無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2001年03月18日(日) めおと変態/『セクサドール』(石ノ森章太郎)ほか

 休日だけれども出勤。と言っても午前中だけだし、帰りに買い物もできるのでまあいっかな。
 この間から女房が「マクドナルドの照り玉バーガー食いたい」とぴーぴーうるさいので買ってきてやる。女房はやっぱり寝ていたが、「ハンバーガー食うか?」と聞いたら「食う」と言って起きてくる。
 ポストの中に郵便局の不在通知が入っている。送り主を見てみると、「アートスフィア」。わわわっ。シティボーイズミックス『ラ・ハッスルきのこショー』のチケットではないか。女房のやつ、また寝ていて郵便に気がつかなかったな。
 いつも「一日中寝てるわけじゃない」と嘯く女房だが、それなら全ての郵便が不在通知になる事実はどう説明をつけるのだ。
 慌てて郵便局に電話して、夕方に届けてもらうようにする。
 6時過ぎにチケットが届く。ちゃんとS席3枚、5月3日の分だ。前の方でもやや端のほうの席。チケット販売2時間後だとこんなものか。ともかくこれで東京行きは完全決定である。今月と来月は節約せねば……って、『ガメラBOX』に『ブルース・ブラザースBOX』もあるんだよう。食費を減らすしかないじゃないか。
 ……来月はラーメン生活だな。
 チケットと一緒にチラシも封入されていたが、表はタイトルのみ、裏は会場と問い合わせ先のみ。出演者の写真すら載っていない。情報量は必要最低限に絞られているのだが、それがかえって潔くすっきりしたデザインになっているのはさすがである。ウチのチラシはこうはいかないものなあ。
 来年の仕事の予定が先日決まったのだが、5月6日に休日出勤なんぞが入っているのである。……危うくニアミス(・・;)。もっともぶつかったらぶつかったで仕事を誰かと交代してもらったのに違いないのだが。
 
 女房に「飲み物持ってきてくれ」と頼むと、突然、口にお茶を目いっぱい含んで「むふふふふ」と気持ち悪い笑い声を立てながらせまってきた。
 思わず女房を蹴飛ばし「な、なんだ!?」と叫ぶと、女房はお茶をゴクンと飲み干し、ドアのカレンダーを指差して、「あれのマネ」。
 見ると、そこに掛かっているのは「妖怪暦」で、寝ている人間の口から精気を吸い取っている妖怪「山地乳(やまちち)」の絵が。
 何が楽しゅうて貴様はこんな毛むくじゃらのトンガリ口のナインティナインの岡村似の化け物のマネをせにゃならんのだ、この変態めが。
 ……ちなみにこの『絵本百物語・桃山人夜話』から採られた絵だが、山地乳に寝息を吸われている若衆、年配のオヤジと同じ蒲団に寝ているのである。……するってえと、こいつ、ホ○……?(・・;)

 なんだか最近女房の変態度は以前よりも更に輪をかけてグレードアップしてきているのである。

 昼間疲れてぐっすり寝ていたので、ビデオも本も少しだけ。
 録画しておいた『仮面ライダーアギト』8話。
 一杯地にまみれたアギトのリベンジ編、というのは定番だが、おもちゃの飛行機を見ているうちに飛んで攻めてくるカラス男の弱点を発見するあたりが、描写不足でよく分らない。
 真魚が、壊れたベッドを修理している翔一の姿を見て、自分の父を殺したのが翔一であるはずがない、と納得するのもちょっと展開があっさりしすぎているのではないか。「超能力少女」と言っても、こう簡単に迷いが生じる程度の能力だと、今一つドラマを牽引していけるほどのベクトルには欠けるのである。
 謎の少年、またひとまわり大きくなっちゃったが、このへんで打ち止めだろうなあ。アンノウンの正体のヒントがまるで出てこないので、どうもシナリオライター、先の展開をあまり考えてないんじゃないかという気もしてくる。アギトにギルスにG3と、三本のドラマを互いに関連させつつ進めて行くというのは大変だろうが、なんとかうまくまとめてほしいものだ。
 今日は深夜にも、『サンデージャングル』で『アギト』の特集をやっていた。三人の主役は女性週刊誌の取材も受けるほどの人気で、その秘密は「くしゃっとした笑顔が癒し系」だからなそうな。でも番組のプロデューサーは「癒し系って意味はよくわかんないんですけどね」と正直にコメントしていた。
 私なんぞは藤岡弘の生きざま見てた方がよっぽど癒されるがなあ。
 ヒロインの秋山梨奈ちゃんは今年から高校一年だそうな。素顔はフツーの女の子である。おおっ! いつも番組では髪を下ろしていたが、髪を上げると首筋にホクロがっ! これはチャームポイントだっ! ……って何を娘みたいな女の子に入れこんでんだ(-_-;)。
 私も結局、女房と同じく変態(T_T)。

