ロシア人けっこう好きかも - 2012年03月12日(月) 「映画に音をつけた」って言ったら新作の映画に録音で音つけたって思うよね。 ではなくて、ふるーいサイレントの頃の映画を上映している横で、フィルムを見ながら演奏する、という事をやってきました。 「当時、レーニンの政策によって独立採算制を余儀なくされた撮影所が、宝くじを奨励するという建前のもと、大蔵省をスポンサーにして製作費を引き出したというもの。」 http://movie.goo.ne.jp/contents/movies/MOVCSTD14922/index.html より ↑そうだったのか!ソヴィエト政府はおしゃれな仕事するなぁ、と思ってたんだけど、映画会社がスマートだったのね。 (このサイトはあらすじが全部書いてあるので、あらすじのとこは読まない方がいいよ) アドリブではとてもじゃないけどできないので、事前にフィルムをもらって、何曲か書きました。 何回も見てるうちに、「このシーンはアドリブだな」とか「その変顔は必要ないやろ」とか「そこまで腰いれなくても」とか、いろいろわかってくるんですよね。そうすると一人一人の俳優さんが好きになってくる。彼らを愛する監督バルネットの暖かい視線が好きになってくる。 僕も1927年に一緒に制作してるみたいな変な感覚でした。 実際にフルサイズで使ったのは3曲ほどですが、使わなかった曲、ちょっとだけ使った曲とかいれるといっぱい書きました。曲といえないフレーズの積み重ねみたいなものもあったしね。年に1〜2曲しか書かないムラジにしてはすごいハイペースです。 ちょうど作りかけてたBebopを急遽書き直した「イリヤのテーマ」とか この映画のほっこり感、緊張間を全編にわたってフィルムに乗せたくて書いたワルツ「帽子店のテーマ」 純粋な二人の為に書いたラブソング「ナターシャのテーマ」 この三曲は大事なシーンでばっちりいい空気を作ってくれました。 なんて書いてますが、終わって数日たってるので落ち着いて書いてるわけで、 当日、前日なんかは緊張してずっとのどがカラカラでした。このメロディでいいのかとか、 ちょっとふざけた音も出したりしたので、「映画をなめとんのか」とかおこられちゃったらどうしよう、とか。 自分のステージではなく、他人さまの作品なわけで、それをいい加減に扱うわけにはいかないし。 この短時間でよくこれだけたくさんの曲書いて、フィルムに合わせて練習したわ、と感慨深し。 思うに、やっぱりいい映画だし、できたことかなと思います。シーンを見てると音のイメージが浮かぶんですもの。 でもね、ちゃんと映像ができてると、メロディとか和音とか、あんまし凝ってない方がいいよね。きっとかえってジャマになっちゃう。 それよりもしっかりフィルムに合わせて感情だして演奏する事がだいじかな、と。 主宰の七芸さん、他の映画館の方々、映画ファンの人、映画関係のライターの方などもご覧になっていただいて、それぞれからけっこう好感触の感想をいただきました。ありがたい。 「また次回やりましょう」という話もあがっています。ホントか?と思いながらも、七芸さんからまたお誘いがあったら、やってみたいです。もう少し時間をとってね。 僕的にはかなりのチャレンジだったのです。 ドキドキだったのですが、信頼してくれてすべてを託してくれた七芸のキタノ君。 一緒にいい音を作ってくれたギターの西條さん。 自由に遊ばせてくれた七芸館長の松村さんのお三方には あらためてお礼を申し上げます。ありがとうございました。 そしてすばらしい作品をありがとうバルネット。 一人一人がすばらしい俳優さんやと思います。 あまり表に名前が出ないので、彼らの名前も書いておきます。 帽子職人の娘 ナターシャ(アンナ・ステン) 苦学生 イリヤ(イワン・コワル=サムボルスキー) 帽子店の女主人 マダム・イレン(セラフィーマ・ビルマン) そのだんな ニコライ(パーヴェル・ポーリ) 鉄道員 フォーゲロフ(ウラジミル・フォーゲリ) ボリス・バルネット傑作選は3/23まで七芸にて公開されています。 http://www.nanagei.com/movie/data/586.html 深夜のリハ@七芸 3.9. セッティングしてフィルム流し始めたのは25:00ごろ 銀幕ってほんとに銀色なのね。知ってた? しかも穴あいてた 何回も書き直したキューシートと譜面 最終的にはほとんど覚えちゃった ロシア人も楽しい事が好きだし、正義感あるやつが好きだし、でも小ずるい奴も憎めないのだ。 ばたばたしてましたけど、11日は私、誕生日でした。大変な日になってしまったです。そんな中、メッセージを下さった方、ありがとう〜 -
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