無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年04月17日(火) どこまで続く死のロード/ドラマ『陰陽師』第三回『迷神』ほか

 全くもう、どうしてこう連続して人が死ぬかな。
 今日は小島三児が亡くなってしまった。
 新聞記事には「『トリオスカイライン』の」と書かれていたが、ああ、そう言えばそうだったな、という記憶しか私にはない。
 何しろ解散したのが私が小学校三年生の時である。大人はいざ知らず、子供には決めのギャグのないグループはよっぽどの芸がない限り印象に残らない。東八郎はともかく、コメディアンとしての小島三児はワリを食っていたように思う。
 気がついた時、小島三児は既にピンだった。
 でも、映画やドラマによく出てはいたが、脇役、というよりチョイ役以上の役で出ていたのをあまり記憶していない。
 今、パッと思い出せるのは、『ルパン三世・念力珍作戦』のオカマのヤクザや、『金田一耕助の冒険』の床屋の店主である。どちらもワンシーンのみ、しかも、本筋と全く関係のない演技をしようとするあたり、まるで由利徹である。
 よく見ると目の怖いひとである。コメディアンとして立つには、ちと濃すぎたのではないか。小島さんのツッコミを並の役者ではカワシきれないのである。だから、チョイ役以上、長丁場は預けられない。
 実のところ、小島さんをうまく扱えたのは、やっぱりと言うかまたかと言うか、黒澤明だったりするのだ。
 『どですかでん』での小島さんは泥棒役、ウケのたんばさんに渡辺篤、これは見事なキャスティングであった。
 警官につかまった泥棒が、面通しのために再びたんばさんのウチを訪ねる。しかしたんばさんは「泥棒になんか入られませんよ」としれっと言ってのける。自分が庇われたことにも気付かぬ泥棒は、首を捻って帰っていく。この首の捻り方がいいのだ。
 別に泥棒はたんばさんの優しさに触れて改心したわけでもなんでもない。でもたんばさんは相手がどんな人間であれ、同じようにものを施し、同じように相手に哀れみをかけるであろう。それは相手への同情ではなく、たんばさんの生き方のスタイルであるから。
 獰悪だけど間の抜けた感のある小島さんの存在は、渡辺篤の飄々とした味わいとの対比が鮮やかで、さすが黒澤は喜劇もわかってるんだよなあ、と感心したものだった。
 映像の撮り方に軽みが感じられないのが今イチだったが、あれはいい映画だった。小島さんのフィルモグラフィーの一つとして紹介してもよかったと思うんだがなあ。
 関係ないけど『ONE PIECE』の「サンジ」って、小島三児から取ったんじゃないかな。ほかに「さんじ」って名前の人、知らないし。

 『テアトロ』5月号に、『ラ・テラス』の批評が載っている。
 これがまあ、私の意見とは正反対で、「役者はいいが、脚本がよくない」というもの。
 人それぞれ、見方が違っていて当たり前であるので、初めは「おやおや」くらいの調子で読んでいたのだが、どうもこの批評家、根本的に脚本が読めないやつだということに気がついた。
 「役作りが的確」と評しているが、脚本の出来が悪いのなら、役作りだって出来ぬはずである。批評の言葉自体が破綻しているのだ。
 私に言わせれば、あの芝居は一にも二にも、役者の読解力が足りないために深みが生まれなかったのであって、脚本のせいではない。
 例えば、テラスから落ちたはずの男たちが、なぜ毎回死なずに助かるのか、その不可思議な現象を登場人物はどう感じているのか、役者たちはどこまで突っ込んで考えたのだろうか?
 口では不思議だと言っていながら、本当は誰もそれを不思議だとは思っていない、たったそれだけの解りきった事実すら、あの役者たちは理解していないのである。
 ……不条理劇の批評はやっぱり日本じゃまだまだ確立されていないのだなあ。

 帰宅した途端、女房が「餃子を食いたい!」と叫び出したので近所の「王将」に行く。
 実はそこでは姉の娘さん(でも私の姪ではない。不思議不思議♪)がバイトしているのである。姉によく似てはいるが姉よりずっと美人だ。
 てなこと言ったら姉ちゃん怒るな。どうせこの日記見る心配はないけど。
 店に入った瞬間、こちらに気付いて微笑みかけてくれるので、こちらも会釈を返す。ところが女房は無愛想に挨拶もしない。 
 どうせ「向こうがこっちのことを覚えてないかもしれないから」とバカなことを考えてるのに決まってるのである。
 ……んなバカなことがあるかい。
 女房は対人恐怖症の癖がどうにも抜けぬところがあって、基本的に人との縁が薄いやつなのである。
 ……解りやすく言えば、どんなに身近な人間であっても、しばらく会ってないと忘れてしまう。ウソのようだが本当の話だ。多分、夫である私にだって、二、三ヶ月も会わなければ、怖くて自分から声をかけることはできまい。私から声をかけてようやく私本人だと認識できるはずである。
 そのアホな癖は治せよって、再三言ってるんだがなあ。
 でも悪気はないので、女房のお知り合いの諸君、久しく会ってなくて女房の反応が以前と違って臆病になってたとしても、許してあげてくださいね。そちらから声をかけてくだされば、自然に気持ちがほぐれてくると思いますので。
 で、結局、店からの帰りにもアチラはきちんと挨拶してくれたのに女房はまた無視。私は一生懸命、「お店にいる時は仕事だから馴れ馴れしくはしないよ」というポーズを取って女房をフォローするしかないのであった。
 やれやれ(-_-;)。
 あ、女房がも一つアホなこと言ってたのを思い出したぞ。
 炒飯セット、唐揚げ、餃子つきに、私の頼んだ天津飯、トンポーロー、イカ天麩羅も分けてもらって、それで一言。
 「最近少食になった」
 ……そのハラに付いてる肉はなんだ。