 ビデオ『D』episode2。
 この監督、てっきりダーティーヒーローものがやりたいのかと思っていたら、そうじゃなくてただ単にグロがやりたいんだな。隕石怪獣が鶏にとっつくってのも明らかにグロ狙い。
 見ていてどうにもイライラするのは、まともな神経を持った人間が誰もいないってことだ。「どうせ死刑囚だから怪獣にぶつけちまえ」って、『スケバン刑事』でもやってた設定ではないか。というか、西部劇でならず者を保安官にしたてたネタあたりがルーツだろうから、新味のないこと夥しい。
 安手の『県警対組織暴力』の中に怪獣とロボットぶちこんでるようなもので、主役も脇役もみんなさっさと死んでくれないかなー、とこちらも殺伐とした気分になる。
 ああ、あと一話か。見るのキツイなあ。最後に一人くらい、清純なヒロインが現れて、「もうこれ以上、人を殺すのはやめて!」とか主役に涙ながらに訴える……なんて展開にはならんのだろうな。

 マンガ、石ノ森章太郎『セクサドール』1・2巻(完結)。
 先日から石森さんの旧作を少しずつ揃えていこうと買ったもの。エロマンガでもちゃんとSFしちゃうってところが石森さんらしい。
 というか、「ロボットに心はあるのか」とか「人とロボットの間に愛は生まれるのか」とか、これ手塚治虫の『鉄腕アトム』と同じテーマではないか。手塚さんの存在って、やっぱりトキワ荘の人たちには抜き差しならないほどの影響与えてるんだよなあ。トラウマに近いのかもしれない。

 さあ、明日仕事をすれば休日だ。今度こそ原稿を……書ければいいな。


2001年03月17日(土) 嫌煙権を振り回す気はないけど/『風雲ライオン丸』(うしおそうじ・一峰大二)ほか

 夕べからの頭痛が、一晩寝ても治らない。
 日頃煙草の匂いと全く隔絶した生活を送ってるので、たまにちょっと道端なんかで匂いを嗅いだだけでも覿面、アタマに来てしまうのである。
 あ……、そう言っている間にも頭の奥がガンガンと……。

 駅のホームなんかで平然と煙草吸ってるやつらや歩きながらカッコつけて煙草吹かしてるやつらは、自分が周囲にどれだけ迷惑かけてるかなんて意識はカケラも持っちゃいないんだろうな。喫煙コーナーで吸ってるんだからいいんだ、とか、風に流されてるから迷惑なんかかけてない、なんて思ってる連中に至っては最低なクソ野郎である。か、風で流れるから被害が広がるのではないか。煙はそんなに簡単に薄まったりはしないのだぞ。そんな簡単なことも認識できんのか。ほ、ホームのどこにいようと煙は風で流れてくるのだ。逃げられないのだ。被害は無差別に周囲の人間を攻撃し、苦しめているのだ。私がそれでどれだけ苦しめられ脳細胞を破壊されてきたか知っているのか貴様らは。こ、これはもうまさしく毒ガス攻撃ではないか。げほげほげほ。サリン事件がどれだけ多くの人間を巻きこんだかを考えてみればいい。貴様の一回の喫煙で少なくともその近くにいた数十人、数百人、数千人が確実に被害にあっているのだ。お、お前らはナチスドイツやオウムと同じ行為をしているのだぞ。この鬼め人非人め悪魔めド外道め。私の壊れた脳細胞を返せちぎれたニューロンを返せ。
 喫煙の常習者は既に脳が犯されているのでもうそんなことも想像できないくらいバカになっているのだ狂っているのだ。そのくせやつらは我々非喫煙者を大人になれぬやつらとバカにし、シニカルに笑って煙を吐きつけてくるのだ。こ、この既知外どもめが。あんなやつらを放置しているから巷には犯罪者が増え教育が荒廃し政治が腐敗し国家が崩壊していくのだ。喫煙者はみんなとっ捕まえて隔離してしまえ。踏絵を踏ませろ。改宗をせまって従わぬやつは拷問にかけろ。クズどもはみんな粛清だ。血だ血だ血だ。日本を喫煙者の血で染め上げるのだ。まずは私が手近にいる喫煙者を始末してやるぞ。
 ……お? あそこに女を待ってるらしい喫煙者がいるな。吸殻が足元にうずたかく山になっていやがる。どうせ喫煙者のことだから女を引っ掛け弄んだ挙句に捨ててやろうとしてるに違いない。あんなやつはこの世から消えた方が世界のためだ。あいつのノドもとにグサリとこのナイフで……。うひひひひひひ。

