あたしが不治の病で床に伏したとき
あなたはそんなあたしを どんなふうに愛してくれるんだろう
あなたが 自分のこともあたしのことも覚えていられないほどの 病に襲われたとき
あたしはそんなあなたを どんなふうに愛するんだろう
『しあわせ』は 目に見えず ココロで感じ カラダで感じる
どんな色が あたしを幸福にしてくれるの?
どんな形が あなたを幸福にするの?
あたしが先にこの世から居なくなって そのあと あなたが 途方もなく長い時間を 独りで過ごさなくてはならなくなったときは
どうか 誰かを愛し 誰かに愛されて それからの時間を過ごしてください
あたしのことを 覚えていても 忘れてしまっても 居なくなってしまったあたしに 寂しさや痛みはありません
別れのときに あなたの 心と身体で 一度だけ ぎゅっと抱きしめてくれたら それであたしの背中には 天国まで行ける 羽が生えるから
あなたが髪を撫でてくれるとき
あなたがそっと額に口づけをくれるとき
あなたが甘い接吻をくれるとき
あなたがぎゅっと抱きしめてくれるとき
あなたがやさしく あたしに触れてくれる
なんて 幸福
コトバにこだわる あたしがいたことを ハンセイ
あたしも過剰なコトバを 嫌う人種だったのに
あなたがくれる幸せに 偽りなど ありません
あたしが持つこの気持ちに 曇りなど ありません
誰もいないから
あたしと居るの?
誰もいないから
あたしと出掛けるの?
あたしは 誰でもない
あなたと居たい
あたしは 誰でもない
あなたと出掛けたい
あなたが あたしと
一緒に居たい と
一緒に出掛けたい と
想ってくれるまで
言ってくれるまで
ずっと 傍に居る
それが
弱さでも
強さでも
どちらでも いい
あたしの基本が あなたであること
あたしのすべてが あなたであること
あたしは
今 大病を患っていて
それは 不治の病で
お薬は なくて
死ぬまで かかり続けて
あなたの 言葉と
あなたの 笑顔と
あなたの 抱擁と
あなたの 接吻だけが
モルヒネのように
一時的に 痛みや 苦しみを
取り除いてくれるの
辞めなさい
あの人は あなたの『所有物』では ありません
対等に相対する 『一人の存在』 なのだから
すべてを 知り尽くす なんて 無理なこと
あなたが自由なように
あの人も自由なのです
あなたにあの人の知らないことがあるように あの人にもあなたの知らないことがあって 当然なのです
大切なことだけ 知っていればいいんじゃないですか?
それだけを 分かっていればいいんじゃないですか?
あの人が居るからこその あなたが存在するように
あなたが居るからこその あの人も存在しているはずです
あなたが心地よく過ごせてるように
あなたもあの人に 心地よく過ごしてもらえるよう 努力することが あなたのいちばんすべきことではないですか?
少し 立ち止まって ゆっくり 考えればいい
自分があの人にそうできてるかということ
出掛ける
旅する
食事する
くっつく
笑う
抱きしめる
あなただから
そうしたい
不思議だね あなたも 他人も 同じ人間なのに
どうして あたしは あなたなんだろう・・・
|