無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年09月25日(月) 日記のネタはどこにでも/ビデオ『労働戦士ハタラッカー』ほか

 ああ、苦労した。日記は開かないわ、漢字変換は出来んわ、このパソコンは時々こうなる。おかげで午前様だぞ、どうしてくれる。
 けれどこの日記だけは休まずつけると決めているので、明日の仕事に支障をきたそうとも(おい)、書くのだ。

 メンバーのみんなから「よくネタがありますねー」とか「なんでそこまでやるの?」とか言われるが、日記なんてもともと大したネタはいらないものだ。
 『枕草子』なんて「春って曙でしょ!? ね、そうよね!?」と、読者の首根っこ捉まえて揺さぶって反論するヒマも与えず自分の意見を押し付けてるが、よくよく考えてみりゃあ「それがどうした」ってツッコミたくなるネタも多いぞ。でも他人が書かなきゃパイオニア。どんな駄文も千年経てば時代の証言なのだ。

 職場にピーナッツのネクタイを締めていったら、「スヌーピー!」と目ざとい若い子に言われる。残念でした。スヌーピーはいません。……と、これが言いたくてこのネクタイ買ったんだよなあ。ガキなことですみません。

 臨時会議はやっぱりつまらない。みんなてんで勝手に自分の意見は言うが、弁証法的にまとめようという意志の欠けた会議に実りは生まれないということがわかっちゃいないのだ。所詮は意見と意見の羅列にしかならないし、その意見の分析にも繋がらないし、実践に反映しない。
 勤務時間を過ぎても延々駄弁が続く。これで起きていろというのは拷問のようなものだ。頑張ったがやはり寝る。目を覚ましたら「……結論は出ませんでしたので、また次回に会議を延長して……」
 ほら見ろ、まとまらなかった。無駄になった時間を返せ。

 帰りが遅くなったが、女房、撮影に行ったらしくまだ帰宅していない。ゴボウ天うどんを作って食べる。久しぶりにプレステ「いただきストリート」にはまる。でもゲームをしてると本も読めないし映画も見られないんだよなあ。
 女房が帰ってから、中古ビデオ屋で買った『労働戦士ハタラッカー』と『小松左京アニメ劇場』を見る。前者はごく普通の車掌さんとか大工さんを無理矢理ヒーローに仕立て上げて、幼児に職業に対する興味を持たせようというセコイビデオ。でもナレーションの田口トモロヲが寿司屋のアンちゃんに「必殺ワサビアタック〜!(うろ覚え)」なんて掛け声をかけてるのが笑える。
 後者については一言。小松左京といしかわじゅんは合わんよ。


2000年09月24日(日) ○○と○○はどちらが臭いか…汚ねえな/『いつも美空』1巻(あだち充)ほか

 ヨシヒト嬢、今日も8時に起きてくるが、オリンピック中継のため、『仮面ライダークウガ』は放送ナシ。ちょっとガックリ来ていた様子。
 代わりと言ってはなんだが、『忍者武芸帳』(一部)や『地球防衛企業ダイガード』第1・2話などを見せる。
 ヨシヒトさん、白土三平の単純な線でありながらの表現力に驚嘆した様子。確かに、今見るとずいぶん簡略化された線に見えるが、当時の手塚治虫系のマンガに比べれば、アレは「劇画」と呼ばれていて充分リアルだったんだが。
 もっとも、白土三平自身はこの後、自分では絵を描かなくなって、よりリアルで線の多い小島剛夕や、弟の岡本鉄二に『カムイ伝』を描かせていくことになる。でもそれでマンガとしての表現力が向上したかどうかは疑問だ。
 いしかわじゅんが常々言っているが、マンガの「画力」とか「うまさ」っていうのは、デッサンが出来るとかいうこととは関係がない。もっとプリミティブなもので落書きの面白さに近い。手塚治虫が「マンガの絵は記号」と言ったのも分るのである。うまく描こう、なんてところから離れたところからマンガは始まるのだ。大友克洋だって、一見リアルに見える絵の向こうに隠れた情念のようなものにみんな惹かれたんだと思う。