 テレビ新番組、『たけし・所のWA風が来た!』、司会がなんと山寺宏一。ちょっと浮いてる感じはあったが、ノリは悪くない。多少セリフのトチリはあったが、第2の古館伊知郎が狙えるかな、というような司会ぶりであった。
 番組自体は海外に浸透してる日本の物件を探すという軽いナショナリズムなもの。アメリカの切手のデザインは日本人がやってるんだよ〜ん、とか、地下鉄の落書きを消す機械を発明したのも日本人だよ〜ん、とかその程度のもの。いやらしくなる一歩手前で止めたってところかな。
 台湾で流行ってる日本の文字ってナ〜二? というクイズの最中に女房、仕事に出かける。
 「帰ったら答え教えてね!」って、何入れこんでんだ。
 ちなみに正解は「の」です。記号っぽくってカッコいいんで、「的」の代わりに使ってるんだって。ルーツは「洋服の青山」じゃないかって言ってたけど、そりゃ思いっきり眉唾(^_^;)。

 『陰陽師』第三回、原作に芦屋道満、出て来てたっけ? 小説の方、一冊目と二冊目しか読んでないから分らないけどね。
 でも寺尾聰じゃあどうにも役者不足だよなあ。
 またぞろ今回も底の浅い恋愛ものに成り果てていて、味わいもくそもない。
 マック○ファ○○ーか何かのCMで、松嶋菜々子が「あなたのことが凄く好きになった」とか、なんの捻りもないセリフを吐いてるのを見て(脚本は北川悦吏子だと)、恋愛もお手軽になったもんだと思っていたが、古代を舞台にしてまでトレンディドラマをやろうってのはどうした了見だ。
 「CGに頼らないのがいい」とよしひと嬢だったか鴉丸嬢だったかか言ってたけど、私ゃいい加減、百鬼夜行を着ぐるみでもCGでもいいから出してほしいね。道真は丹波哲郎でも江守徹でも許すから。


2001年04月16日(月) オー・ド・トワレ/『夜刀の神つかい』3巻(奥瀬サキ・志水サキ)

 昨日、三波春夫と田久保英夫が死んだと思ったら、今日は河島英五と勅使河原宏が死去。何だか21世紀まで生きたからもういいやって感じで死んでいくなあ。
 かと思ったら、雅子妃ご解任のニュース。なんとか2001年中には生まれそうな気配で、もしかして皇太子夫婦ですら「21世紀の初めにはなんとかね」と考えながらがんばったのかもしれないと思うと親近感も湧くんだがなあ。
 でも実際、この一、二年、身の回りにやたらと腹ボテが多いのだが、なんでそう2000年とか2001年に拘るかね。年齢が数えやすい以外にメリットがあるとは思えんが。下手に人口が多くなっちゃうと、「団塊の世代」みたいに、学校の教室はギュウ詰めになるわ、進学就職の競争率は高くなるわ、損することの方が多いと思うのにねえ。まあ、多少は少子化が食いとめられていいのかもしれないけど。

 勅使河原宏と安部公房の一連の不条理劇、日本での評価はまだまだ低い、と思っている。
 『砂の女』も『他人の顔』もどれもみんな面白いんだけどな。
 ともかく日本人というのは、自分の理解の届かぬものについては、「わけがわからん」とか「ひとりよがり」とかの言葉で黙殺しがちだからなあ。ピカソを「子供の落書き」と平気で言ってのけるバカがゴマンといる国である。
 万人に理解される芸術なんてものはない。あると思うのは錯覚だ。だから、自分の理解できないものにだって、一定の評価はあるのだということを認めねばならない。なのに、そういう度量のないやつばかりだってのが情けないのである。

 帰宅してみると、部屋の中が異様に臭い。
 女房が生ゴミをまとめていたのはいいのだが、それを捨てにも行かずに部屋の中に放置していたのだ。
 昼間ゴミを捨てに行く姿を見られるのが恥ずかしいから、と、たいてい夜になって捨てに行っているのだが、いったい何が恥ずかしいというのか。自分のウチのゴミを見られたくないというのは、要するに見栄を張りたいという気持ちの裏返しである。全く、バカの分際でおこがましい。

