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スケジュール自体はそんなに忙しいものではないのですが、とにかく頭と体が鈍ってついていけません。パソコンも暑さのせいなのか、半死の状態です。1行分くらいキーボードを打ってから、その後徐々に文字が表れ出るというスピードです。
帰りの電車で海を眺めながら聞いていたラララが何とも…!!!
2004年07月10日(土) |
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さすがに、昨日までの酷暑と比べれば涼しい一日でしたね。久々に昼まで寝て、濃いコーヒーを2杯続けて飲んで、それからピアノに向かう。
ワルツ6番については、中盤でどうしてもF氏の言葉を思い出さずにはいられず、それ以上指を進めることができなかった時があった。「自分のやりたいことだけをやる」と彼は言った。ピアノをやるのかな、と思わせた言葉をずっとずっと以前に聞いた。やりたいことの一つにピアノもあったのでしょう。多分。もうピアノは始めたでしょうか。その感性から一体どんな旋律を奏でているのでしょうか。私には聞えない。どうしたって私の入れない世界に住んでいる「らしい」けれど。そこにあるのは私の不在。ピアノを弾く時は、誰だって一人。だからってもう、彼を想うことはないでしょう。悲しくなるけれど私はピアノを止めません。私のピアノ、私の生き方全てを込めて。最終小節まで。
貴方なしでは生きられません。なんて誓っておきながら、どうして一人で今生きているのだろう。笑いもせず、泣きもせず。
味もそっけもない、陳腐な愛情などというのを思い探りながら。
通勤ラッシュの時間帯に、神戸に行かなければならない。 勤務先に向かい、正面に見える高速道路の向こうには、実際には見えないけれど海の気配、すぐ西の道路を挟んだ向こう側にスタバ。ロケーションに関しては問題ない。
大阪ブルーリボンの会が主催する、被害者支援集会へ。
明石駅で、友人と合流。帰国後初めての再会だった。近いうちに会おうねと、帰国前から話していたくらいだったが、数日前に救う会に一緒に行かないかなと、本当に軽く誘ってみたところ興味を持ってくれ、今日この機会に再会を果たしたのであった。混みあっている電車内で会話は尽きなかった。
会場は千里中央。ホームで年配の男性に方向を聞かれる。「講演に行かれるんですか?会場はどちらでしょう」と。さすがに、電車から降りたこの大勢の人々は皆講演に来たのだろうか?とおそらくあり得ない推測と同時に、本当にそうだといいのに、と漠然と望んでいた。会場はすでに多くの人々で一杯だった。母の友人で幹事をされている方が、取っておいて下さった席から私たちを見つける。時間があるからと、控え室へ連れて行って下さる。そこで初めて横田さん、有本さん夫妻に会う。座っていたせいもあるが、思っていたより小さく見えた。私には予想もつかないであろう心身の疲れは明らかだった。幹事さんと母は共に顔見知りであるため、挨拶に続けて、両夫妻を極力気遣いながら少しばかり話をしていたが。私は何も言えなかった。言う必要もなかっただろう。「頑張ってください」?彼らは言われなくても頑張っている。「どうか、お体に気をつけてください」と、本当に思いはそれだけだった。
小泉訪朝を「政界史上最悪の愚行」と力強く述べた荒木氏の講演に続き、拉致事件の概要とこれまでの支援活動の様子を含めたビデオ上映、続いて両ご夫妻の講演だった。後に聞いたことだが、今回は訪朝後の家族会への批判もあったせいか、横田滋さん、有本明弘さんは普段より発言をかなり押さえていたという。何か、一歩控えたような口調だと聞いている最中にも感じたことだった。横田早紀江さんと有本嘉代子さんも、実際の声を聞くのは初めてだったが、メディアを通してでは聞えない、娘に対する母親の代えることのできない愛情、突然姿が消え、悲しみだけを残された立場の悲痛な思いがそのまま伝わるのだった。「自分の子供を返して欲しい」望みはそれだけなのに。普通の幸せをも取り戻すことを怠った日本の罪の大きさを、改めて噛みしめた。
本来日本政府が率先して行うべきであるものを、今民間の団体が立ち上がり行動するしかない状況にある。行動するといっても、被害者を力ずくで取り戻すことなどできるはずがない。では何ができるのか。まず無知・無関心からの脱却だろう。自分との関わりの中で、事実を認識し、自分の意見を明らかにする。実際に「行動」といえるのは選挙くらいだが、現状を変えるべきだという気概を持ったのなら、誰を、何を支持すればいいのかはっきりと見えてくるだろう。その選挙さえも関心を向けないのが現在の状況であるのだから。実際に、現状を動かし、打破するのは世論をもってしかできない。講演でも何度も強調されていたが、解決への近道は「関心を維持し、世論を高めること」である。
今日は初めての参加だったが、実際に来ないと分からないこともあるのだと実感した。横田さん、有本さん達の声を間近で聞くだけでも、感じ方は違ってくるはずだろう。今さら当然のことを言うが、メディアから受け取るものが事実のすべてではない。行ってよかった、本当に勉強になったと、一緒に行った友人も語っていた。私も同感だった。同時に、今日まで自分には何もできないという傍観者だったことは、同じ日本人として恥ずかしく思う。
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