 ……ほら、煙草ってとっても危険でしょ。心の健康のため、吸いすぎには注意しましょうね。

 帰宅して風呂に入り昼寝する。夕方近くになってようやく頭痛も収まった。ほぼ丸一日、苦しい思いをしたが、気分もなんとか落ち着いてくる。
 その間、多少危険な考えが心を支配していたようであるが、まあ、私の中のトレイシー・ハイド氏(*)の仕業であるので、あまり読者の方は気になさらないように。あ、藤田くんに其ノ他くん、私の近くで煙草を吸っても多分危険はないと思うので安心してね。

 昨日は「ポパイ」に5時間以上居続けだったので、日記を書くヒマもなかった。こういう時に限ってやたらと本を読んでいて、書くことが多い。うわあ、一昨日の分から溜まっているのだ。もう何をしたか細かいところは覚えていないぞ。なんとかちぎれかけたニューロンをつなぎ合わせ、記憶を取り戻しつつ、ひたすら日記を書く。

 マンガ、内藤泰弘『トライガン・マキシマム』5巻。
 うわあ、ミッドバレイがもう死んじゃった。ナイブズへの反逆の芽を持っていた人物だけにもう少し引くかと思ってたけど。GUNG-HO-GUNSももう殆ど残ってないなあ。あと数巻で終わりってことなんだろうか。
 私はこの『トライガン』シリーズを「人を傷つける意志もないのに傷つけてしまった人間の贖罪の物語」と受け取っている。この場合、その「贖罪」をしようとする主人公のヴァッシュが実は「人間ではない」ことが逆に重要な意味を持っている。「人間でないモノ」だけが贖罪を考えているということは、つまりはそもそも「人間に贖罪が可能なのか」という問いにも繋がっていくからだ。
 しかもそこにもう一つ「人はどこまで非暴力を貫けるのか」という問いまでが絡んでくる。
 実にハードなテーマに取り組んじゃったなあ、この作者、と思っていた時に起こった、例のバクダン事件。掲載誌の変更といい、作者もいろいろと不運なことであったが、メゲずに書き続けているのは立派だ。出版社が少年画報社というのも幸いしたのかもな。あまりデカいとこだと、連載切った方がリスクが少なくてすむ、と判断されちゃうだろうし。
 アニメ版と展開が違ってきているのも嬉しい。もしかしたらウルフウッド、死なずにすむかも……と言うか、死なさない方法を考えて欲しいなあ。彼もまた彼なりの十字架を背負いつつ生きているのだから、それが「死」という形でしか決着を付けられないというのは安易だと思うからだ。

 マンガ、和田慎二『超少女明日香 聖痕編』2巻(完結)。
 完結ったってどうせまだ続く(^^)。というか出版社を白泉社からメディアファクトリーに変えて(これで二度目だ)、更なる新シリーズを始めるためのプロローグって感じの作品だった。
 おかげで一也も出て来ない。でも明日香のヌードが初めてカラー収録(うへへ)。どっちかというとチンチクリンの明日香の方が私は好きだが。
 しかし明日香を自然の友という設定にしておきながら、いつまで経っても一也と結ばれないように仕向けているということは、自然ってのはやっぱり意地悪なものだってことなのであろうか。前作までで自然保護団体の欺瞞をバッサリ切って捨てた和田慎二だけに、中途半端な話にはならないと期待しちゃいるが、無理矢理なすれ違いドラマにするのはもうそろそろカンベンして欲しいかな。

