

 さて、興味を引くパビリオンが一つでもあったろうか。環境とかエコとか、私にゃ胡散臭いものにしか思えないがね。
 ちなみに私が見ていたテレビの特集番組は、レポーターがインド料理やベトナム料理などを食べ歩きするばかりで全然パビリオンの紹介をしないのであった。
 あ、そうだ。会場のとなりの「スペースワールド」では「月の石」に「アポロ着陸船」が並ばずに見られますよ(^^)。


 体重は82.0キロちょうどでした。


2001年07月03日(火) 頭痛のせいでネカマ風(-_-;)/『黒衣 ―KUROKO―』2巻(高橋葉介)ほか

 仕事のし過ぎと熱さのせいでしょう。
 今日は無茶苦茶頭痛がしてます。

 仕事から帰って寝ました。
 でも明日も仕事は早いのです。
 しかもいっぱいいっぱい仕事は溜まっているのです。
 更にやっぱりというか、また日曜出勤を入れられてしまったのです。
 断りたかったけど、ほかにカラダの空いている人が(つまりはヒマな)人がいなかったのです。
 いや、本当はもっとヒマな人がいることを知ってるけど、文句をつけるのはみっともないので(見栄坊)結局引き受けちゃうのです。
 ばかですね。

 しげはCS時代劇チャンネルの『雲霧仁左衛門』に夢中で、「いいよね。『やまざきど』」なんて言ってます。
 そりゃ「やまざきど」じゃなくて「やまざきつとむ」だろう、と突っ込んでやる元気もありません。こんなベタなギャグで笑いを取ろうってさもしい根性が腹立たしい。

 アイスノンをして横になります。
 寝ながらDVD刑事コロンボシリーズを漫然と見ます。
 『死の方程式』、犯人役のロディ・マクドウォールも死にました。画面で見るとこんなに若いのに。
 『もう一つの鍵』『二枚のドガの絵』、久しぶりに見ましたが、昔は結構感心してたのに、今見返すと犯人がどうにもマヌケです。
 やはりこれは「エリートぶってるけどただのバカ」をからかって庶民が溜飲を下げるドラマだったのだなあ、と思います。
 でもこういう倒叙もの(犯人が初めから割れてるヤツ)、舞台でやるとおもしろそうですよね。もともとコロンボって舞台のドラマ化だし。
 意外と知られてませんが、わが国の明智小五郎も短編の名作はほとんど倒叙ものです。『心理試験』『屋根裏の散歩者』『月と手袋』など。

 山本弘さんからメールが届きました。
 どうやらお送りした同人誌用の原稿、採用されたようです。
 でも実は後で誤植があることに気づきました。
 困ったなあ、訂正をお送りするべきか。
 でも訂正し出すとどんどん変えたくなりそうだし。
 今、悩んでいます。

 ああ、また頭痛がひどくなって来ました。
 一度寝ているのと頭が痛いのとで寝つけません。
 本気で明日仕事に行けるかわかりませんが行かねばなあ。

 あ、後、マンガ、高橋葉介『黒衣 ―KUROKO―』2巻読みました。
 頭痛がするなら寝てろ、と言われるかもしれませんが、以前も書いたことですが私は中毒なので一日映画も本も見てないと禁断症状が出るのです。
 前の『学校怪談』ほどには面白くありません。高橋さんは徹底的にシリアスにやってくれたほうがいいと思っています。ギャグと言ってもほとんどがベタなギャグだし、やたらと寄り眼になるのも月並み過ぎて絵柄に合いません。
 何より新米のゴーストバスターって設定がもう新味がなくて。
 連載ももうすぐ終わりそうな気配だし、まだ夢幻紳士を再開してくれたほうがいいんじゃないかなんて無責任に考えたりしています。


2001年07月02日(月) ばとんたっちorあとはどうなと/『赤い雲』(西岸良平)ほか

 ちょっと体重を量るのを怠っていたら、82.4キロ。
 うおお、微増だが増えている!
 確かにしげにつきあってばくばく食っちまったし、宴会にも出たしで仕方ないと言えば仕方ないのだが、このままではいけない(c.早見優)。
 また明日から食餌療法(要するに減食)を続けねば。


 原稿シメキリを一つ一つ片付けていかねばということで、リレー小説をまずは上げる。後はこうたろうくんとよしひと嬢で完結だ。
 ある程度着地しやすいようにネタ振っといたから「これからどうすりゃいいんだー!」てことにはなるまい。
 

 ポストにDVD『六番目の小夜子』の全巻購入特典として応募しておいた「西浜中学校2000分化祭」のCDが入っていた。
 こういう特典ものってつい送るの忘れちゃうのだが(切手同封って場合も多いんで面倒臭いし)、せっかく応募して、送られてきてもフタを開けてみるとたいしたことないって場合も多い。
 このCDもまあレアといえばレアだけど、劇中劇の完全収録版って言ってるわりによく聞いてみると、明らかにスタジオ収録で、同じ声の人が何度も出てきている。
 CD製作のスタッフ・キャスト名が一切書かれていないというのもよくないよ。鈴木杏がいることは間違いないんだけどなあ。最後の「来た!」は間違いなくそうだけど、後がどこに出てるかが判別出来ない。「特典」って銘打つならシナリオつけるくらいのことはしておいてほしいものだ。
 それにドラマの中で使用されるからこそ盛りあがるんであって、単体で聞いても青臭い青春ドラマの域を一歩も出てないのよ、これ。
 

 マンガ、西岸良平『赤い雲』、『ポーラーレディ』読む。
 こういう短めのシリーズを描かせると西岸氏、なかなかウマイ。
 ウマイと言っても設定とかストーリーがと言うことであって、語り口はどうも説明口調が多くて興醒めしちゃうことも多いんだけどね。
 それをカバーしてるのがあの独特の絵柄。今更突っ込むのもなんなんだけど、西岸良平の世界の人間は縦長顔と横長顔の二種類しかおらんのかって。ああいう浮世離れした絵だと、キャラクターがやたら一人ごと喋ってても不思議と気にならないんだよねえ。
 設定だけ取り出すと『赤い雲』なんか「血がつながっていない兄に恋する妹が、数百年生きている猫に守られて数々の危難から助かる話」と結構ドロドロになりかねない展開なんだけどね。



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藤原敬之(ふじわら・けいし)