今期、ボクの会社に新しいシステムを導入を検討しているのでメーカーの方がデモを行いに来ました。このデモがよければ新システム購入、なのでございます。
　プロジェクターを設置しノートＰＣに繋いで画面をスクリーンに写しました。かっこいー。
　そしておもむろにブ厚い資料を渡され、デモが始まりました。

「ココをクリックするとウィンドウが開いて先ほどの情報がポップアップされます」
「顧客の名前、または電話番号を入力すると過去の履歴がコチラに出てきます」
「日付入力によって前年同日の予約状況が確認でき、グラフが出ます。この分析により、より効率の良い予約のコントロールができるようになります」
　ボクにはまったく解らない言語が飛び交っております。何を言っているのだろう、この人たちは。

　ソレに対し、同席したボクの会社の社員たちは、
「その画面から先ほどの情報にアクセスできるのですか？」
「同日分析とは別に曜日別分析の軸から抽出は可能ですか？」
　といった質問をすこぶる普通にしております。何を言っているのだろう、この人たちも。

　そんなどこか遠い国の言語でお話ししている人たちをヨソにボクは、最初に渡されたブ厚い資料の片隅に“科学戦隊シャンコバー”専用カー（水陸両用）のパラパラ漫画を作成しておりまして、パラパラとめくっていたトコロ、

「シャンコバさん、最後に何か質問はございますか」

　えー、何だよ。今まさにミサイルを発射しようとする瞬間だよ。全然聞いてなかったよ。どうしよう。すごい真剣にミンナ見てる。何か質問しなきゃ。

「えー、そ、それは何ですか？」

　ボクの質問が想定外だったらしく、メーカーの方２人は「少々お待ちください」とボクを制し、慌てて資料をめくりつつヒソヒソと相談を始めました。しばらくしてお互いに「ウン」と頷きあい、部長という役職の人がボクに正対し、真剣な眼差しで回答しました。

「これは、プロジェクターとスクリーンをもってきた台車、ですが…」



　１０月、ボクの会社に台車が届く。

　断腸の思いでサボっております。

　これだけ日記をサボりますと「今度書くときには面白いコトを書かなきゃ」というプレッシャーに日々心がさいなまれているワケでございます。
　しかし心とはウラハラに、この生意気盛りなボデーはオトナの男女があられもない姿でくんずほぐれつの恥ずかしい運動をしている映像が収録されている最新ＤＶＤ（まさかの洋モノでございます）を鑑賞し、次第にその映像と一緒にハァハァと激しく息を荒げながらＤＶＤの男女に合わせつつ一緒に果ててしまうシャンコバちゃんでございます。（もちろん「ビリーズブートキャンプ」のお話でございます）

　とこんな調子で久しぶりに日記を書き始めたのですが、ボクはどんな日記を書いていたのか、ボクはどんな文体だったのか、ボクはどんな性癖だったのか、はたまた道具なども激しく挿入していたのかさえすこぶるナチュラルに忘れてしまいました。ご存知の方がいらっしゃいましたら手取り足取り腰取り教えていただければと、腰振り合うも他生の縁だと、ぜひともボクの上、もしくは後ろから激しく腰を振りつつツッコんでいただかないと、と思うワケでございます。（当方、完全マグロで承ります）

　しかるにオノレは今までに一度も面白いコトを書いてない、しかも微妙にうすら寒い、この受け専のクサレホモめがという激しいツッコミはいらないのでございます。非道い。まだ濡れてないんだから。（オロナイン）

　「マルキュウで待ち合わせてさぁ」

　会社のバイトのコたちが話しているのをフと聞きました。

　皆さんご存知の通り、「マルキュウ」というと渋谷駅前のＳＨＩＢＵＹＡ１０９というファッションビルの略称でございます。
　マクドナルドを「マック」、スターバックスを「スタバ」などは当然ですし、中にはファーストキッチンを「ファッキン」と略すチャレンジャーな方もいらっしゃるワケです。

　そんなバイトのコたちの会話でフと学生時代を思い出してしまったワケです。

　１０年以上前の学生時代、実家に帰省した時のコトでございます。
　大学進学で上京して何年か経ち、久しぶりに高校時代の友人たちと飲みに行ったワケです。皆がサワーやチューハイを頼むなか、「ドライマティーニ。ヴェルモットはノイリー・プラットのフレンチ・エクストラ・ドライで」と注文するボクの洗練された振る舞いや仕草、言葉遣いに地元の友人は、「東京に行って変わっちまった」だの「郷土の心を捨てちまった」などと揶揄されつつも楽しくおサケを嗜んでいたワケでございます。
　懐かしさも手伝い、２軒、３軒とハシゴしていくのですが、そこは田舎でございます。２２時だというのにすでにチェーン展開している居酒屋しか開いてはおりません。次はドコに行こうかと歩きながらボクが、「この時間だと駅前の『つぼ八』しか開いてないだろ」というと、ほどよく酔いが回った高校時代のレスリング部の同期のオオカワくん（会って３日の相手と無理矢理結婚してしまうアグレッシヴさん）が東京への対抗意識がそうさせたのか、ここぞとばかりにしたり顔でボクの顔におツユを飛ばしながらガなったワケです。
　「シャンコバ、東京じゃまだ『つぼ八（はち）』なんて言ってんのか？　コッチじゃそんなカッコワルイ言い方しねーんだよ。コッチじゃ今、『つぼエイト』って略してんだよ！」
　オオカワくん多い多いー。略してなーい。（←言い放ったあとの驚くほどのカッコワルさにその後のオオカワくんが荒れたのを誰が責められましょうか）