無責任賛歌
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藤原敬之(ふじわら・けいし)

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2000年09月10日(日) 睡魔と戦いつつこれを書いてます/『星降り山荘の殺人』(倉知淳)

 今日、初めて普通自動車と軽自動車とではプレートの色が違うことを知った。
 軽自動車って、黄色いのか。
 ……まあ、世間の人にとっては常識中の常識なんだろうな。
 でも、私は、もともとクルマというものに全く興味がない。しかも色弱で色の識別もままならない。なんとなれば、プレートの色に気づかなかったとしても、鈍感だの不注意だのという謗りを受ける筋合いはないだろう。……何となくこのネタ、ミステリーのトリックに使えそうだな。
 それにしても不思議なのは、どうして私はこうも自動車というものに何一つ関心を抱かなかったのか、ということだ。
 普通、男は、車とか銃とか戦闘機とか、そういう「力強いモノ」に興味を持つものだ。ところが私の場合、そういった感情が人より明らかに薄い。
 ……かといって、自分が銃やクルマを怖がるような女々しいやつだとは思わないんだよなあ。どっちかと言うと、私の知ってるガンマニアのほうが、よっぽど女々しいやつだった。
 自分の非力を、銃だのクルマだので代償しようという心理自体が私にはないのだ。……ということにしておこう。
 でも、小説書くとき、これはちと困るな。
 今の私の乏しい知識では、金持ちの乗る車はベンツに決まってるし、一般人はみなダットサンである。……想像だが、これってかなり嘲笑われてしまう描写になるんじゃなかろうか?

 女房、今日は結局練習には行かずじまいだったらしい。少しは罪悪感を持って、大人しくしてくれているんならいいんだが、大抵形だけての反省にしかなっていないからなあ……。
 夜、愛知にいる鈴村くんから電話。女房が応対する。
 女房の怪我のことは知らなかったらしく、鈴村くん、やはり驚いていたらしい。
 でも女房は「捻挫しただけだから気分は全然平気」なんて言ってやがる。本気で反省してりゃあ、こんな台詞が出て来るはずはないぞ。
 鈴村くん、十月に帰ってくるとのこと。その頃には彼の赤ちゃんも生まれて1ヶ月。となると親子の対面はこのときが初めてになるのか……。
 ……親が子供にベタベタするのも嫌いだが、こう淡白なのも、ねえ……。

 倉知淳『星降り山荘の殺人』読む。
 気持ちは分るが、都筑道夫のパクリはいかん。女房も私もすぐに犯人やトリックを見破ってしまって、物足りなかった。
 ……でも、これでもマンガの『金田一少年』に比べればはるかに面白いのだが。


2000年09月09日(土) なんでこんなにバカなのか

 台風は西に逸れたというのに土砂降り。
 仕事でずっと外に出ていたので、もう○○までぐっしょり。……伏字にすると却ってイヤラシイな。下着だよ下着。
 しかし傘がまるで役に立たないのは参った。横殴りの雨が顔面をびしょ濡れにしてるのに傘をさし続ける虚しさったらないね。
 ああ、明日も外で仕事だというのに次の台風がもう沖縄まで近づいてきてるじゃないか。

 女房が図に乗ってきている。
 私の留守中に、ほっかほっか亭まで弁当を買いに行ったらしい。
 「どうやって行ったんだよ!」
 「……自転車で。ほっかほっか亭のおばちゃんが『どうしたの!』ってビックリしてた」
 「ケンケンしてったのか?」
 「いや、松葉杖持って行ったから」
 ……自転車に松葉杖乗せてったら、そりゃ壮観だったろうよ(-_-;)。
 歩行許可が出たからと言って、ケガが治ったわけではない。今日も痙攣を起こして激痛が走ったと言っていたくせに、何を考えているのか。
 しかもそうまでして弁当を買いに行かなければならない理由はないのだ。弁当ならちゃんと買って置いてある。なのに、自分の好きな弁当ではなかったので殆ど口もつけていない。……きのこ弁当のどこが悪い! 白い飯じゃなきゃ駄目って、わがまま以外のなんだというのだ!
 もちろん、私とて何度も女房に注意はしている。でも本当に冗談ではなく五分後には注意されたことを忘れているのだ。
 ついさっきも、「朝、おにぎりを枕もとにおいておいてね」と甘えてきやがった。……外まで弁当買いに行ったやつが何を言うのか。
 もう同情するのはやめよう。これ以上は、マジで私のほうが体を壊す。て言うかここ二、三日、夜ゆっくり眠っても朝起きたらめまいがしている。
 ああ、どこかで一人っきりで静かに休めるところはないか……。