 晩飯がないかと思って、パンを買って来ていたが、女房もほか弁を買って来ている。ほか弁も悪くはないが、昼間、買い物していてくれれば何か作ってやるのになあ。
 女房に買ってきたチョココロネを見せると、「またコロネ?」と笑う。
 ここしばらく、パンと言えばコロネを買っているので、女房は不思議に思っている様子である。別に大した理由はないんだけど。
 「子供のころコロネが好きだったんだよ」
 「……あんたの子供のころ、コロネがあったの!」
 ……人を戦前生まれのような言い方するんじゃねえや。

 アニメ『犬夜叉』『名探偵コナン』といつもの定番。
 桔梗を演じている日高のり子さん、灰原哀を演じている林原めぐみさん、それぞれ、ハッとするような緊張した演技を見せている。
 お二人とも、今回の作品を通じて、また一つ芸域を広げたんじゃないかな。ずいぶん自然な演技もできるようになってきたのだ。
 声優さん独特の癖のある喋り方は、言ってみれば歌舞伎の所作事と同じで、厳密にいえば応用の効く演技とは言えない。顔出し演技のできない声優が多いのがその証拠だ。ベテラン声優であっても、癖がつきすぎると自然な演技ができなくなるのだ。
 だから顔出しも声優も両方こなしてしまう故・小林昭二さんや穂積隆信さんなんかは、地味だがホントの名優だといえる。
 で、女性でそういう人ってのが凄く少ないんだよね。最近ようやく戸田恵子さんが顔出しするようになってきたけど、まだまだ絶対数は少ない。日高のり子さんや林原めぐみさんは顔出ししていってもいいんじゃないかと思うんだけどなあ。

 マンガ、奥瀬サキ作・志水サキ画『夜刀の神つかい』3巻。
 何だか意表を突こうとして、せっかくのいいキャラを敵も味方もどんどんムダに消してる気がするぞ。
 これが山田風太郎みたいに敵味方の消耗戦になるんだったらそれはそれで面白いんだけど、下手すりゃジャンプマンガになるものなあ。
 でも一磨を消した以上、その後釜になるべきなのは新しく吸血鬼にされたヒカゲでなければならない。そういう伏線を張ってきたのだから。……まさかこのままヒカゲを殺したりはしないよなあ。


2001年04月15日(日) My guest is my Lord/『まかせてイルか!』1巻(大地丙太郎・たかしたたかし)

 まずは貴重な読者のみなさんへのお知らせから。

 この日記は「エンピツ」ってところから借りてるんだけど、URL変更を含むサーバ移転のためサービスが一時停止されます。以下の記事をご確認下さい。

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 今後とも「無責任賛歌」をよろしく。
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 トシをとると朝が早くなるって言うけど、女房もよしひと嬢も、寝たのは私より早いのに、なかなか起きてこない。
 と言っても私も起きたのは9時。なんとか『コメットさん』第3話に間にあった。
 おい、これ、本気で面白いぞ♪
 キャラクターが地に足がついているのがなにより説得力があるのだ。
 「お手伝いさん」という旧作の設定、さて、現代では浮いてしまうのではないかと思っていたが、「ホームステイ」ということで上手く処理。
 藤吉家の子供たちにとってはよきお姉さんであり、父さん母さんからは地球の人々の愛と勇気を教えてもらう(展開になるはず)。
 なんてったって、お父さんは「海の男」だ。これから先、本格的に職業としてのライフガードを描くようなら、宮崎アニメに匹敵するほどの傑作になるかも。クサクしないと言う条件がつくけど(^^)。
 ……そうだよなあ、日本の魔女っ子ものって、もともと「教育もの」だったんだよなあ。なんで今ごろ『コメットさん』か、というのは疑問だったんだけど、やっぱり原点返りなんだね。今風の絵柄だと言うのに、肌触りが懐かしいのだ。CGも多用しすぎず、魔法の部分のみというように効果的な使い方をしている。
 まだ3話やそこらで結論を出すのは早いかもしれないが、もしかしたら日本の魔女ものアニメ中、屈指の傑作になるかもしれない。