 うしおそうじ・一峰大二『快傑ライオン丸』2巻、『風雲ライオン丸』(完結)。
 あっ、テレビ版でゴースンの人間バージョンを演じていたの、天津敏さんだったのか。放映当時見ていたはずなのにすっかり忘れていたぞ。こ、これはなんとしても手にいれねば……って、どうやって(-_-;)。
 多分DVD発売なんてそうそうやるまいし、されたとしてもBOXだろうし。一話かそこらのために全話買うほどの番組じゃないしなあ。
 それより『隠密剣士』と『仮面の忍者赤影』のDVDBOX出ないかなあ。これなら天津さん目いっぱい出てるし、絶対に買うのだが。
 それはそれとして『ライオン丸』である。
 一峰大二の絵は、イマドキの若い読者には濃過ぎて親しめないかもしれないが、私は好きで愛読していた。昔のマンガの伸びやかでやわらかな線と、劇画の硬質で骨太な線とが混じったような感じで、後半完全に劇画になりきって面白味のなくなっていった川崎のぼるの『巨人の星』より、一峰さんの『黒い秘密兵器』の方が野球マンガとしては好きなのである。
 『風雲』の第2話、『シャゴン』は特にギャグが満載で(設定がもともとギャグという批評は置いといて)、三吉が作った機関銃の石のタマが地虫忍者の口に「ガポッ」とはまるシーンだの、その三吉を誘拐して無理矢理作らせた特製火薬による弾丸が暴発した途端、怪人シャゴンが「ムハーッ」とのけぞるシーンだの、擬音が水木しげる的に大げさで、その大らかさが本来シリアスなドラマ展開を適度に緩和していていいのだ。やっぱり敵を切る音は「ドバッ」でなくちゃな。
 キザなシーンもあるぞ。志乃と三吉を救ったジャガーマン、三吉から「なぜおいらたちを助けてくれたんだい?」と聞かれて、「おまえの姉さんがきれいだからだ」。……豹に「きれい」って言われてもなあ(^_^;)。
 テコ入れのためだったのだろうが、ライバルのジャガーマンを殺し、ライオン丸も傷つき挫折し、新たに『快傑』のレギュラーライバルだったタイガージョーの弟を登場させてライオン丸を激励させる展開も定番だが充分ドラマチックだ。
 だから戦国時代なのに「ロケットライオン変身!」はないだろう、なんてクダランツッコミはどっかにすっ飛んでしまうのである。いや、突っ込んで楽しむのはいいんですよ、もちろん。
 うしおそうじはまたぞろ「立体アニメでリメークを」なんてラッパ吹いてるが、誰も金出しゃしねーって。
 『快傑』と『風雲』の巻末に収録されているうしおそうじ本人の筆になる原作版『風雲ライオン丸』、昭和48年の時点でもこの30年代を思わせる絵物語風の絵柄で堂々と描いていたというのはすごい。
 設定のいい加減さは一峰版の更に上を行く。一峰版では三吉たちの馬の名は「アオ」なのにうしお版は「しぇーん号」。ひらがなにしたってなんの意味がある(^_^;)。セリフも妙にくどい。「これは母上がかたみにくださったかたみのポンチョです」。ポンチョもなんだかなあ、なんだが、「かたみ」を二度繰り返すのはなぜなのよ。
 ブラックジャガーに変身する時のセリフ、「豹変!」……いや、文字通りなんだけどさ、「豹変」ってそういう意味じゃ……。しかもそれを見た敵の怪人のセリフが「変身したぞ! なまいきなやつめ!」。なるほど「豹変」するのは「なまいき」なのか。世の女の子は、もし男に襲われそうになったら「なまいきよ!」と怒鳴ってあげよう。きっと相手は自分のなまいきさを恥じて退散してくれるでしょう(^o^)。
 脱力するセリフはとても多過ぎて書ききれないので、あとはどうぞご購入して確かめて下さい。ただし各巻1800円します(T_T)。

 半徹夜で日記を書きつづけていると、夜中に東京の友人のこうたろうくんから電話。何だか成り行きで劇団の関東支部長になってしまったのでご挨拶である。
 「ホントに俺がはいっちゃっていいの?」
 と、遠方でなにも手伝えないのにオジャマムシではないかと気にしている。何がお邪魔なものか。「人生は舞台」というのが真実ならば、その舞台に立ってる人は「必要だから」「役に立つから」そこにいるのではなく、「そこに立ちたいから」そこにいるのである。
 演劇が他の職業と違うのは資格なんかいらないということである。その人に芝居の才能があるか、とか、練習をどれだけ積んだか、ということは、演劇をする上では実はなんの意味もないのだ。そこで「何かをしたい」(「何かが出来る」ではない)、という気持ちだけが唯一の条件と言えば条件。
 ……となれば、ウチの劇団に入るのなんて、「何かしたい」だけで十分で試験なんていらないんだけどね。女房のやつ、こうたろうくんにレポートまで書かせたらしい。なんてイジワルなやつなんだ(^_^;)。
 久しぶりに声を聞けたので、つい『ホームズ』や『ワンピース』、『仮面ライダーアギト』の話など、長話をしてしまった。オタク同士で話をし出すと、楽しいことは楽しいのだけれど話の切れ目がなくなるのが玉にキズなのである。電話代かけさせちゃって申し訳ない。
 しかしこうたろうくんに「面白い!」と勧められて、俄然、『ワンピース』と『デジモン』、見に行きたくなってしまったぞ。女房と一緒に行く時間もなかなか取れないし、困ったなあ。