 メンバーのみんなに連絡。
 明日私は仕事で、練習に女房を連れていけないが、タクシー代を渡してある。女房が勝手に「自転車で」練習場に来ているようだったら、はっきり「バカ」と言ってやって下さい。……とほほ(+_+)。

 『キネマ旬報』最新号、ビリー・ワイルダーのインタビューが載っていて驚く。
 もうとっくに引退してると思っていた……って、監督に悪いか。スピルバーグの『シンドラーのリスト』、本当はワイルダーが監督したかったんだとか。……そのほうがあんなお涙頂戴映画にならずにすんだかも。


2000年09月08日(金) 這えば立て、立てば歩めの夫心/『ビーストテイル』(坂田靖子)ほか

 女房を病院に連れていく。
 ギプスはまだ外れないが、歩行許可は出る。しかしギプスを着けたまま歩こうとしても、妙に股が開いて歩きにくいらしい。
 結局、もうしばらくは松葉杖のお世話にならねばならない様子。

 映画『PUPS』、今日までの上映なので無理して行くことに。
 映画館が博多駅バスセンターの上なので、天神まで出張るよりは楽かも、と思っていたが、雨降りの道を少しは歩かねばならず、女房、今にも滑りそうでいかにも危なっかしい。
 でも、本当に久しぶりの外出だったので、女房、多少はしゃぎ気味。
 松葉杖なしでエスカレーターを器用に昇っていく。次のエスカレーターに移るときだけケンケンで行けばいいのだが、それでもかなり体力を使うらしい。映画館のある七階に辿りつくまでに息が上がっている。
 女房、こうたろう氏から頂いたお見舞いのお返しを物色する。何だかよく分らないが面白いモノらしい。いきなりお送りしてビックリさせる算段だろうから、今はまだここでモノの正体を明かすわけにはいかない。
 映画のあと、久しぶりに外食。女房、きのこのオムライスを頼むが、注文を間違えてしまう。クリームソースのはずが、来たものはなぜかトマトソース。
 ウインドウで品名を確かめておいたにもかかわらず、テーブルについた途端、その名前を忘れてしまい、適当に注文してしまったのだ。
 ……いくら記憶力がないと言っても、ちょっとひどすぎないだろうか。
 帰りは雨もやみ、順調に帰宅。しかしこんなにしんどい思いするくらいなら前売券買うんじゃなかったなあ。……はあ(´o`;)。

 岡田斗司夫・田中公平・山本弘『史上最強のオタク座談会3・絶版』読む。アニメ・特撮界の裏話が聞けるのは楽しいが、作品の読みがいつも浅い。
 マンガ『ビイ・ストリート』2巻。ミステリマンガの書き下ろしだけを集めたこのアンソロジーシリーズ、冬目景や斎藤岬などの実力派を集めていて、試みとしては面白い。ただ短編でしかもマンガでは、あまり深みのあるものは描けないのが弱点か。
 坂田靖子『ビーストテイル』、グリム童話やイギリスの民話のマンガ化だが、坂田さんのことだから相当改変しているかと思ったら、意外と原点に忠実。でも、あの「白い」空間の温かみはどの作品にも溢れていて心が和む。実はこんなマンガが描きたいのだ。
 明日は休日出勤なので、早目に寝よう。



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