 11時半、よしひと嬢起床。
 昼には帰って部屋を片付けねば、というのを引き止める感じで『仮面ライダーアギト』と『パワーパフガールズ』を見せる。
 ようやくアギトとギルスが接触、アンノウンが超古代文明と関係があるかも、というところでまた引き。
 ……なんだかますます『仮面ライダー』から離れて『009・神々との戦い編』に近くなってきたなあ。
 よしひと嬢も、話はともかく、やはり「役者の演技がどうも……」というご意見。確かに主役の翔一くんが特にアレだしなあ。
 「でも、ヤンママに『癒し系』ってことでウケてるらしいよ」と言うと、よしひと嬢、思わずコケる。『クウガ』は結構ハマってたらしいが、今回はあまりご贔屓のキャラがいないらしい。
 「……北条さんは好きなんですけどね、いかにもなキャラクターで」
 まあねー、主役に嫉妬するエリート意識剥き出しのライバルって、確かにいかにもだけどねー、現実にもたまにそういうのがいたりするんだよねー、だもんで私はあいつが好きじゃない。
 『パワーパフ』は例の『ダイナモ』の回。
 「ほらほら、この辺のスローモーションがクロサワ」と後ろから要らぬ解説をする。でも向こうのスタッフって、よく日本のアニメや特撮や映画、見てるよなあ。中国やタイやベトナムもいっしょくたって感じはするけど、あるいはそれもワザとかもしれない。
 日本人だって、アメリカを舞台にギャグ作ろうとしたらワザとステロタイプにするものなあ。このあたり、筒井康隆の『色眼鏡の狂詩曲』を読めば解る。

 結局、よしひと嬢のお帰りは1時。どうもお疲れさまでした。
 女房は未だに寝たままで起きてこない。
 昼から出かけようと話をしていたのに、これだから女房と約束をするのがいやになるのだ。
 仕方なく、昨日の日記を書き続けるが、どうした弾みか、書いたものがやたらと消える。登録しようとした途端にエラーが出るのだ。
 夕方までかかってまるで登録できないので、ついに癇癪を起こして不貞寝する。

 マンガ、大地丙太郎原作、たかしたたかし作画『まかせてイルか!』1巻。
 1話完結のアニメシリーズのマンガ化、というか、何となく石立鉄男主演の『水もれ甲介』っぽいドラマの雰囲気。いや、印象だけだけど。
 親のいない三人娘が湘南海岸で「便利屋」を開いてるって話なんだけど、名前が「海」、「空」と来て、三女が「碧」ってのが作者のこだわりを感じさせてよいのだ。
 アホな作り手は三女を「陸」ってしちゃうところだけど、親が「あの海や空のように青々と」と願って子供に名前をつけていたとしたら、「陸」には絶対しないよな。最初から三人生まれると解ってるはずもないし、こういう細かい設定がキャラクターを生かしているのである。
 『episode9・10/碧バイバイ』なんてドラマで見たいぞ。
 娘を亡くした両親が、瓜二つの女の子を見つけて、養子に来てくれないかと頼む、という展開はよくあるが、こういう結末のつけ方をするとはねえ。
 やるな大地丙太郎。

 夜になって、ようやく日記がエラーを起こさずに登録できる。なんだか1日を殆ど無駄に過ごしてしまった。
 さあこれでようやく眠れるなあ、と思ってテレビをつけたら三波春夫死去のニュース。
 思わず「三波春夫が死んだよ!」と女房に向かって叫ぶが、女房は「ふ〜ん」の一言。……確かに女房のトシだとトヨカズの方がまだ近しいんだろうが「ふ〜ん」はねえよなあ、と思う。
 ニュースはやたらと三波さんのことを「国民歌手」と強調していたが、私には全くそんな印象はない。
 確かに一時期、紅白のトリはずっと三波さんが勤めてはいたが、お袋などは生前、三波さんをイロモノとしか見ていなかった。少しトシの行った世代なら、印象はこんなものである。しかし実はその「イロモノ」的なところが、三波さんの真骨頂であったと言えるのだが。
 三波春夫は歌手と言うより一流のエンタテイナーであって、その芸域はとてつもなく広いのだ。広すぎて、偶像にすらなり得なかった。テレビはそんな三波さんを扱いかねたのだと思う。結局はあの「お客様は神様です」を、レッツゴー三匹にもの真似させる程度のものとしてしか認識させなかった。
 昔はドリフのコントなどにも出ていた三波さんだが、普通、喜劇役者以外のゲストはどこか「浮く」ところがあって、それをレギュラーの面々が上手くイジることで笑いにつなげるものなのだが、三波さんは見事に場をさらってしまっていた。間の取り方が絶妙に自然なのだ。
 まるで「舞台荒し」の北島マヤのようであった……って、たとえがムリヤリだがホントだから仕方がない。こういうヒトがしょっちゅうテレビに出ていては、芸ナシの連中はたまるまい。
 幸いなことに、アニメオタクはあの『ルパン三世(ルパンVS複製人間)』で三波春夫の至芸に触れている。絶頂期の納谷悟朗とタメをはれたということが何を意味しているか、ちょっと考えてみればその凄さが解る。
 そして極めつけの『ルパン音頭』である。
 旧ルパンのハードな雰囲気を期待していた当時は、アレを聞いてメゲてたものだったが、何年か経って聞いたときに、エンタテインメントとしての『ルパン』を見事に表現しているという点で、新シリーズ以降では一頭地を抜いていることに気付いて、驚いたものだった。
 コーラスを除いて、「ルパン」って歌詞に出てくるの、アレだけなんだよね。
 ……『知ってるつもり』あたりがまた浅薄な取り上げ方するんだろうなあ、シベリア抑留のときのことを美談に仕立てたりしてさ。生前の三波さんはそのことについては黙して語らずを通してたんだけどねえ。  