 (*)今日の蛇足。
 ギャグが通じない人がいると困るので一応書いとくけど、「トレイシー・ハイド」ってのは映画『小さな恋のメロディ』の主演の少女俳優です。『ジキルとハイド』とはなんの関係もありません。……頭ん中にトレイシー・ハイドがいたらちょっと気持ちいいかも。
 あちこちタグを使おうかとも思ったけど、今日のはちょっと切れた演技をしているので、それを本気に取るバカがいると困るなあ、刺激が強すぎるかもと思ってやめました(兼好が『徒然草』の中で「既知外の真似するやつは既知外」と言ってたな。当たってる場合もあるがそうなると役者はみんな既知外である)。
 個人のホームページでそこまで気をつかわんでもとは思うんだけどね。


2001年03月16日(金) ワーオ、なんてこったい!/DVD『シックス・センス』ほか

 ここ数日、すっかり春めいてきていて、仕事場に自転車で行く時もしっとり汗ばむようになってきた。でも桜はまだつぼみもつけていない。
 季節は春が近くとも、世間じゃ殺伐とした事件が続いている。新聞は「戦後初のデフレ」を大見出しで載っけた。昔、やたらインフレが続いてたときゃ、「物価は上がるしかないのか」と暗澹たる気分になったが、デフレはデフレで物価も下がるが給料も下がるんでやはりよくないそうである。……だったら結局、経済が安定してる状態、なんてものが幻想じゃないのか。
 女房はよく「大金持ちになりたい」と妄想してるようだが、端で見てると『どですかでん』の乞食の親父(三谷昇が演じてたね)みたいで、いつか「プールが出来たよ!」と言い出すんじゃないかと思うと気が気でない。とりあえず私も「うん、そうだね」と相槌を打つのみである。

 昨日の寝不足がたたって今イチ元気が出ない。自業自得なので早退するわけにもいかない。それに今日は女房の夜の仕事が休みということなので、前々から約束していた通り、博多駅のインターネットカフェ、「ポパイ」に行くことにしているのだ。平日の夜というのは正直な話、ちょっとキツイのだが、今週は休日出勤もあるので、何曜日に出掛けようが大した差はないのだ。なんとかペース配分しつつ、体を誤魔化すことにする。
 体調がよくないのは糖尿の薬がそろそろ切れかけているせいかもしれない。仕事の関係で医者に行くのが遅れているので、仕方がないのだが、どうせ病院変わるんだしなあ、と思うと、薬だけをもらいにいくのも億劫になるのだ。毎日飲まねばならぬのを二日に一回と言うように分けているが、これだと検診の結果が悪くなるかも知れず、またまた医者の説教を聞かねばならぬかと思うと気鬱になる。

 帰宅してみると女房があられもない格好をしている。と言ってもコスプレしているわけではない(女房に出来るコスプレなど、ドラミちゃんぐらいのものだ)。
 てっきり出かける気をなくしたのかと思ったが、やっぱり行くという。
 ……あとで判明したが、目当てはやはり『ナニワ金融道』であった。
 だからなぜそこまで『ナニワ』にハマる?
 外はうっすら霧が出ているようで少し冷えていたが、まあ雨が降るほどではなかろうとタカを括って出かける。
 先に紀伊國屋書店で、買い忘れていたマンガなどを買う。『超少女明日香 聖痕編』2巻がやっと手に入った。でも奥瀬サキ『低俗霊デイドリーム』1巻はまだ……。一度買い損ねるとなかなか見つからないからなあ。
 「ポパイ」、前回来たときには安い席に座ったが、今日は奮発してペア席を取る。パソコンにプレステ、両方あるが個人席より大して値段が高いわけではない。6時間使い放題で一人2200円。
 女房はイスがふかふかのソファなので早速横になってニコニコしている。……私が座れんじゃないか。
 女房がひたすら『天才柳沢教授』全巻読破に挑戦している間(『ナニワ』は見つけられなかったようだ)、私は私で、DVD見たり、マンガ読んだり、ハヤシライスやエビグラタン食って、ドリンクバーで際限なく飲んで(あ、抹茶ミルクとかだからね)5時間。気がついたら午前様である。明日も仕事だってのに何考えてんだろうなあ、私は。しかも途中から隣のブースに入ったやつらがヘビースモーカーで、すっかり煙草にやられてしまった。外に出るころには頭痛と眩暈で吐き気までしている。もしかしたらと心配していた雨まで降っていた。
 途中でコンビニに寄って傘を買い、買った本が濡れぬよう、ビニール袋をもらったが、女房は「傘をさすくらいなら濡れた方がいい」と濡れ鼠になって帰る。
 体力に自信があるやつはいいよな。もう私には「春雨じゃ、濡れていこう」なんてカッコつけは出来ないのである。
 帰宅しても風呂に入りながら買ってきた本を読む。就寝は今日も2時。ああ、4時間しか眠れんやんけ。

