西日が差したら枇杷の実を食べよう
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2005年08月19日(金) |
遠い星のように愛そう、人生を。『死ぬまでにしたい10のこと』 |
なんとなくWOWOWにチャンネルを合わせていることが多い。
おとといは韓国映画の『ラストプレゼント』に怒り、 昨日は『死ぬまでにしたい10のこと』で泣いた。 同じヒロインの「死」を扱う映画でも、なんという違い。 前者は「死」を単にドラマづくりの小道具のように 扱っているとしか思えなかった。
『ラスト・・・』にくらべ、『死ぬまで・・・』はいい映画だった。 コインランドリーの男の人や、隣人の看護婦さんの出現など、 都合よく話しが運びすぎるような気もしたが、 ドラマ的な筋運びを、必要以上に意識させられたのは、 主人公を含めた登場人物の存在感が リアルだったからこそかもしれない。 いや、それとも。 いったん「死」が目の前に突きつけられると、 見過ごしていた普通の風景や人物が、 とたんにそれまでとは違って、 「意味を持つ筋書き」になっていく…ということを この映画全体を通して象徴しているのかもしれない。 脚本、監督のイザベル・コヘット。 才能ある女性。覚えておこう。
この映画に出会えてよかった。 もう人生も後半に入り、 一日一日を、きちんと楽しく、文句を言わず、 ていねいに生きようと決意したばかりだったので、 そういう思いを、きちんとラッピングして、 映画という贈り物にしてもらったような気がした。
まぁ、人生、いろいろあるけれど、 夜空に散らばる星のように、しんみり静かに人を愛して 過ごしたい。 そんな気持ちです。
雨の中、車の中で二人でカセットテープを聴くシーン、好きだったなぁ。
2005年08月02日(火) |
立ちどまってため息ついて、女の子はまた歩きだす。『仔猫をお願い』 |
ソウル郊外の商業高校を卒業した女の子たちの、 不器用で、いたいけな青春物語。 ありがちな恋愛エピソードは、まったくナシ。 そのかわり、全編に、 「高卒って、会社じゃ一人前として扱われないの!?」とか、 「あー、貧乏っていやっ」とか、 「家族きらい。家、出たい」とかの、 夢いっぱいで高校を卒業したはずの女の子が、 二年たって二十歳になって、 「こんなはずじゃなかったのに・・・」と、 立ち止まったときの、あの、 どうしようもない切ないいらだちが、 あふれていた。
・・・猫。かわいかったなぁ。
2005年08月01日(月) |
嘘つきたちの愛のうた『やさしい嘘』 |
舞台はグルジア。 パリに出稼ぎにいった息子からの手紙を 何より楽しみにしているおばあさんに、 その息子が急死してしまったことを伝えられず、 嘘の手紙を書きつづける娘と孫娘のストーリー。 そんな娘と孫の「やさしい嘘」に、ラストでもう一つ、 やさしい嘘が加わって・・・という、 物質的には決して豊かでない人たちの、 とっても豊かな心持ちを描いた映画。
主演のおばあさんが、すごくよかった。 ヨーロッパのおばあさんらしく、 きれいな色の花柄のスカーフやワンピースが似合っていて、 けっして豊かな暮らしじゃないのに、 マニキュアもきちんと塗っていて。 ラスト近く、孫娘に 投げキッスする時の笑顔がなんとも言えず 優しくて、可愛くて、泣けた。
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