 ついでに数多い三波春夫パロの中で、マンガに関して印象に残ってるものを二つ。
 一つはコンタロウ『1、2のアッホ/ああ!国民放送の巻』。
 国民歌手、南春生が某国営放送で『おまんた音頭』を歌うことになる。クリーンなイメージを大事にする国営放送のプロデューサーは、南春生が「おまんた」を「おまん○」と言い間違えないか心配して(←間違えるかい)、予め「おまんたってのは新潟県の方言で『あなたたち』の意味ですよ」というタテカンを映すことにする。
 もちろん、主役のカントクたちが大暴れして、「おまんた」はめでたく「おまん○」となって全国放送されるのだが、何が笑えたって、パニックに陥ったプロデューサーが、事態を収拾しようとして、かえって「おまん○」を連呼しまくるところであった(^^)。
 多分、当時少年マンガで「おまん○」という言葉を最も表記したマンガであったことは想像に固くない。私もこれでこの言葉を覚えました(博多ではもちろんアレのことは「ぼ○」っていうから。これも有名かな)。ついでに「国営放送」という言葉も。
 もう一つはいしかわじゅんの『約束の地』。村田春夫という名で、村田英雄と合体させてるが、より三波さん側に近い。「素顔が地味」という意味も含めて。『ブルース・ブラザース』にインスパイアされたとおぼしいこのマンガを読めば、三波春夫が日本のジェームス・ブラウンであったのだなあ、ということがよく解る。
 と言うかJBがアメリカの三波春夫なのだな。


2001年04月14日(土) 土曜ワイド「女三人露天風呂殺人事件・湯煙の向こうに殺意が見えた」……ってウソだからね。

 連休第1日目。
 休みだというのに目覚めたのは6時。女房じゃないが、打ち上げだって言うんで緊張してるんだろうか。
 夕べからの部屋の片付け、まだ全然終わっていないので、午前中はそれにかかりっきり。本を積み上げ、床を広げて、女房が掃除機をかける、その繰り返し。
 昼前には二人ともすっかりくたびれ果てた。
 ……出かける前に疲れてどうするんだろうね。
 女房は仮眠、私は風呂に入ってひと休憩。……って、今から温泉行くのに(^_^;)。

 実は朝の時点で、どこに行くのか知らなかったりする。
 幹事は女房と鴉丸嬢の二人なのだが、初め私は金欠病で参加しないつもりでいたからだ。給料取りが情けない話であるが、来月東京行きが控えているので、そうそう散財は出来んのである。
 で、結局、今日は鴉丸嬢と女房のおごり。
 ……って、女房がおごってちゃ節約にならんやんか。

 2時にJR吉塚駅で待ち合わせ。
 女房と私は15分ほど早く着いたが、よしひと嬢もじきに到着。髪をバッサリ切られていたが、何かあったのだろうか……うーん、発想がオヤジ。
 ともあれ、元気そうで何より。何しろ会うのはほぼ一月半ぶりである。
 「台本進んでる?」と聞くと、
 「てへへ(はあと)」と笑われる。おいおい。
 一応シノプシスは膨らんだようだが、キャラ設定は詳しくなったものの、ストーリーはまだまだ人間どうしの葛藤が描かれてなくて、ドラマとしては弱い。完成までにはもうしばらく時間がかかりそうである。
 20分ほど遅れて鴉丸嬢も合流。黒のブラウス、タイトスカートで、黒づくめ。一瞬「魔女」かと思った……って失礼な。家から駅まで数キロ歩いてきたそうで、そりゃ遅れるわな。帰りが遅くなることを土壇場で思い出したそうで、この子も相当あわてものである。

 あわてものといえば、今回の打ち上げ、参加者はこの四人だけである。
 なんでも女房が「14日はどうかなあ」と鴉丸嬢に問い合わせた次の電話で、もう「宴会場の予約取ったよ!」と他のメンバーの事情も聞かずに即決しちゃったそうなのである。
 おかげで殆どのメンバーが「仕事で」「お金が」等の理由で欠席。
 塩浦嬢は直前まで参加予定であったが、「大学の単位が」とドタキャン。
 こうなるともう一回くらい第2次打ち上げを企画せねばならんのではないかな。

 篠栗駅から送迎バスに乗って、「レイクサイドホテル久山」というところに向かう。なんだか豪勢だなあ。私ゃてっきりケチ臭い女房のことだから、どこぞのしもた屋みたいな温泉宿に行くのかと思ってたが。
 ……つげ義春かい。
 風呂が24種類もあるというのがウリだそうで、女房もその数に惹かれたらしい。
 送迎バスの中で既にみんなのテンション、相当高くなっている。
 鴉丸嬢は、昨日、職場で「明日温泉でしょ? がんばってね!」と激励されて来たそうな。温泉で何をがんばるのか。
 女房は買ったばかりのデジカメを撮りまくる。例の事故の示談金でこっそり買っていたのだ。……以前も事故でお金をもらったことがあるそうで、これじゃホントに当たり屋である。
 「あぶく銭で買ったカメラ〜♪」
 と女房は踊っているが、なんだか人間が間違ってるぞ。