 DVD『シックス・センス』、特典映像を目的で見る。
 公開当時は賛否両論、ラストのどんでん返しでビックリするか腹を立てるかバカにするか、反応は色々分れていたようだが、落ちついて見返してみりゃ、それほどバカにするほどのものでもない。「ありふれたネタ」とか、「途中でネタバレする」とかいうのは、この映画の場合、実は批判にはなってないのだ。別に本格ミステリーじゃないんだから。
 早い段階でネタに気づいたら、それぞれのキャラクターの演技をじっくり見てもらうのがこの映画の一番楽しい見方だと思う。
 ホント、ハーレイ・ジョエル・オスメントもトニ・コレットも半端じゃない上手さだよ。
 未公開シーンは、別にカットしなくてもよかったんじゃないかな。特にラストシーンがカットされた理由は「悲しすぎる」ということらしいが、あれは絶対あった方がいいな。

 マンガ、久保田眞二『ホームズ』1巻。
 シャーロック・ホームズのパスティーシュはこれまで小説か映画が主で、マンガは少なかったと思う。まあ、ヘタなもん作っても貶されちゃうだろうから、手をつけないほうが無難、というところなんだろうけど、そう考えるとこのマンガ、結構無謀だ。
 ホームズに鹿撃ち帽を被らせなかったのはひとつの見識かもしれないけれど、絵としてのイメージとして「ホームズに見えない」というのは失敗だよなあ。
 トリックがチャチなのも(といってもホームズの原典が今の目で見るとチャチになっちゃってるけど)、小学生向けのミステリ入門的な『コナン』ならともかく、青年マンガとしては興味を半減させるばかりだろう。
 でも何より脱力させられるのはワトスン役の「明智大五郎」。……そのうち夏目金之助とも共演させるつもりなんじゃないのか。

 マンガ、山本貴嗣『夢の掟』2巻(完結)。
 あっ、もう終わりなのか。話の展開からすると、まだプロローグって感じなのに、人気なかったのかなあ。確かにジル・ハワードっていかにもテコ入れキャラって感じだったけどな。
 作者ご本人は格闘ものに造詣も深く、それをマンガに描くことがお好きのようだが、本人が思ってるほどにはその格闘術のスゴさを伝えきれてないのではないか。格闘の「型」を描くこにこだわるあまり、「動」が今一つ感じられないのである。効果線で誤魔化してあっても、『イガグリくん』の方がマンガとしての迫力という点では勝っているのだ。

 マンガ、北崎拓『なんてっ探偵アイドル』3巻。
 借りて読んじゃったわけだけど、買うべきか買わざるべきか未だに迷う(なら買わなきゃいいじゃん)。
 ミステリマンガブームの仇花(にすらならんかもしれんが)としてとんでもないことやってくれんかと期待して読んでるようなもんだものな。既に「アイドルだけど実は大金持ちの大立者の娘(らしい)」というトンデモなキャラなら出てるけど。

 マンガ、阿萬和俊『ガダラの豚』3巻。
 ようやく原作の前半部にあたるところまで進んで終わる。ということは全6巻くらいか。中島らもの原作を気に入っているだけに、絵がヘタなのがどうにも気に掛かる。もっとマンガチックな絵柄の方がかえって恐怖感は増すと思うんだが。

 ここまでが借りた本。買い損ねた本ばかりだ。先に読んじゃってはいるけど、この辺の本も改めて買っちゃうんだろうな。……丹念に古本屋を回ろう。で、もし見つかったら『ナニワ金融道』も女房に買ってやろう。



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藤原敬之(ふじわら・けいし)