 女房が私の耳かきを勝手に使ってヘソのゴマを取っていたので、耳かきを石鹸で洗ったら、女房が「あんたの耳と私のヘソのどっちが汚い!」と怒る。
 ……ならお前はその耳かきを洗わずにまた耳をほじれというのか。観点が違うぞ(-_-;)。
 ヨシヒトさんにそのことを話したら笑われた。どうも私たち夫婦は端から見ると漫才をしているように見えるらしい。双方ごくマジメだというのに。

 練習後の女房と待ち合わせて映画に行くはずが、前売券を家に忘れてきてしまい、仕方なく本屋にだけ寄って帰る。空腹も重なってか、女房は文句たらたら、機嫌を直してもらうために、焼肉の「ウエスト」へ行く。とりあえず女房は肉を食わせておけばニコニコするので扱いが楽だ。……って、犬かい。
 劇団での練習の様子をいろいろ聞くが、笑える話が多い。日記にUPしたいが、当事者ではないのでちょっと憚る。ヨシヒトさんか塩浦さんか、誰か書かんかね。

 あだち充『いつも美空』1巻読む。さすがにこうも同工異曲のハナシが続くと、飽きる。設定は変わっても語り口が変わらないので退屈なのだ。続きは買おうか買うまいか?


2000年09月23日(土) 昼寝とDVD三昧の一日/映画『スリーピー・ホロウ』ほか

 なんだか久しぶりに休日を堪能している。
 朝寝昼寝夕方寝ができるというのは嬉しいなあ。深夜に見たいテレビがあっても平日だと断念してしまうが、今日は平気だし。
 女房が練習に出かけている間に、簡単に掃除洗濯をした後、買いこんだDVDを一気に見る。
 『スリーピー・ホロウ』、DVD版はメイキング映像ほか特典も充実。この映画、主演のJ・デップ、C・リッチももちろんよいが、脇に渋い役者を無茶苦茶揃えているのだ。「ドラキュラ」クリストファー・リー、「スパイ大作戦」マーティン・ランドー、「メグレ警部」マイケル・ガンボンほか、アヤシイ面々が目白押し。さすがは元祖オタク、ティム・バートン。しかも映画を監督自らの解説つきで見られるなんて……!
 監督の書いた絵コンテの線画もいい味だしてるんだよなあ。『ビンセント』ほかの初期アニメ作品を見てる私にしてみれば、この人、アニメーターのほうが向いてると思うんだが、もう実写に行ったきりでやらんのかなあ。アメリカの庵野秀明だな。
 『ガンドレス 完全版』、士郎正宗のアニメはともかく揃えようということで買ったが、人にオススメできるほどの出来ではない。却って劇場公開に間に合わなかった未完成版の映像の方が笑えるし、不充分なだけ、こちらの想像力が喚起されて面白い。『火垂るの墓』も完成版より、劇場版の線画のほうが面白かったものなあ。
 大島渚監督『忍者武芸帳』、昔見たときは退屈に思ったものだったが、不思議なことに、今見返してみると、動かぬマンガに声をアテているだけなのに、ぐんぐんドラマに引き込まれていく。マンガをそのまま使っていながら、人物を整理し、シーンをカットしたり入れ替えたりして、映画的に再構成しているのだ。しかも「原画」を使っているため、現行版のスクリーントーンは一切無く、それどころか下書きの鉛筆まで見えるのが、逆に荒々しい魅力を生み出している。故立川澄人の歌う影丸のテーマも映画音楽史に残る絶品。更にもしかすると、これ、戸浦六宏の唯一の主演作品かも。今こそ再評価されてしかるべき傑作ではなかろうか。

 夕方よりヨシヒト嬢、泊まりに来る。
 『サウスパーク』の2巻や『ウルトラシオシオハイミナール』『まぬけの殻』などを見せる。なんだか無理強いしてるみたいで申し訳ない気もするが、こちらが面白いと思う作品を喜んで見てもらえることはやはり嬉しいのだ。



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