 ホテル到着、腹は減っていたがまずは風呂へ。
 入口のところで、鴉丸嬢に「ここからはお別れよ」と言われる。誰も覗きはしないっちゅ〜のに。どうしてみんな私を中年スケベ親父のように言うかな。……中年だからか。ぐすぐす(T_T)。

 内風呂はなんの変哲もなく、そう広くもなくあまり面白くない。
 早々に露天風呂の方に行く。
 ●岩風呂……そう広いというほどでもないし、景色も悪い。というか回りが建物で何も見えない。「レイクサイド」って、湖はどこだ。女湯側か? 温度はぬるめで冬場は寒そう。
 ●石菖(しょうぶ)サウナ……要するに菖蒲湯のサウナ版。匂いがよく、これはなかなかよかった。ログハウス形式にしたのは日本初だそうだが、別に初だからどうしたってものでもないよな。
 ●檜湯……京都大学の丹羽ハカセが発見したSGES石(SUPER GROUTH ENERGY STONE)というモノを使用しているそうである。うわあ、スゲエ眉唾。って言うか、絶対にバチモン。
 温泉宿のこういう効能はたいていウソというのが常識だろうが、それにしても「京都」の「丹羽」ってのが芸がなさ過ぎ(……そう言や、『仮面ライダーV3』のブラック将軍役の俳優さんに「丹羽又三郎」っていたよな。……ありゃ「ニワ」か)。しかも「スーパー・グロウス・エナジー・ストーン」だなんて、そのあと「メイク・アーップ!」ってつけたら巨大化しそうで怖いわ。
 もしやと思って帰宅してから「京都大学」と「丹羽」で「GOOGLE」に検索かけたけど、案の定、引っかかったのはこの温泉の記事だけでした。
 ●真珠風呂……看板に楊貴妃の絵が書いてあって、「浮いているのは真珠の粉末です」とあるが、どんなに目を凝らして、湯を掬ってみても、粉らしいものは全く見えない。でももしかしたらしょーじきものにしか見えない粉なのかもしれない(^^)。
 湯は乳白色で、何となくスーパーで買った「なんとかの湯の元」である。……ホントに入れてんじゃねーのか。
 ●薬湯……福岡の温泉センター、たいていこの薬湯があるのだが、卸売りの業者でもいるのか。謎の薬草をナップザックみたいな袋に詰めたモノを湯船に浮かせているのだが、色はどす黒い緑色で、匂いは腐ったお茶っ葉にそっくり。
 5分も浸かっていると、皮膚の薄いところがヒリヒリしてくるが、薬が効いているのか、それとも単に傷口にカラシ塗ってるのと同じようなものなのか。
 あとで聞いたら、よしひと嬢、全身が痛くなったそうである。
 女房も事前にちゃんと教えてやればいいのに、コロッと忘れていたそうである。ひでえなあ。
 ●打たせ湯……しょっちゅう肩が凝っているので、気持ちがいい。……最近、女房は肩揉んだり、腰をほぐしたりしてくれなくなったものなあ。グスグス、と感慨に浸る。
 ●ワイン風呂……って、女風呂のほうにしかないんだと。男性差別か。
 ●洞窟風呂……これも男湯の方には見当たらなかったぞ。男はどうでもいいのか。くそ。

 なんだかんだで、1時間ほど入っていたが、女房たちは1時間40分も入っていた。……ワイン風呂が気にいったかな。
 待ちぼうけの間、ロビーで天藤真の『星を拾う男たち』を読む。でも初めの短編二本しか読めず。
 どうも旅行などに本を持って行く癖が昔から抜けない。
 女房からは「一緒にいて楽しくないの?」と散々怒られているが、単に活字中毒なだけなんだってば。

 風呂あがりに食事、私は炒醤麺(じゃーじゃーめん)を頼む。値段は700円で高過ぎ。量からいっても400円でペイするはずだ。よしひと嬢が食べたことがないというので、少し分ける。辛味を抑えてあるのでまあまあイケル味だったのではないか。
 よしひと嬢はジャワカレー、鴉丸嬢は炒飯、女房は坦々麺。みんな一律700円である。……だって他のメニューは全部千円以上なのだもの。

 そのあとよしひと嬢はくたびれて仮眠、残りはもう一度風呂に入って、7時にホテルを出る。
 宴会は9時からなので、それまで香椎のゲーセンで暇つぶし。
 「右脳テスト」なんてのがあるので、みんなでやるが、ボタンの押し方が分らず、最悪の結果。女房にも負けてしまったが、雪辱戦を果たそうと意気込むのもなんだよなあ。でも「推理力ナシ」とデータに書かれるのもちょっと腹立つな。
 伊勢エビキャッチャーがあったのでやってみたかったが、女房が「万が一取れたら、どうやって持って帰るんだよ!」と怒ってやらせてくれない。
 ……本当は生きてるエビが怖いくせに。

