その髪に触れたいな
その唇に触りたいな
おでこをくっ付けて、至近距離で話をしようよ
あなたに会いたいな
あの瞳にもう一度会いたい
生きて行くのに必要なものはなんだろう。
必要以上にありふれて、溢れ余る夢だとか、 必要以上に栄養過多な毎日の食事。
要らない物には嫌というほど囲まれていながら
本当に大事なものは何ひとつ手にしない事に気付け。
人が破綻していく理由は、不特定な「世間」や「人様」に 対する見栄だと私は思う。
人より優れていなければならない。人より、人より、人よりって そればっかりで、世界でたった一人になったとしたら 何を背負って生きてくつもりなんだ。畜生。
私は、他人の為に生きるのは嫌だ。 それと同時に、自分のためだけに生きるのも嫌だ。
こんなふうに文字に簡単に書けるような模範解答すら、 自分自身に納得させられないほど馬鹿になった自分が 何より悔しくて情けないと思う。
それは作為的な視線
わずかに粘着質で鋭い視線が 私のラブメーターの針を揺らす
一瞬で私の妄想を見透かしたように 少しだけ上がった唇の端
それでいて あくまでも他人行儀を貫いて お行儀良く並ぶ言葉たちが
やけに胸に直接響いて 悲しみと切なさと諦めを
私はそれでぐちゃぐちゃになる
きっと、あの人に触れられたら
私は止まらないんだろうなぁ、なんて、
再び私は妄想にふけって、欲望を夜に流す
くだらないことで悩める人間。
小さな事で癇癪を起こしたり、わざとらしく拗ねてみせる人を 私は好まない。
だいたい世の中、本気で悩んでる人間ほど、頭の中身がおめでたい 奴もいない。
祖母が来てから、うちの中は目茶目茶だ。
皆がくだんない悩み事で胸を頭を、心を窮屈に過ごしている。
そんな人生ははたしてハッピーと言えるのか。
友達は居ない、家族も居ない、愛してくれる人も、そして何より
『愛している人が居ないという事実』
人を愛せない現実は、きっと、とてもとても怖いだろう。
誰の心の中にも居ない事は、生きていないのと同じだから。 自分だけで世界が飽和してしまうから。だだっ広い自由の中に、がらんと
彼女だけの人生が転がって、そして終わる。
幸せになりたいときっと誰もがいつも思っていて 毎日バスに運ばれてたり、漫画読んでゲラゲラ笑ったり、 上司の小言を聞かされたりしてんだろう。
じゃあ、どうしたら幸せなの?ってその人達に聞いてみても、 多分誰も『これが幸せだ』って言い切れる人は居ない。
『幸せって何?』って自分に問い掛けてみると、いつもくだらない 妄想ばかり膨らむんだ。
「寒い夜にこたつに足を突っ込んだ時」 「暖房で喉がカラカラになったそこに、コップの水が流れ込んだ時」 「会社から出てバス停に着いたら、ちょうどよくバスがやって来た時」 「お腹が空いてる時のひと口目の食事」 「冬休みで好きな子に会えないと思ってたら、偶然、街で出会った時」 「性欲で妄想ばかり膨らましてた時に、肉棒を与えられた時」 「愛が欲しいと飢えてた時に愛をくれる人に出会った時」 「立ってても眠れるくらい眠い状態で、眠って良い環境を与えられた時」
人が思いつくすべての強欲を、一度に、全部満たしても、人は幸せにはなれない。 最も大切なのは、欲に対して、現状がタイムリーに叶えられる事だ。
幸せとは、量じゃなくて、この幸運が何回その人に訪れるかだと僕は思う。
淋しいと思う気持ちで育てた花を、あなたに見せてあげたい。
淋しくて淋しくて、孤独な気持ちで過ごした時間と
同じだけの涙で心に水を。
涙を注いで育てた花は、あなたの陽光で、目が覚める。
それはとても美しい花。目に見えず、ただ、仄かに香る花。
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