 仕事が終わった其ノ他君と合流して、やっと五人。
 宴会は香椎の「米米」という居酒屋。3500円で飲み放題のフルコースである。
 肉や脂ものが苦手で酒も飲めない其ノ他君、ネバネバ系がダメでマグロの刺身のとろろかけが食べられないよしひと嬢、で、私も酒がダメなものだから、酒ばかり飲むヤツと食いちらかすヤツとに必然的に分かれる。
 女性陣のピッチが上がること上がること、鴉丸嬢、あっという間に出来あがる。
 其ノ他君、ほんのひと月ほど会ってないうちにすっかりたくましくなっている。ガテンな仕事してるせいだろうなあ、力コブが本気で凄い。
 「それならもう女の子に間違えられないですむねえ」と言おうとしたら、
 「この間も男にナンパされちゃって」と、フォローのしようがないことを言う。……美少年と言うものもこれでなかなかツライものがあるような。
 「櫃まぶし、食べたことないんすよ、食べたいんですけどねえ」
 と言うので、
 「1500円するよ」
 て言ったら、
 「たけえ〜!」
 と悲鳴。だってうなぎなんだもの。でもいつかご馳走してあげたいものだ。
 其ノ他君とばかり喋っているので、鴉丸嬢が焼きもちを焼く。ああ、若いっていいなあ。
 台本の話も少しするが、キャスト不足が深刻で頭を痛める。この分だと私も出演せざるを得なくなるが、相手役が女房以外の女性になった場合、女房のジェラシーが怖い。
 「大丈夫だよ、芝居の最中は焼きもちなんか焼かないから」
 と本人は言うのだが、
 「ウチではどうなんだよ?」
 と聞くと、
 「焼きもち焼くのは夫婦のサービス(はあと)」
 と軽く言ってくれる。そんなんマクドナルドのスマイル0円以上に要らんわ。
 フルコースのメニューは焼き鳥各種、豚肉の卵とじ、生野菜のサラダの山盛り、手巻き寿司など。飲み放題を考えると、まあなかなか安い方であった。鴉丸嬢に感謝。

 そのあと、カラオケ「KARAPARA」になだれこみ、午前1時までみんなで熱唱。ホントはここで藤田君も参加の予定であったが、ちかくにまで来ていながら、「駐車代金がない」ことに気付き、帰っちゃったのだのだそうな。……バカだなあ。
 帰りがけ、其ノ他君はまた気分が悪そうにしてたが、大丈夫だったろうか。こちらもぶっくたびれていたのであまり気にかける余裕がなかった、申し訳ない。

 よしひと嬢もお連れして、ウチに帰りついたのが午前2時。
 女房もよしひと嬢も、そのままバタンキューと寝入ってしまったが、私はまだメール書きや前日の日記書きで寝られない。結局寝たのが午前4時。明日が休日でよかったなあ。


2001年04月13日(金) ファイティング・スイーパー/『こち亀』124巻(秋本治)

 昨晩、2時ごろまで寝つけなかったので、女房に「朝になったら起こしてくれ」と頼んで眠る。
 ところが、朝目覚めてみると、もう7時。女房のやろう、またもやぐごが、うおあ、げびびぶーと高いびき。……昨日あれだけ寝ていて、またなんでこんなに眠れるのだ。
 慌ててタクシーを拾って職場に駆け込み、ぎりぎりセーフ。うわあまた散財。
 帰宅して「頼ンどいたのになんで起こしてくれないんだよっ!」と文句を言うと、「ダメって言ったよォ!」と言い返してくる。そんなん聞いた覚えがない。女房が心の中で言っただけか、私が頼んだ直後に落ちたかのどちらかであろう。
 女房がよく私の事を「3秒で寝る男」と呼ぶが、実際、私は目を閉じた一瞬で落ちてしまうこともザラだ。で、夢を見ないときなどは、自分の感覚では目を開けた一秒後にはもう朝になっているので、睡眠と言うより失神に近いように思う。
 ずっと子供の頃はどちらかというと寝つきが悪いほうだと思っていたのだが、いつから私はこんなになったのだろうか。体調的なものもあるかもしれないが、何となく心理的な作用のようにも思える。
 現実逃避の願望が強いのかなあ、と思っていたら、今朝見た夢は、「ピーター・セラーズが来日して、ドサ回りのスタンダップ芸を見せる」というものだった。
 どこかの地下の小さな小劇場なので客は百人もいない。その中の一人として私は、パーティグッズのヒゲメガネをつけたセラーズがタキシード姿で手品を披露しているのを眺めているのである。
 「セラーズはとうに死んでるし、これは夢だな。しかし、セラーズほどのヒトをこんな場末で働かせる夢を見るなんて、俺はなんてひどいやつなんだ」……と、夢の中の私は考えているのである。
 じゃあ夢の中の私の意識がはっきりしているのかというとそうではなく、「この夢、何度見たかなあ」と、今日初めて見た夢なのにそんなことを考えているのだ。
 ……居たたまれなくなって目が覚めたら7時、ということだったのだから、セラーズのおかげで遅刻せずにすんだのかな。

 帰宅して昨日の日記を書こうとすると、「今日こそ部屋を片付けてよ!」と女房がうるさい。
 私は買った本のカバーは必ずつけておくことにしているので、そのままだと何の本だか分らない。それで表紙に筆でタイトルを書いておくのだが、未整理の本が溜まっていたので、それを書いていくだけで時間がかかる。
 「私が書いてあげようか?」と女房がねだるような視線をこちらに向けるが、言下に「ダメ」と断る。
 女房の字は小学校低学年並のへたくそさで、それでもまあなんとか読めなくはないのだが、問題なのは徹底的に字配りができない、ということである。何度か表書きを頼んだことがあるのだが、最初にどでかく書くものだから最後はジリ貧で、作者の名前を書けないことも多かったのだ。
 なんとかタイトルを書き終わって、大きさごとに並べる。で、あとは本棚に並べたいところなのだが、既にウチには、本棚を置くスペース自体がない。つまりあとは床やテープルの上に平積みしていくだけである。
 ……片付けとは言わんわな。数年後にはどうしたって別に部屋を借りるか購入せざるを得ないが、女房はやたらと「ロフトつき」の部屋に拘っている。……本の収納にまるで向いとらんやないか。



 ウチの劇団のHPに、ようやくよしひと嬢とハカセ嬢の二人のプロフィールが新規で載った。

 よしひと嬢、ここしばらく体調を崩したりしていて、とんと音沙汰がなかったので心配していたのだが、どうやら元気になったようで、ホッとする。
 何と言っても演劇集団 P.P.Produceのマドンナであり、天照大神であらせられるお方だ。このまま天岩戸にお篭りのままでは、メンバー内の士気にも関わるところであった。これでようやく次の芝居の準備にとりかかれる目途が立つというものである。
 それにしても、昔からそうだったが、初対面でよしひと嬢の魅力にコロリと参る男どものいかに多いことか。AIQの某氏もよしひと嬢を称賛されていたし、ウチのメンバーの某君も、今回のプロフィールの中のコメントで、優しい言葉をかけられて有頂天になっている。
 ……でもねえ、よしひとさんはねえ、まあ、なんちゅーか、音無響子さんだし、天道かすみお姉さんだからねえ。……大変っスよ、これは(←何がだ)。

 ハカセの芸名もどうやら「桜穂希」と決まったようなので、これからは「穂希嬢」と表記することにする。「桜嬢」だと「桜雅嬢」と似ていて紛らわしいからね。でも多分劇団内部では「ハカセ」と呼ばれつづけるように思うけど。
 ……しかし、このプロフィール、ネコかぶってやがるなあ。こないだペラペラ喋りまくってた○○○○○○○○○○の話なんかはどうなったのだ。

 マンガ、秋本治『こちら葛飾区亀有公園前派出所』124、巻読む。
 いや、別に全巻買っているわけじゃないぞ。時々気まぐれで買っているのだ。
 それにしても、四半世紀の間に秋本さんの絵柄も随分変わった。……実のところその変化が、進歩ではなく退行しているように思われるのが残念なのだが。
 麗子やマリアのバストは初登場時に比べて2倍はでかい超巨乳になっているが、こんなんセクシーでもなんでもない。デッサン狂ってんじゃないか、こいつ、と思われるのがオチである。全体的にキャラクターがどんどん記号化しているのが、読んでいてつらい。
 骨太で、今読み返すと劇画チックで読みにくかったかつての絵柄のほうが、キャラクターに命を通わせていたように思えてならない。

 夜になっても部屋の片付けはまだまだ終わらない。
 しかし、9時を過ぎた頃には猛烈な睡魔に襲われる。どうにも我慢しきれずにきゅう、と寝たところに、福岡シンフォニック合唱団のUさんから電話。
 うわあ、しまった。先週、映画にお誘いしていたのをけろっと忘れていた。てっきりお怒りの電話かと思ったら、Uさんも約束をすっかり忘れていたのであった(^_^;)。
 でもまあ、こちらがミスった事実に変わりはない。寝惚けた頭で必死に謝るが、向こうも夜中に電話してきて申し訳なかったと始終謝りっぱなしである。
 「どうもすみません」
 「こちらこそすみません」
 「いえそんな、こちらこそすみません」
 「いえいえそんなそんなこちらこそすみませんったらすみません」

 ……下手な落語じゃあるまいし、何を謝罪合戦してるんだろうなあ(^_^;)。



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藤原敬之(ふじわら・けいし)